国府津車両センター
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国府津車両センター(こうづしゃりょうセンター)は、神奈川県小田原市にある東日本旅客鉄道(JR東日本)横浜支社の車両基地である。
概要
東海旅客鉄道(JR東海)御殿場線の国府津駅と下曽我駅のほぼ中間に位置し、御殿場線の線路の西側に並行している。車両の入出区は、国府津駅から御殿場線に沿って延びる入出区線を介して行われる。
歴史
- 1887年(明治20年):国府津駅開業とともに国府津機関区が開設される[1]。
- 1968年(昭和43年)2月:現在地に国府津機関区国府津電車基地を開設する計画が決定[1]。
- 1973年(昭和48年)2月:地上設備の工事に着手[1]。
- 1975年(昭和50年)11月17日:電留線8本にて一部供用開始[1]。
- 1979年(昭和54年)10月1日:翌1980年の東海道線・横須賀線の分離運転(いわゆるSM分離)に先立ち、電留線15本(配置450両・留置能力280両)の車両基地として、大船電車区・田町電車区などから電車を転入して車両配置が開始される[2]。当時は日本国有鉄道東京南鉄道管理局の管轄で略号は「南コツ」。
- 1980年(昭和55年)10月1日:全面供用開始となり国府津運転所に改称。
- 1985年(昭和60年)11月1日:運転部門を分離し、国府津電車区に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR東日本に移管し、東京圏運行本部の管轄となった。略号は「東コツ」。
- 1996年(平成8年)10月1日:横浜支社の発足により同支社に移管される。略号は「横コツ」。12月には全線が横浜支社の管轄となった相模線用205系500番台が転入。
- 2004年(平成16年)6月1日:組織改編に伴い国府津車両センターに改称。
配置車両の車体に記される略号
「横コツ」…横浜支社を意味する「横」と、国府津を意味する「コツ」から構成される。
配置車両
2014年4月1日現在の配置車両は以下の通り[3]。以下に示す車両は全て電車である。
電車 | 気動車 | 機関車 | 客車 | 貨車 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
952両 | 0両 | 0両 | 0両 | 0両 | 952両 |
- E231系(590両)
- 10両基本編成42本(K01 - K42編成)と5両付属編成34本(S01 - S34編成)が配置されている。基本編成の4・5号車は2階建てグリーン車である。付属編成は基本編成の東京・前橋方に連結され、最大15両編成を組む。また、付属編成のみで単独運転される列車も少数ながら存在する。
- 2004年1月[4]から2006年にかけて新製されたが、小山車両センター配置の基本編成へのグリーン車組み込みとの兼ね合いで、K01編成を除く基本編成の6・7号車には小山からの転入車が組み込まれている。
- 基本編成は東海道線東京駅 - 沼津駅間、伊東線、高崎線(上野駅 - 高崎駅間)、湘南新宿ラインの東海道線 - 高崎線系統(小田原駅 - 両毛線前橋駅間)、付属編成は東海道線東京駅 - 熱海駅間、湘南新宿ラインの東海道線 - 高崎線系統(小田原駅 - 籠原駅間。ただし、平日朝に1本ある深谷駅始発の列車のみ同駅まで入線)、高崎線(上野駅 - 籠原駅間)で運用される。付属編成は、2012年3月のダイヤ改正まで御殿場線(国府津駅 - 山北駅間)の運用が存在した。
- 2004年7月から2006年2月にかけて一部編成が小山車両センターに貸し出され、小山配置車と区別なく宇都宮線や宇都宮線 - 横須賀線系統の湘南新宿ラインの運用にも充当された。
- E233系(240両)
- 3000番台10両基本編成16本(E01 - E16編成)と5両付属編成16本(E51 - E66編成)が配置されている。
- 2007年にE01+E51編成が製造され、2008年3月10日よりE217系との共通運用で営業運転を開始した。E02+E52編成は2010年に増備された。
- E217系と同様に、基本的には終日15両編成で、東海道線東京駅 - 熱海駅間(回送は伊東線来宮駅まで)で運用される。なお2014年3月15日のダイヤ改正では、東海道線東京駅 - 沼津駅間の営業運転を開始した。
- 2013年3月16日ダイヤ改正での田町車両センター廃止により、2011年から2012年にかけて製造されたE03・E53以降の編成(元NT編成)が転入した。これらの編成はE01・E02編成と異なり6号車にも洋式トイレが設置されている。この転入によりE編成全体が共通運用となり、E217系と運用が分離された。
- E217系(30両)
- 10両基本編成2本(F02・F03編成)と5両付属編成2本(F52・F53編成)が配置されている。
- 2006年3月18日のダイヤ改正では、朝ラッシュ時の湘南新宿ライン増発と横須賀線運転本数の削減により、鎌倉総合車両センターで余剰が発生した。これを東海道本線・伊東線の113系置き換えに活用することになり、F01 - F03・F51 - F53編成の45両が転入した。転入に際しては、サハ217形0番台の組み換え、湘南色の帯への変更、先頭車前面右側にあったロゴの撤去が施された。その後、2008年にF02・F52編成が鎌倉車両センター配置車の機器更新工事に伴う予備車確保のため、2010年にはF01・F51編成が横須賀線武蔵小杉駅開業に伴う増発用としていずれも鎌倉車両センターへ再転出した。2012年には、再びF02・F52編成が転入した。
