湘南京急バス堀内営業所

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テンプレート:Infobox 湘南京急バス堀内営業所(しょうなんけいきゅうバスほりのうちえいぎょうしょ)は、京浜急行バスの子会社である湘南京急バスの路線バスのうち、主に横須賀線横須賀駅を発着する路線の一部と京急本線堀ノ内駅を発着する路線を所管している営業所である。神奈川県横須賀市の京急線沿線を中心に路線を展開している。また京浜急行バスからも路線の運行管理委託を受けており、将来は全ての路線を移管させることが計画されているが、実際は親会社である京浜急行バスへの乗務員登用制度があり、完全移管にはかなりの時間を要すると思われる。営業所記号は NB(京浜急行バスからの委託車両はB)。


沿革

ワンコインバス

堀内営業所管内の運賃は、対キロ運賃制であるが、次の区間では、ワンコイン運賃のサービスを実施している。ただし、現金での支払いに限る。

  • 浦賀駅 - 新町(しんちょう)
  • 浦賀駅 - 矢ノ津坂

現行路線

路線は、横須賀市北部の国道16号線沿線に集中しており、中でも系統数が多いのが、横須賀駅から東の堀内、観音崎方面である。湘南京急バスが独自に運行するのは、観音崎線の一部のみであり、他の路線・系統は京浜急行バスからの委託を受けて運行する。

観音崎線

独自運行系統

  • 須24:横須賀駅 - 堀内 - 馬堀海岸駅 - 観音崎
  • 堀24:堀内 - 馬堀海岸駅 - 観音崎
  • 須28:横須賀駅 - 堀内 - 馬堀海岸駅 - 観音崎 - 観音崎自然博物館(夏季を除く休日ダイヤのみ)
  • 須22:横須賀駅 - 堀内 - 馬堀海岸駅 - 防衛大学校
  • 堀22:堀内→馬堀海岸駅→防衛大学校
  • 須27:横須賀駅 - 堀内
    • 1913年大正2年)10月12日:浦賀横須賀間自働車会社(横須賀自動車商会の前身)が横須賀駅 - 浦賀芝生間の運行を開始
    • 1921年(大正10年)10月3日:横須賀市街乗合自動車が横須賀駅 - 観念寺入口(今の若松町)を開業。のち合併により横須賀自動車となる。
    • 1924年(大正13年)9月:横須賀駅 - 堀之内に延長。
    • 戦中までに堀之内 - 走水も開通し、一部休止により戦後は横須賀駅 - 堀之内、同 - 大津で運行。
    • 1948年(昭和23年)9月20日:大津 - 伊勢町の運行を再開。
    • 1950年(昭和25年)12月25日:伊勢町 - 走水間の運行を再開、堀ノ内 - 走水間の運行となる。
    • 1952年(昭和27年)4月2日:堀ノ内 - 走水を延長し、横須賀駅 - 観音崎の運行を開始。
    • 1955年(昭和30年)7月1日:横須賀駅 - 防衛大学の運行を開始。
    • 1973年(昭和48年)4月8日:横須賀駅 - 観音崎ホテル間の運行を開始。
    • 2000年(平成12年)10月1日:19時以降日ノ出町経由に変更

観音崎線は、湘南京急バスの本線格の路線である。同社が独自に運行するのは、上記の系統であり、走水・観音崎方面と防衛大学校方面に分かれる。共通区間である横須賀駅-馬堀中学間は、両者あわせ12分ヘッドで運行し、その先は観音崎方面に運行する便の比率が高く、休日はさらに高まる。観音崎自然博物館行きは休日のみの運行で、本数は大変少ない。2002年(平成14年)10月1日より、日中の須27系統(自社路線のみ)を無くし、代わりに堀内バス停において乗務員交代を実施している。

観音崎線のルーツは1897年明治30年)に石川卯之助らが開業した横須賀浦賀間乗合馬車にあるといえる。田戸(今の米が浜近辺) - 浦賀芝生間の運行で、石川馬車と呼ばれていた。1913年(大正2年)になると、浦賀横須賀間自働車会社により乗合自動車の運行が開始される。しかし当初のそれは、5 - 6人乗りで、乗客のいない時は運休し、また乗客の申し出によっては路線外へも運行していたようである。運賃も馬車が田戸 - 浦賀間13銭に対して同48銭と高額に設定されていた。大正時代後期になるとバス事業も盛んになり、多数のバス会社が設立された。なかでも当時の横須賀 - 浦賀間は重要幹線であったため、1922年(大正11年)11月1日に太平自動車が、同年に石川自動車が、更に1924年(大正13年)には横須賀自動車商会が、それぞれ運行を開始している。

大正末期から昭和初期にかけて、乱立するバス事業者を統合すべく横須賀自動車が設立され、横須賀駅 - 浦賀間の路線もこれに統合された。1927年(昭和2年)5月には上宮田まで路線が延長され、同時期に石川馬車の営業権を買収し、同馬車を廃止している。また1930年(昭和5年)発行の浦賀名所案内によると、馬堀海岸駅 - 走水間および浦賀駅 - 鴨居間にバスが運行されていたことがうかがえる。

