真鶴道路
テンプレート:Infobox road 真鶴道路(まなづるどうろ)は、神奈川県南部の湯河原町から真鶴町を結ぶ有料道路。全線が国道135号に指定されており、真鶴ブルーラインという愛称が付けられている。神奈川県道路公社が維持管理有料制度に基づき管理している。
2008年(平成20年)9月までは当路線の前後および当路線に並行する一般道部分(旧道)も真鶴道路に含まれていたが、料金徴収期間が満了したために旧道は無料開放され真鶴道路ではなくなった。かつては真鶴道路であったことから、この区間の有料道路時代の事項に関しても、この項で述べる。
無料開放に伴う路線等の変更は以下の通りである。
- 国道135号(山側区間) → 神奈川県道740号小田原湯河原線
- 真鶴道路(旧道) → 国道135号
- 真鶴道路(新道) → 真鶴道路(真鶴ブルーライン)
目次
概要
新道(現在の真鶴道路)
真鶴市街の真下を真鶴トンネルで通過するなど、全線が立体交差である。道路交通法による一部車両通行規制道路であり、原動機付自転車や軽車両などは通行できず、歩行者の通行も禁止されている。料金所はETCに対応していない。維持管理費を通行料金により賄う維持管理有料制度が適用されている。
首都圏から伊豆半島の東海岸(熱海市・伊東市・下田市など)へのメインルートとなっている。そのためゴールデンウィーク、海水浴シーズンを始めとした行楽期の週末は午前の下り線および午後の上り線が激しい渋滞になることも多い。そのため、真鶴道路から西湘バイパスの石橋ICまで新たな道路を建設することが検討されている[1](詳細は国道135号を参照)。
旧道(現在の国道135号)
現在国道135号線に編入されている、小田原市根府川の県道740号との分岐点から現真鶴ブルーラインとの分岐点、真鶴駅前、湯河原市街を経て神奈川・静岡県境に至る区間も先述のとおりかつては有料道路真鶴道路であった。新道と並行する部分は主に「真鶴道路(旧道)」と呼ばれていた。
有料道路とはいってもこちらは新道とは異なり真鶴市街を平面交差で通過、すなわち交差点が多数ある一般道路で、その見た目は一般的な国道とさして変わらないものであった。一般道路であるため開通当初から無料開放まで原動機付自転車等も通行可能であり、自転車にも料金の設定があった。
料金所は真鶴市街を小田原方向に進んだ街外れにあり、市内交通や湯河原方面への交通に際しては無料で通行が可能であった。新道の開通以後は料金所は新道・旧道の分岐点に設置され、新道へ行く車と旧道へ行く車はそれぞれ別のレーンで料金が徴収された。
- 起点 : 足柄下郡湯河原町門川(静岡県境)
- 終点 : 小田原市根府川字片浦
- 延長 : 10.7km
- 車道幅員 : 5.5-7.5m
- 曲線半径 : 55m
- 縦断勾配 : 7.6%
- 車線 : 2車線
- 料金徴収期間 : 1959年9月4日から2008年9月3日まで
地理
インターチェンジなど
新道
- 路線名の特記がないものは市道。
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 起点から (km) |
備考 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|
- | 吉浜橋 | 国道135号(旧道) | 0.0 | 湯河原町 | |
福浦IC | 1.4 | 小田原方面出入口 | |||
岩IC | 3.1 | 小田原方面出入口 | 真鶴町 | ||
- | 岩大橋 | - | 長さ 605m かながわの橋100選 | ||
- | 真鶴料金所 | 本線料金所 | 4.5 | ||
国道135号(旧道) | |||||
西湘バイパス方面にバイパス整備計画あり |
旧道
交差する道路など | 交差する場所 | 起点から (km) |
旧 道 |
新 道 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
国道135号・熱海ビーチライン方面 | ||||||
神奈川・静岡県境 | 湯河原町 | 門川 | 0.0 | |||
県道75号湯河原箱根仙石原線 | 湯河原高校前 | |||||
旧道・新道 分岐点 | 吉浜橋 | |||||
県道740号小田原湯河原線 | ||||||
県道739号真鶴半島公園線 | 真鶴町 | 真鶴駅前 | ||||
真鶴道路旧道料金所 | - | |||||
旧道・新道 合流点 | - | 6.0 | ||||
真鶴PA | - | |||||
県道740号小田原湯河原線 | 小田原市 | - | 10.7 | |||