- 基本的には終日15両編成で、東海道線東京駅 - 熱海駅間(回送は伊東線来宮駅まで)で運用される。
- 予備編成を持たないため、検査などにより編成に不足が生じた際にはE231系やE233系が代走する。
- 2007年7月から9月まで、編成ごとにデザインが異なる「東海道線横浜駅 - 国府津駅間開業120周年記念」ステッカーが先頭車前面に貼付された。
- 205系(52両)
- 215系(40両)
- 10両編成4本(NL1 - NL4編成)が配置されている。2013年3月16日ダイヤ改正での田町車両センターの廃止により、全車が転入した。
- 「湘南ライナー」・「ホームライナー小田原」・「おはようライナー新宿」・「ホリデー快速ビューやまなし」で運用される。
過去の配置車両
- クモヤ143形
- 牽引車。2004年4月1日現在では、4・7・10の3両が配置されていた[4]。構内入換作業のほか、国府津駅 - 国府津車両センター間の社員通勤用にも使用された。
- クモヤ143-4は2007年8月、東京総合車両センターでの定期検査施工の際、標準の青色+警戒色から113系と同一の湘南色の車体塗装に変更された。2011年4月6日に長野総合車両センターに回送され[6]、4月7日付けで廃車となった。
- 113系
- 1979年10月の電車基地開設に際して182両が大船電車区から転入して配置が開始された[7]。
- E231系への置き換えが開始される前の2004年4月1日現在では、11両基本編成34本(K41 - K63・K65 - K75編成)と4両付属編成17本(S81 - S97編成)、訓練車4両編成の計446両が配置されており[4]、基本編成は東海道線(東京 - 静岡間)と伊東線、付属編成は東海道線(東京 - 熱海間)と御殿場線(国府津 - 御殿場間)で運用された[4]。付属編成はS編成のほかに東海旅客鉄道(JR東海)静岡車両区のT編成も用いられ[4]、互いの運用を代走することもあった。
- 2006年(平成18年)3月18日のダイヤ改正で定期営業運転を終了。その後、クハ111形とモハ113・112形ユニットの一部(主に2000番台)は横須賀色に車体塗装を変更した上で幕張車両センターに転出し、同センターの0・1000番台初期車を置き換えた。また、サロ124・125形は全車が211系に改造され田町車両センターおよび高崎車両センターに転属となった。それ以外の車両は全車廃車された。
- 定期営業運転終了直前には残存する編成4本の前面に「113系と桜・富士山・日の出」「緑とオレンジの縁取りに山々」「富士山と散り行く桜」「クリーム地に文字のみ」4種類のデザインによるステッカー式ヘッドマークを当センターで制作・貼付して運転された。
- 113-HM2.JPG
113系と桜・富士山・日の出
- 113-HM3.JPG
緑とオレンジの縁取りに山々
- 113-HM1.JPG
富士山と散り行く桜
- 113-HM4.JPG
クリーム地に文字のみ
国府津機関区時代
- 蒸気機関車
- 1000形 -(在籍1931年-1935年、1941年)
- D50形 -(在籍1931年-1939年)
- 2120形 -(在籍1933年、1947年-1951年)
- 2500形 -(在籍1935年-1943年)
- B10形 -(在籍1937年-1943年)
- 5500形 -(在籍1939年-1949年)
- D51形 -(在籍1941年-1951年)
- 6760形 -(在籍1947年-1955年)
- 8550形 -(在籍1947年)
- C50形 -(在籍1947年-1949年)
- D52形 -(在籍1947年-1965年)
- C12形 -(在籍1949年-1957年)
- C11形 -(在籍1959年-1965年)
- 「国鉄動力車配置表』1931年より1965年までの1945年を除く隔年分から『世界の鉄道』1967年、朝日新聞社
- 電気機関車
- ED10形 -(在籍1931年-1937年)
- ED11形 -(在籍1931年、1953年-1959年)
- ED12形 -(在籍1931年-1943年)
- ED13形 -(在籍1931年-1937年)
- ED15形 -(在籍1931年)
- ED54形 -(在籍1931年-1933年)
- EF50形 -(在籍1931年-1935年)
- EF51形 -(在籍1931年)
- EF52形 -(在籍1931年-1933年、1943年-1949年)
- EF53形 -(在籍1933年)
- EF54形 -(在籍1933年)
- EF10形 -(在籍1935年-1967年)
- ED23形 -(在籍1943年)
- EF12形 -(在籍1943年-1947年)
- EF13形 -(在籍1947年-1949年)
- EF14形 -(在籍1947年)
- EF15形 -(在籍1949年、1955年)
- EF57形 -(在籍1949年)
- ED17形 -(在籍1953年-1957年、1961年-1963年)
- 「国鉄動力車配置表』1931年より1967年までの1945年を除く隔年分から『世界の鉄道』1969年、朝日新聞社
配置車両以外について
- 中原電車区配置で南武線・南武支線・鶴見線用の205系・209系が車輪転削を行うために回送されてくる。
- 時間帯によっては、大宮総合車両センター配置の185系・251系も留置される。
- 国府津電車基地として供用開始まもない1976年に、営業運転から退いた157系が廃車解体まで疎開留置された。