受託運行系統

  • 浦3:浦賀駅 - 鴨居 - 観音崎
  • 須25:横須賀駅←堀内←浦賀駅←鴨居←観音崎
  • 堀25:堀内 - 浦賀駅 - 鴨居 - 観音崎
  • 浦2:浦賀駅 - 鴨居 - かもめ団地
  • 須26:横須賀駅 - 堀内 - 浦賀駅 - 鴨居 - かもめ団地
  • 堀26:堀内 - 浦賀駅 - 鴨居 - かもめ団地
  • 須27:横須賀駅 - 堀内
    • 1948年(昭和23年)10月25日:浦賀駅 - 鴨居の運行を再開。
    • 1950年(昭和25年)3月1日:浦賀駅 - 観音崎に延長。
    • 1956年(昭和31年)7月25日:横須賀駅・堀内 - 浦賀駅を延長。
    • 1958年(昭和33年)4月21日:横須賀駅 - 浦賀駅を観音崎へ延長。
    • 1972年(昭和47年)6月12日:浦賀駅 - かもめ団地の運行を開始。
    • 2002年(平成14年)10月1日:横須賀京急バス(当時)が受託運行を開始。

観音崎線のうち、浦賀・鴨居方面を走る系統は、京浜急行バスからの委託を受けて運行している。浦賀駅 - 観音崎およびかもめ団地間を運行する系統が本数の大部分を占め、横須賀駅や堀内を発着する便は少ない。浦2・浦3は1989年(平成元年)に久里浜営業所から移管された。尚、久里浜営業所担当時代から、ハンドル時間の調整か、現在の堀25にあたる観音崎始発の鴨居経由堀内行が少数ながら設定されていた。久里浜営業所の車両は浦賀駅構内のロータリーか現在の久里浜行バス停手前で降車扱いをしていたが、堀内営業所車両は現在と同じ場所まで走行したため、利用者からは不便がられた。現在もその点は改善されていない。

立野団地線

  • 堀23:堀内駅 - 堀内 - 馬堀海岸駅 - 立野団地循環
  • 馬23:馬堀海岸駅 - 立野団地循環
    • 1962年(昭和37年)4月16日:堀内 - 立野団地循環の運行を開始。
    • 1970年(昭和45年)7月1日:堀内 - 堀内駅間を延長。
    • 2002年(平成14年)10月1日:横須賀京急バス(当時)が受託運行を開始。

堀23は、始発より数便と終バスまでの数便は堀内発着になるが、これは営業所入出庫の都合である。

大津線

  • 衣30:堀内駅 - 堀内 - 五郎橋 - 衣笠十字路 - 衣笠駅
    • 1955年(昭和30年)11月16日:衣笠駅 - 横須賀堀内駅間の運行を開始。
    • 2002年(平成14年)10月1日:横須賀京急バス(当時)が衣30の受託運行を開始。

大津線は堀ノ内駅から横須賀線衣笠駅を結ぶ路線である。始発終発時間帯には車庫のある堀内発着の便が設定されている。

衣笠線

  • 衣35:JR久里浜駅 - 五郎橋 - 衣笠十字路 - 衣笠駅
    • 1955年(昭和30年)7月10日: 久里浜駅 - 衣笠駅間の運行を開始。
    • 2006年(平成18年)12月1日: 京浜急行バス久里浜営業所より移管。

衣笠線は久里浜駅・堀ノ内駅から横須賀線衣笠駅を結ぶ路線である。久里浜駅から国道134号県道27号を走り、全線が横須賀線と並行している。

衣笠線は1955年(昭和30年)に運行を開始しているが、衣笠と久里浜を結ぶ路線は戦前にも存在した。すなわち、京浜急行バスの前身である湘南電気鉄道のバス分門が、法塔から大津を経て久里浜新田へ至る路線を1937年(昭和12年)3月に申請し、1939年(昭和14年)10月に免許を得ている。さらに道路を改修して翌1940年(昭和15年)2月21日に営業を開始した。この時の担当は衣笠営業所であった。しかし、戦争によるガソリン消費規制や道路改修の影響で、1941年(昭和16年)2月、開業後1年にして運行休止となった。なお、当時起点であった法塔は県道27号の旧道と同26号の旧道が交叉するところであるが、途中経由地や終点の久里浜新田の場所は不明である。