国道135号 西湘バイパス方面 |
道路施設
新道(現在の真鶴道路)
- 湯河原橋
- 真鶴トンネル
- 岩大橋
- 新島トンネル
旧道(現在の国道135号)
- 吉浜橋
- 真鶴トンネル
料金
また、旧道の無料開放直前の料金は次の通りである。
- 普通車 : 旧道200円、新道310円
- 大型車 : 旧道310円、新道470円
- 特大車 : 旧道730円、新道1,100円
- 軽自動車 : 旧道150円、新道210円
- 原動機付自転車 : 旧道50円(新道は通行不可)
- 軽車両 : 旧道30円(新道は通行不可)
- 自転車 : 旧道20円(新道は通行不可)
歴史
真鶴道路は戦後の有料道路の黎明期から存在する路線であり、同一路線内における新道の建設や道路管理者の変更などの変遷がある。このため、2008年の旧道の無料開放までを時期ごとに解説する。
初期
かつての真鶴町付近から小田原市南部の国道135号(現在の県道740号)は、幅員が狭く屈曲の多い狭隘区間である。これを解消するため、バイパス道路の建設が計画され、神奈川県により建設が着手されたが、このうち静岡県境から小田原市根府川までの建設が日本道路公団に引き継がれた。この真鶴市街を経由するI期区間は、1959年(昭和34年)9月に開通。現在の真鶴PAは当時の料金所施設の跡に設置されたものであり、このときの開通記念碑がある。
その後、湯河原市街の現道重複区間を拡幅するII期工事が行われ、1968年(昭和43年)11月に完成している。
中期
I期工事で建設されたルートは、真鶴市街を平面交差で通過し、最急勾配も7.6%であるなど、増え続ける需要に対応しきれずに渋滞も発生するようになった。このためIII期工事として、真鶴市街の真下を真鶴トンネルで通過するなど全線立体交差のルートを新設することになり、1982年(昭和57年)4月に開通した。
この時から、III期工事により新設されたルートを新道、従来の真鶴市街を経由するルートを旧道と呼び、どちらの経路を選択するかにより通行料金に差が設けられることとなった。これにあわせて料金所が移設され、新道と旧道それぞれに別の料金所が設置された。また、旧料金所跡に真鶴PAが設けられている。
後期
2005年10月1日の日本道路公団の民営化に伴い、真鶴道路の管理が同年9月30日午前0時に神奈川県道路公社に引き継がれた[2]。同時に、真鶴PAに併設されていた真鶴売店が閉店している。
この際に、神奈川県から、維持管理に必要な経費を捻出する必要性や有人の料金所施設により歩行者等の誤進入を防止する必要があることなどを理由に、新道区間を維持管理有料制度を適用して2008年の償還期間終了後も料金徴収を継続する方針が発表された。
2008年9月に、旧道は、料金徴収期間の満了を迎え無料開放され、国道135号となる。これにあわせて、新道の愛称が付けられることとなり、公募の結果真鶴ブルーラインに決定された[3]。これについては、同じ「ブルーライン」の愛称の路線を持つ横浜市営地下鉄から変更を迫られるなど紆余曲折があったが、当初の決定通りとなった。
年表
- 1959年(昭和34年)8月20日 : I期区間工事完了[4]。
- 1959年(昭和34年)9月4日 : I期区間が開通し、料金徴収期間を1979年9月3日までとする[5]。
- 1968年(昭和43年)10月21日 : II期区間工事完了[6]。
- 1968年(昭和43年)11月1日 : II期区間完成。
- 1970年(昭和45年)3月2日 : III期区間工事開始[7]。
- 1976年(昭和51年)5月17日 : 料金徴収期間を2008年9月3日までとする[8]。
- 1982年(昭和57年)4月14日 : III期区間一部工事完了[9]。
- 1982年(昭和57年)4月15日 : III期区間開通[10]。
- 1983年(昭和58年)3月31日 : III期区間工事完了[11]。
- 2005年(平成17年)9月30日 : 日本道路公団(当時)から神奈川県道路公社に管理引継(30日午前0時)。真鶴PAの真鶴売店閉店(30日午後)。
- 2008年(平成20年)9月4日 : 料金徴収期間満了に伴い、旧道が無料開放され、一般道路として神奈川県小田原土木事務所に移管。新道は、維持管理有料制度に移行し、愛称・真鶴ブルーライン命名。
交通量
平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)
- 足柄下郡湯河原町吉浜 : 24,152
- 足柄下郡真鶴町 : 10,474
- 足柄下郡真鶴町 : 8,002