薙刀術
テンプレート:Otheruseslist テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox 武道・武術 薙刀術（なぎなたじゅつ）は、日本固有の長柄武器である薙刀を使用する武術である。
歴史
「薙刀」と分類される武器は、剣（つるぎ）が刀剣すなわち日本刀になったのちに、戦場での主武器が騎馬での弓射から、徒歩での戦いが主となったときに生まれた。初期の頃は「奈木奈多」と表記したり「長刀」の字が当てられていたが、長い刀を意味する「長刀」（ちょうとう）と区別するため、人馬を薙ぐ刀として「薙刀」と書かれるようになった（「薙ぐ」とは“横に大きく払って切る”の意味）。ただし、武術の世界では依然として「長刀」の表記例が多く用いられていた。
奈良時代から平安時代にかけて寺院の守護のために僧兵の武器として威力を発揮し、鎌倉時代末から室町時代にかけて戦場の主武器になった。しかしながら、応仁の乱頃より戦いの主流が歩兵（足軽）による密集戦に変わると、やがて機能的な観点から槍に取って替わられていった。
江戸時代に入ると、一時は江戸幕府が武士の個人での薙刀の所持を禁止した事により武術としての薙刀の術法も存続が危うくなったが、禁令の対象は「大薙刀」と呼ばれる長大なもののみに留まり、武芸となる事で存続した。その影響で女性専門の武術である「おんな薙刀」として専門流派も出現し、明治時代に撃剣興行では人気を博した。大正時代から太平洋戦争後にかけて、競技武道の「なぎなた」となり、現代も女性の競技が盛んである。ただ、近年はそれなりに改善されたものの、かつては女子校、または女性のみでしか習えない、言わば男子禁制の武道として男性が習える機会は殆ど無く、歴史の断片による偏見が根強い時期もあった。
なお、男性の修練する「おとこ薙刀術」についても多くの流派に併伝されて、今なお稽古されている。
主な流派
薙刀術の流派
流派の表武器術以外に薙刀術があるもの
- 天真正伝香取神道流
- 馬庭念流
- 竹内流 - 備中伝長刀
- 荒木流
- 立身流
- 宝蔵院流（槍術のみ現存。薙刀術は現存せず）
- 駒川改心流
- 渋川流（現存する広島藩伝の渋川流には薙刀術も伝わっている）
- 心月無想柳流（小薙刀術）
- 無辺流
- 聖徳太子流
- 心形刀流（枕刀術と称す）
- 水鴎流
- 北辰一刀流
- 根岸流（手裏剣術のみ現存。薙刀術は現存せず？）
- 不遷流
- 法神流
- 新陰疋田流
他、多数の流派が存在
伝統芸能
武術以外に能や棒の手、太刀振り、ささら踊りなどの伝統芸能においても薙刀術の形が採り入れられた。