2006年(平成18年)12月1日より前は京浜急行バス久里浜営業所の所管であった。

八景線、安浦2丁目線

  • 八31:安浦二丁目 - 横須賀中央駅 - 横須賀駅 - 田浦郵便局 - 船越 - 追浜駅 - 内川橋
  • 追34:安浦二丁目→横須賀中央駅→横須賀駅→田浦郵便局→船越→追浜駅
  • 追35:北部共済病院→田浦郵便局→横須賀駅→横須賀中央駅→安浦二丁目
    • 1948年(昭和23年)6月1日:横須賀駅 - 杉田が存在
    • 1948年(昭和23年)6月5日:堀之内 - 杉田間の直通運行を開始
    • 1950年(昭和25年)1月1日:堀内 - 横浜駅間の運行を開始
    • 1959年(昭和34年)3月16日:堀内 - 横浜駅を杉田営業所へ移管
    • 時期不明:堀内 - 横浜駅間の直通運行を中止
    • 時期不明:堀内 - 金沢文庫に短縮
    • 1970年(昭和45年)12月1日:堀内 - 金沢八景に短縮
    • 1978年(昭和53年)6月21日:堀内 - 内川橋間の運行を開始
    • 1983年(昭和58年)10月1日:堀内 - 金沢区総合庁舎前の運行を開始
    • 1989年(平成元年)10月16日:堀内発着を聖徳寺坂下発/米ヶ浜着に変更短縮、追浜営業所へ移管
    • 1999年(平成11年)7月12日:内川橋 - 金沢区総合庁舎前を廃止
    • 2000年(平成12年)10月1日:北部共済病院→米ヶ浜の運行を開始
    • 2002年(平成14年)10月1日:19時以降日ノ出町経由に変更。同時に聖徳寺坂下・米ヶ浜 - 安浦二丁目間を延長し、安浦二丁目発着に変更
    • 2003年(平成15年)10月1日:堀内営業所に移管、横須賀京急バス(当時)に受託運行を開始

浦賀駅 - 浦賀丘線

  • 浦5:浦賀駅 - 浦賀丘 - 浦賀丘三丁目公園

2006年(平成18年)に上がった地域での運行要望を受け、2009年に運行を開始した路線。8時台 - 11時台・13時台 - 16時台のみ、1時間に2 - 3本運転される。

横須賀中央・三笠循環線

  • 中央1:横須賀中央駅→三笠公園→ポートマーケット前→横須賀中央駅

横須賀中央駅から新港ふ頭を循環する一方向の路線で、2013年3月15日より運行を開始した[1]。当路線開設に伴い、神奈川歯科大学附属病院・三笠公園・ポートマーケット前の各停留所が新設された。1時間に1本程度の運行である。

深夜急行バス

京急では、新橋駅から神奈川県への深夜急行バスを2路線運行しているが、このうち逗子駅への便を当営業所が担当している。新橋駅・品川駅で乗車扱いののち、大船駅までは無停車で運行し、その後大船線名越線の一部停留所に停車する。

なお、2007年(平成19年)2月16日から、鎌倉駅までだったものを逗子駅まで延長し、同時に鎌倉営業所から当営業所へ移管された。 免許は当社独自のもので、NB表記車が充当される。

車両

かつては久里浜営業所や三崎営業所同様、日野車の牙城であった。現在も日野車が在籍するが、いすゞ車・エルガの割合が高くなり、日野車もブルーリボンIIが導入されるようになったため、ジェイバス製の車体の車両が過半数以上となっている。その中で、L尺の日野・ブルーリボンシティは京急全体でも1台しか導入されておらず、新製時から一貫して当営業所に配置されている。日野・レインボーは台数は少ないものの、10.5mノンステップロング車、9mワンステップ中型車、7mノンステップ小型車が在籍する。日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)車と三菱ふそう車は少数派で、日産ディーゼル車はスペースランナーJPが1台のみで残りはUA系の古参車。三菱ふそう製路線車は小型車の三菱ふそう・エアロミディMJのみの配置である。大型車主体でワンステップバスが多いが、横須賀市からの助成金により、ノンステップバスが湘南京急バス所属車と京浜急行バスからの委託車を合わせて20台程度が在籍している。

また、日産ディーゼル製スタンダードデッカーの深夜急行バス用車両が湘南京急バス所属車として1台在籍している。検査等により使用できない場合は、他の営業所の空港リムジン車を借り入れて運行することがある。

当営業所は自社運行路線と京浜急行バスからの受託運行路線の双方が存在するため、車両の営業所表記もNB表記車とB表記車の双方が存在する。基本的に車両運用もNB表記車とB表記車で分けられている。

脚注

  1. 路線バス 新系統「横須賀中央・三笠循環線」を運行開始いたします

参考文献

  • 石井昭 『ふるさと横須賀(上)』 神奈川新聞社、1987。
  • 京浜急行電鉄株式会社 『京浜急行最近の10年』 京浜急行電鉄、1958。
  • 京浜急行電鉄株式会社 『会社要覧’68 京浜急行』 京浜急行電鉄、1968。
  • 京浜急行電鉄株式会社 『最近の10年の歩み』 京浜急行電鉄、1968。
  • 京浜急行電鉄株式会社 『京浜急行八十年史』 京浜急行電鉄、1980。
  • 京浜急行電鉄株式会社 『京浜急行百年史』 京浜急行電鉄、1999。
  • 鉄道省 『全国乗合自動車総覧』 鉄道公論社出版部、1934年。
  • 山県智 『京浜急行バス案内書1』 東京乗合自動車愛好組合戸山支部、1992。
  • 横須賀市史編纂委員会 『横須賀市史』 横須賀市、1957 。
  • 横須賀市 『横須賀市史』 上巻、横須賀市、1988 。
  • 『都市交通年報』 運輸経済研究センター、各年度版。

外部リンク

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