中日クラウンズ
国際招待ゴルフ 中日クラウンズ(こくさいしょうたいゴルフちゅうにちクラウンズ、英称:THE CROWNS)とは日本ゴルフツアー機構(JGTO)公認の男子プロゴルフトーナメントの1つである。
概要
CBCテレビ(2013年までは中部日本放送)・中日新聞社主催で毎年4月末・5月上旬の木曜から日曜にかけての4日間、愛知県愛知郡東郷町にある名古屋ゴルフ倶楽部・和合コースで開催されている[1]。
1960年の第1回[2]から現在も続いているトーナメントであり、民間ゴルフトーナメントの草分け的存在でもある[3]。優勝者には副賞としてスポンサーのトヨタ自動車よりクラウン[4][5][6]が贈呈され、ホールインワンを達成した選手にはやはりトヨタ自動車より「トヨタホールインワン賞」として人気車が贈呈される(アマチュアの場合は車ではなく記念品)[7][8][9][10]。2014年現在、賞金総額1億2000万円、優勝賞金2400万円[11]。また2009年に限り「JGTO中部スプリング・ダッシュ賞」が設けられ、当大会と東建ホームメイトカップの成績をポイント化し、2戦合計の最多得点者に1000万円の賞金が贈られた。
出場選手には国内のトッププレイヤーはもちろん海外から一流選手を招聘しており、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤー、アーノルド・パーマー、デビッド・トムズ、リー・ジャンセン、ジャスティン・レナード、ジョン・デーリー、コリー・ペイビン、フレッド・カプルスなどが出場している。中でもピーター・トムソン(1969、1972年)、グラハム・マーシュ(1977、1982年)、スコット・シンプソン(1984、1988年)が2度制覇している他、セベ・バレステロス、グレグ・ノーマン、デービス・ラブ3世、ダレン・クラーク、ジャスティン・ローズなどが優勝している。とりわけラブは第39回(1998年)で4日間首位を維持し、2位に大会新記録の8ストローク差をつけて優勝を果たしている。
第9回(1968年)には安田春雄と鈴村久による9ホールにわたるプレーオフ、第17回(1976年)にはデビッド・グラハムの大逆転優勝、青木功(1978-1980年)、尾崎将司(1995-1997年)の3連覇などが知られている。
第48回(2007年)はハワイ在住の日系人、タッド・フジカワが参加するなど開催前から話題を集めたが、グリーンの改修などで以前のような難度の高いコース設定に選手が苦しめられ予選通過ラインは8オーバーまで下がり、4日間通算でもアンダーパーで上がったのは優勝争いを繰り広げた宮瀬博文と谷口徹の2人だけ。この両者が同スコアで並んだため18番ホールにてプレーオフを行い、宮瀬が初優勝を果たした。
第51回(2010年)は石川遼が最終日男子ツアータイ記録となる12バーディーを記録し、18位から通算13アンダーで逆転優勝した。1ラウンド58は男子国内ツアー新記録で世界記録を達成した。
杉原輝雄は第1回大会から51年連続出場を続け、アーノルド・パーマーのマスターズ・トーナメントにおける同一大会連続50年出場を破る世界記録を達成したが[12]、2011年の第52回大会は体調不良を理由に欠場。連続出場記録は51回でストップした[13]。
また第52回大会では尾崎将司が64歳3ヵ月で予選を通過し、1976年の第17回大会での中村寅吉の60歳7ヵ月を上回る大会史上最年長予選通過記録を更新した[14]。
なお、愛知県では10月に「東海クラシック」[15]が行なわれるが、同一年の「中日クラウンズ」と「東海クラシック」を両方優勝した選手は、未だに一人もいない[16]。
歴代優勝者
テレビ放送
- CBCテレビをキーステーションに、TBS系列28局で同時ネット放送(いずれもVTR放送)。過去には、系列外である秋田放送・福井放送・四国放送(いずれも日本テレビ系列、録画放送扱い)や、BSデジタル放送のBS-i(現・BS-TBS)にて当日夜に時差ネット放送されていた。
- 主催・制作局のCBCでは、上記全国ネットに加え、開催週の火曜深夜[17]の前年度大会のハイライト、水曜深夜[18]の事前特集番組、予選ラウンド(初日・2日目)の中継、決勝ラウンド(3日目・最終日)の事前番組、4日間の深夜のハイライト番組を、全て中京ローカルで放送している。
- また、開幕前には『クラウンズへの招待』と題した予告番組が、CBCをはじめTBS系列各局で、早朝・深夜枠を中心に放送される(放送時間は局により異なる)。
- ゴルフネットワークでは「とことん1番ホール生中継」にて、参加全選手の1番ホールの模様を、生中継で行っている。2005年までは前半2日のみだったが、2006年以降は全4日間に拡大した。なお、中継内では上記『クラウンズへの招待』も随時放送される。
