トキツカゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2012年11月16日 (金) 22:56時点におけるぬるぽん (トーク)による版 (+xl using AWB)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox トキツカゼとは日本競走馬である。1940年代後半に活躍した牝馬で、繁殖牝馬としても大成功を収めた。戦後期の日本競馬を代表する名牝である。佐藤嘉秋が全30戦中29戦に騎乗した。

戦績

戦後競馬が再開されたばかりの時期に活躍し、戦後初の農林省賞典(現・皐月賞)を勝ち(牝馬の制覇は初)、優駿牝馬(2着につけた差は、優駿牝馬史上最大の大差)も勝利した。ほかに東京優駿競走(日本ダービー)2着、第1回カブトヤマ記念優勝など30戦11勝。ちなみに、この年のクラシックはダービー以外はブラウニー(おもな勝ち鞍:桜花賞農林省賞典4歳馬(現・菊花賞))と分け合う形となった(そのダービーもトキツカゼ2着・ブラウニー3着)。カブトヤマ記念以降は当時重賞自体が少なかったこともあり重賞未勝利だが、A5歳特別で負担重量63キログラムを背負ってレコード勝利・農林大臣賞を同60キログラムで大差勝ちと強さを見せている。

引退後

1949年3月20日のオープンを最後にトキツカゼは引退。生まれ故郷で繁殖入りしたトキツカゼは繁殖牝馬としても活躍し、オートキツ(日本ダービー)とオンワードゼア天皇賞(春)有馬記念)を輩出した。両馬ともに年度代表馬に選ばれている。これら競走成績・繁殖成績が認められ1984年顕彰馬に選出された。顕彰馬の中で、産駒の競走成績が認められて選出された牝馬(GI勝ち馬2頭以上輩出が条件)は、トキツカゼただ1頭である[1]。不受胎わずかに1回と仔出しの良かったトキツカゼは、1966年6月19日子宮内出血のためその生涯を閉じた。牝系子孫はそれほど目立たなかったが、近年になってサンデーウェルウメノファイバーウインラディウスらが相次いで活躍を見せている。

ちなみに全妹トキツウミもフェアマンナ1956年優駿牝馬毎日王冠・最優秀4歳牝馬。だが翌年の東京盃予後不良となる)・セルローズ1958年天皇賞秋)の全姉妹を送り出すという優秀な繁殖成績を残している。トキツウミの子孫も姉に比べると細々とではあるが現在まで着実に生き残っている。

年度別競走成績

  • 1946年(2戦1勝)
  • 1947年(12戦6勝)
    • 農林省賞典(皐月賞)、優駿牝馬(オークス)、カブトヤマ記念
    • 2着 - 東京優駿競走(日本ダービー)
  • 1948年(14戦3勝)
    • 農林大臣賞
  • 1949年(2戦1勝)

おもな系図

(太字は牝馬)

Morel(1805, Sorcerer) -- F-No.1-b(1号族参照)
|(6代略)
*フラストレート Frustrate(1900, St. Frusquin)
|(2代略)
第五マンナ (1939 *シアンモア
トキツカゼ (1944 *プリメロ農林省賞典、優駿牝馬、カブトヤマ記念 顕彰馬
||オートキツ (牡、1952 月友東京優駿ダイヤモンドS東京盃 種牡馬
||オンワードゼア (牡、1954 マルゼア) 天皇賞(春)、有馬記念中山4歳S金盃日本経済賞、菊花賞2着、有馬記念2着 種牡馬
||ミネノヒカリ (牡、1955 *ゲイタイム) 日本経済賞3着 種牡馬
||マリアンナ (1957 *ゲイタイム)
|||ストロングベビー (1969 *セダン)
||||ウメノシルバー (1979 *シルバーシャーク
||| |ウメノローザ (1986 *ノーザンディクテイター) グランドチャンピオン2000
||| ||ウメノファイバー (1996 サクラユタカオー) 優駿牝馬、クイーンC京王杯3歳S
||| |ジョウノマチエール (1990 マルゼンスキー
||| ||ウインラディウス (牡、1998 *サンデーサイレンス京王杯スプリングC、東京新聞杯、富士S 種牡馬
||| |サンデーウェル (牡、1992 *サンデーサイレンス) セントライト記念 種牡馬
|||トレビ (1970 *シンドン)
|| |ダンフリースシチー (1979 アローエクスプレス
||  |ストロングカイザー (牡、1988 ホリスキーセントライト記念
||カンタベリー (1964 トパーズ)
| |ハヤトダンサー (1982 *フレアリングダンサー)
|  |コガネセンガン (1989 *クリスタルパレス)
|   |サンライズシャーク (牡、1998 サクラホクトオー小倉記念2着
トキツウミ (1945 *プリメロ)
 |タイヘイヨウ (牡、1952 マルゼア) 種牡馬
 |フェアマンナ (1953 マルゼア) 優駿牝馬、毎日王冠、中山4歳S、桜花賞3着
 |セルローズ (1954 マルゼア) 天皇賞(秋)、カブトヤマ記念2着、スプリングS2着、クイーンS2着、優駿牝馬3着、朝日盃3歳S3着 ほか
 ||セルリオン (1962 *オーブリオン)
 | |セルソロン (1969 *パーソロン
 |  |ジプシークイン (1982 マルゼンスキー)
 |   |ジプシーワンダー (1993 *ブライアンズタイム
 |    |サイレントスタメン (牡、2006 レギュラーメンバー東京ダービークラウンカップ
 |玉竜 (1955 カツフジ)
 ||リュウトキツ(牡、1967 *フィリュース) 種牡馬
 |トキツヒロ (牡、1956 カツフジ) 阪神大賞典鳴尾記念、天皇賞(春)3着
 |ワカマツ (1965 トパーズ)
  |キクノフラッシュ (牡、1980 *アークティックフラッシュ)

血統表

トキツカゼ血統ブランドフォード系 / Desmond4×5=9.38% Gallinule5×5=6.25%)

*プリメロ
Primero
1931 鹿毛
Blandford
1919 黒鹿毛
Swynford John o'Gaunt
Canterbury Pilgrim
Blanche White Eagle
Black Cherry
Athasi
1917 鹿毛
Farasi Desmond
Molly Morgan
Athgreany Galloping Simon
Fairyland

第五マンナ
1939 黒鹿毛
*シアンモア
Shian Mor
1924 黒鹿毛
Buchan Sunstar
Hamoaze
Orlass Orby
Simon Lass
マンナ
1928 栗毛
*クラックマンナン
Clackmannan
Lomond
Pretty Polly
第三フラストレート *インタグリオー
*フラストレート F-No.1-b

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:日本中央競馬会・顕彰馬 テンプレート:皐月賞勝ち馬 テンプレート:優駿牝馬勝ち馬

テンプレート:Keiba-stub
  1. 牝馬はほかにクリフジメジロラモーヌウオッカが選出されたが、選出理由はすべて競走成績によるもの。