デス・スター

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デス・スターDeath Star)は、映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する架空の宇宙要塞である。

概要

銀河帝国の最終兵器。その大きさは直径120km[1]にもおよび、オルデラン級の惑星、現実の世界における地球と同規模の惑星を一撃で破壊することができる兵器「スーパーレーザー」が搭載されている[2]。また、艦隊による妨害を排除するために数百機の艦載機と各種ターボ・レーザー砲により武装していた[2]

映画『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』ではジオノーシアンが持っていたデス・スターの設計図をドゥークー伯爵(ダース・ティラナス)がダース・シディアスに届けるシーンがあり、ジオノーシアンが設計に関わっていたことが明かされている。「クロスセクション」では、ターキン総督の発案としている[2]

なお、デス・スターの設計が完成されたモー秘密研究所では他にも大規模で強力な兵器の設計が行われ、そのいくつかは実際に帝国軍によって使用されていたが、新共和国によってこの研究所は破壊された。

体制

デス・スターはそれ自体が巨大な組織でもあり、内部には乗員が生活する居住区画だけでなくトレーニングジムから酒保まで様々な福利厚生のための施設が用意されていた。初代デス・スターは事実上ターキン総督の支配下にあり、皇帝のためというよりも「恐怖による支配」というターキン主義を銀河に浸透させるための道具として使用された。事実、ターキンはスーパーレーザーの使用権を与えられており劇中の描写の通り自由に扱えるばかりか、ターキン総督の側近モッティ提督などはデス・スターの力で皇帝に謀反を起こすようターキンに勧めるなどしており、デス・スター司令官たちが皇帝に対して強い独立性を保っていたことがうかがえる。エピソード4におけるダース・ベイダーはターキンの監視の密命をおびて派遣されていたともいう。一方、第2デス・スターは完全に皇帝のための兵器として機能した。皇帝は初代の時のような司令官の人選ミスを繰り返しはせず、気弱なモフ・ジャジャーロッドを第2デス・スター司令官に据え、また皇帝自らもデス・スターに入り、そのトップに君臨したのであった。

構造

デス・スターは惑星を破壊する強大な火力を持つ宇宙要塞だが、通常航行のためのイオン亜光速エンジンと、ワープのためのハイパー・ドライブを備えた巨大宇宙戦艦(戦闘ステーション)でもある[2]。映画でも、デス・スターが惑星に接近する様子が描写されている。巨体を動かすためのエンジンやハイパードライブは、デス・スターの赤道溝に沿って配置されていた[3]。この赤道溝は港湾施設を兼ねており、エピソード4でファルコン号が拿捕されたドッキングベイ3207も存在する[4]。最高司令室は、スーパーレーザー・デッシュの縁(デス・スターの"目")に位置していた[5]

バリエーション

本編におけるデス・スターは2度にわたり建造されたが、いずれも設計図が反乱同盟軍の手に渡って弱点が露見し、破壊された。

初代デス・スター

初代はエピソード3『シスの復讐』の終盤で建造が開始され、エピソード4『新たなる希望』の時点ですでに完成していた。乗員は約100万人。見せしめとテストのために惑星オルデランを破壊している。

アナキンがダース・ベイダーへと変貌した際には既に建造が始まっていた事が明かされており、建設に約20年かかっていることがわかる。一方、第2デス・スターはエピソード5と6の間の約1年で大部分がすでに完成しているが、ジョージ・ルーカスはこの建設期間の差について「シスの復讐」のDVDの解説音声で「最初のデス・スターは物資の調達に苦労したから」と語っていた。後に「ジオノーシアンによる当初の設計に欠陥が見つかり、ケッセルの近くにあるモー秘密研究所で再設計を余儀なくされたために建造が中断されていた」という後付けによる公式設定が発表された。後に発表されたスピンオフ小説『デス・スター』では、他の政治的な理由も絡んで初代のデス・スターの建造が何度も中断されていたとされている。

Xウイングに搭乗したルーク・スカイウォーカーダース・ベイダーの追跡をかいくぐりながら、デス・スター表面上の溝を飛行し、ハイパーマター(超物質)反応炉に通じる換気ダクトにプロトン魚雷を打ち込んで連鎖反応的な爆発を引き起こすことで破壊している[2]。この排熱孔とダクトは、初代デス・スターの唯一にして決定的な弱点だった[6]。また、戦闘機での攻撃を想定しておらず、小型で高速の目標に対する照準に難があったとされており、換気ダクトを狙う戦闘機を自ら撃墜できなかったことも災いした。

第2デス・スター

第2デス・スター(Death Star II)は、エピソード6『ジェダイの帰還』に登場。乗員は200万人を超える。

初代との大きな違いは、問題点を見直した上で再設計がなされていることである。初代、2代目と設計を担当したベヴェル・レメリスクは、初代崩壊後に、皇帝によって巨大な昆虫に食い殺されるという無残な方法で処刑された後、クローンとして復活させられた。レメリスクはまず最大の弱点を無くすため、2代目の大きな排熱ダクトを何百万ものミリ単位の排熱ダクトに置き換え、全てで初代の排熱ダクトと同じ役割を果たせるようにした。こうすれば初代のように直接ミサイルを撃ちこまれることもなく、万が一攻撃を受けたとしても、ダクト内部はエネルギーを吸収するように設計されているため、攻撃は動力炉に到達する前に無力化してしまう。