- 2009年は第50回大会を記念し、決勝ラウンド2日間を例年の2時間から2時間半と30分拡大した。最終日は15:00-17:24の放送になり、その影響でMBS制作アニメ枠(『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』)と夕方のニュース(この年は『THE NEWS』)が30分繰り下げされ、『THE世界遺産』は休止になった。また2010年は決勝2日間は2時間の放送に戻ったが、最終日は15:30からの放送の為、前年と同じく『鋼の錬金術師 - 』とニュース(この年は『Nスタ』)が繰り下げ、『THE世界遺産』は休止になった。
- 2010年はCBCでは午前に放送された最終日の事前番組『石川遼 王冠への戦い』の前半30分パート(VTR)がTBSテレビ他一部の局でも遅れネット(15:00 - 15:30)で放送された。CBCでは前半パート終了後に現地からの生中継(中京ローカル)に接続され、前半パートを放送した局はそのまま最終日の中継(全国ネット)に接続された。
- 2011年以降は最終日の中継が15:00-17:24の放送(但し前半30分がCBC他一部地域のみのネットとなり、全国ネットは15:30から。例外もあり)と固定されており、アニメ(『青の祓魔師』や『機動戦士ガンダムAGE』や『宇宙戦艦ヤマト2199』)と『Nスタ』を繰り下げ、『THE世界遺産』が休止となっている。
- 2014年は第55回大会を記念し、決勝ラウンドの放送時間が第50回と同様に2時間30分となった(アニメ『ハイキュー!!』とニュース『Nスタ』は繰り下げ、『THE世界遺産』は休止)。また55回大会を記念して4月29日に行われた歴代優勝者による「チャンピオンズマッチ」の模様を最終日翌日の5月5日に中京ローカルで録画放送された。
脚注
外部リンク
- 中日クラウンズ(CBCウェブサイト内の公式ページ)
- ↑ 当初は和合に加え愛知カンツリー倶楽部、三好カントリー倶楽部と3会場での持ち回り開催とされており第7回(1966年)より和合での開催が定着した。
- ↑ 当時の大会名称は「中部日本招待全日本アマ・プロゴルフ選手権」。第7回(1966年)より現在の名称となっている。
- ↑ JGTO公式サイトに拠れば日本プロ、日本オープンに次いで3番目に古い競技という。
- ↑ 近年の優勝副賞は別のトヨタ車になることがあるが(開催時に販売されているクラウンがモデル末期だった場合など)、第45回(2004年)以降は再びクラウンが副賞になった。余談だが以前クラウンが副賞だった時、当時テレビ中継の実況を担当していた田口豊太郎は「歴代の優勝者には日本を代表する名車、クラウンが贈られて来ました」と言っていたが第43回(2002年)から担当している水分貴雅はクラウンの部分を外して「日本を代表する名車が贈られて来ました」と言っている。第50回(2009年)はクラウンマジェスタが贈られた。
- ↑ 第52回(2011年)では東日本大震災によるトヨタ車の生産減少の影響により、優勝者に500万円が贈られた。
- ↑ 第53回(2012年)ではプリウスPHVが贈られた。
- ↑ 17番ホールのホールインワン賞はトヨタ製のプレジャーボートが副賞になっていた年があった。第50回(2009年)で井上信が2日目の13番ホールで達成。クラウンハイブリッドが贈呈されたが、井上は予選落ちした。この大会では4つすべてのショートホールでホールインワンが達成されたらクラウンが用意されていた。参考までに、4番ホールでも「ハイブリッド」、7番ホールでは「ロイヤルサルーン」、17番ホールでは「アスリート」だった。
- ↑ 第52回では先述の事情により、300万円が贈られた。
- ↑ 第53回では7番ホールで賞金300万円(ユピテル提供)、13番ホールでマークX、17番ホールでクラウンアスリートが贈られた。
- ↑ 第54回は7番ホールでのホールインワン賞を廃止。そのスポンサーのユピテルはパー3を除くホールを対象としたイーグル賞の提供に移行する。
- ↑ 2009年のみ50回記念として500万円の記念賞が別途用意された
- ↑ ただし途中棄権が2回ある。
- ↑ 杉原はこの後、2011年12月28日に他界している。
- ↑ 男子ツアー制度施行後では1997年大会での杉原輝雄の59歳10ヵ月。なお日本記録は2006年4月に行われた「つるやオープン」での杉原の68歳10ヵ月。
- ↑ CBCと同じ中日新聞系列の、東海テレビ放送・東海ラジオ放送が主催。
- ↑ ちなみに異なる年で両大会での優勝経験のある選手は内田繁、青木功、尾崎将司、グラハム・マーシュ、宮瀬博文、星野英正、石川遼、松村道央、片山晋呉の9名。このうち、内田の当大会優勝は東海クラシックの発足前、また、石川は2009年の東海クラシック優勝の後、2010年の当大会に優勝。
- ↑ 2011年までは月曜深夜に放送。
- ↑ 2011年までは火曜深夜にも放送。