最大の弱点を克服した後、レメリスクはデス・スターの主兵器であるスーパーレーザーの改良にも着手した。初代のスーパーレーザーは威力は完璧だったが、捕捉システムと火力調節機構を改良する必要があった。レメリスクによる改良は大成功を収め、移動する戦艦を狙い撃ちできるほど素早く照準を合わせ、的確に撃つことが可能になった[7]。発射にかかる充電時間も動力炉を大きくすることにより、短縮することに成功した。そのため第2デス・スターは初代より大型で、直径160km[8]にもおよぶ。

他の武装も強化し、初代のもう一つの欠点とも言われていた小型機に対する強固な防空対策も行われた。対戦闘機レーザー砲の数を増やし、小型機がほぼ通過不能な対空砲火を行えるようにした上、無数のTIEファイターを配備した。

第2デス・スターはこれらの装備で難攻不落となるであろうと言われていた。万が一敗れる可能性があるとすれば、それは建設中に攻撃された時であるとレメリスクは予想し、皇帝に進言。しかし皇帝は反乱同盟軍を一網打尽にするため、スーパーレーザーが完成しているということはあえて伏せ、新しいデス・スターを衛星エンドアで建設中であるという情報を漏らした。そのため、エンドアの戦いの時点では、第2デス・スターは未完成であった。

しかし、小型戦闘機の侵入を防いでいたシールドの発生装置を破壊され、ランド・カルリシアンの操縦するミレニアム・ファルコン号と戦闘機隊の突入を許してしまう。迷路のような細いパイプを伝って直接内部に侵入した反乱同盟軍によって核融合炉を破壊され、第2デス・スターは爆発し、皇帝も共に滅びた。その結果、レメリスクの予想は正しいことが証明された。

その他のバリエーション

第3デス・スター
ディズニーランドのアトラクションである『スター・ツアーズ』に登場。経緯は不明だが、ペンタスター連合により建造されていた。新共和国軍のローグ中隊により初代デス・スターと同じ方法で破壊される。
プロトタイプデス・スター
モー秘密研究所にあるデス・スターのコンセプトモデル。骨組みだけであったが、中心の核融合炉は厳重に保護されており、限定的だがスーパーレーザーや推進システムも備えている
ダークセーバー 
のちに、ダーガ・ザ・ハットによりデス・スターの設計者であるベヴェル・レメリスクが建造した、小さな居住区とスーパーレーザーのみの簡易版デス・スター(ライトセーバーと形が似ていることからダークセーバーと呼ばれていた)。強引なコストダウンと手抜き工事により設計通りの性能を発揮せず惑星ホス近くの小惑星に衝突し破壊された。
エクスペディショナリ・バトル・プラネット 
スピンオフ作品『ローグ・プラネット』にて登場するデス・スターのオリジナルアイディア。宇宙船建造企業サイナー・システムズ社総帥のレイス・サイナーが、旧友であったグランド・モフ・ウィルハフ・ターキンの気を引くためにぶち上げた計画で、初期設計では本体のほかに小型の球体が2つ外部に存在していた。この計画は後にターキンによって横取りされ、ターキン自身のアイディアとして元老院に売り込まれて名誉挽回に使われたが、サイナー自身はこの計画を好いておらず異議は唱えなかった。

補足

  • 地球サイズの惑星を吹き飛ばすには、10の32乗ジュールエネルギーが必要になると推定される。これは太陽が放出する一週間分のエネルギーに相当する。
  • エピソード4』が公開された3年後に撮影されたミマスという土星衛星の写真はデス・スターによく似ている。
  • エピソード4の反乱軍基地で映されていたデス・スターの設計図は初期案をそのまま流用したもので、スーパーレーザーの位置が異なっている(北半球ではなく赤道に位置している)が、特別編でもDVD版でも修正されていない。なお、エピソード2で登場した初期の設計図ではスーパーレーザーの位置はエピソード3以降で実際に建造された物と同じになっている。
  • 第2デス・スターの破壊方法は、エピソード6公開の3年前に公開された『ヤマトよ永遠に』にて、ヤマトがデザリアム星を破壊するシーンと描写が酷似している(どちらも通路を通って内部に侵入し、中心部を破壊、爆発の炎に追われながら脱出する)。
  • 松本零士の漫画、およびそれを原作としたアニメにはデス・スターそっくりの要塞や惑星が登場している。『銀河鉄道999』では「幽霊駅(ゴーストステーション)13号」が登場し、『999』のスピンオフ作品『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』で登場する惑星プロメシュームは外見のみならず、強力なレーザー砲や対空砲火を備えていた。また、『ニーベルングの指環』(ハーロック・サーガ)では、建造中の第2デス・スターそっくりの要塞が登場する。
  • アメリカでは2012年に「雇用の創出と国防のため」という目的でホワイトハウス宛にデス・スター建造陳情書と集められた34,435人分の署名が提出された。それに対しホワイトハウスは2013年1月に、建設に85ドル(約7,580京円)が必要となるために却下する回答を発表した[9]。これは世界中のGDPの13,000年分に相当する。なお、建造に必要な鉄1,080兆トンを掘り出すだけでも833,315年かかるという[10]

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

テンプレート:スター・ウォーズ・シリーズ
  1. ただし、『Lucas Books』の「クロスセクション」においてのみ160kmと記される。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 #クロスセクション10頁
  3. #クロスセクション10、13頁
  4. #クロスセクション11頁
  5. #クロスセクション13頁
  6. #クロスセクション10、13頁
  7. 事実、エンドアの戦いにおいては、反乱同盟軍の大型戦艦を直接破壊していた。
  8. 多数の書籍においてこの数値で記載されているが、『Lucas books』の「主要舞台完全ガイド」においては900km以上と記されている。
  9. テンプレート:Cite news
  10. How Much Would It Cost To Build The Death Star? Centives