西湘バイパス

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ファイル:西湘バイパス.jpg
道路下トンネル
相模湾に通じている

西湘バイパス(せいしょうバイパス)は、神奈川県中郡大磯町から小田原市を結ぶ自動車専用道路であり、国道1号バイパスである。

西湘二宮ICから箱根口ICおよび石橋ICまでの区間は中日本高速道路管理の一般有料道路である。途中の早川で分岐し、神奈川県小田原市石橋に至る石橋支線がある。

国道1号現道南側の海岸沿いに設けられており、二輪・四輪を問わず、眺めの良いドライブコースとして人気が高いようである。一方で、強風・高波等の荒天時には度々通行止となることもある。

自動車専用道路のため、125 cc以下の自動二輪車(原付一種および原付二種)は通行禁止となっている。

なお、西湘バイパスの有料区間は、2010年6月28日[1]から2011年6月19日まで無料化社会実験が行われていた。

概要

  • 石橋支線
    • 起点:神奈川県小田原市南町
    • 終点:神奈川県小田原市石橋
    • 全長:1.9 km
    • 車線数:2車線

有料区間

  • 起点:神奈川県中郡二宮町二宮
  • 終点:神奈川県小田原市風祭
    • 石橋支線起点:神奈川県小田原市南町
    • 石橋支線終点:神奈川県小田原市石橋
  • 最高速度:70 km/h
  • 全長:14.5 km(支線除く)
  • 償還完了予定:2050年(平成62年)8月29日[2]

ルート

大磯東ICから西湘二宮ICまでは、無料の自動車専用道路となっている。西湘二宮ICから有料の自動車専用道路となり、早川分岐を経て、箱根ターンパイク分岐、小田原厚木道路分岐を過ぎ、小田原市風祭の箱根口ICで国道1号現道に接続する。箱根口ICでは、国道1号バイパス小田原箱根道路に接続し箱根新道に連絡している。

早川で分岐し石橋支線に進行すると、石橋IC国道135号に接続する。なお、下り線の早川分岐では、進行方向の右前方にある箱根方面が本線として2車線のまま左へ分岐し、左前方へ海岸沿いを進むはずの石橋方面が本線から右へ分流し片側1車線となる。石橋IC出口より真鶴道路までの国道135号線はバイパスがないため、早川ICから石橋IC出口付近は国道に合流する車で時間帯によって渋滞がみられる。行楽シーズンのピーク時は、早川分岐より箱根新道に向かい、箱根から湯河原や熱海へ向かう県道を走行する方が渋滞による時間の消費を避けることができる。

また、上りの大磯東ICでは2車線から1車線に車線が減少する上、そのすぐ東に国道134号(現道)が分岐する唐ヶ原交差点があり、慢性的に渋滞している。週末や行楽シーズンには、1km通過するのに約30分以上かかることもある。将来的には新湘南バイパスを延伸して大磯東ICと茅ヶ崎海岸IC間が接続し、2階建て構造で上下8車線化する予定だが、新湘南大橋に隣接するゴルフ場の移設工事が難航しており、8車線化工事の着工には至っていない。暫定的な対策として、花水川橋から、すでに4車線化が完成している国道134号線の新湘南大橋までの区間を4車線に拡幅する事業が着手されている。このうち新湘南大橋から虹ヶ浜交差点までの区間は4車線化しており、慢性化していた渋滞は解消している。虹ヶ浜交差点から西湘バイパスまでの区間は防砂林の伐採工事が終わり、2013年度中に4車線化する見通し。これにより大幅に渋滞が緩和される。

沿革

テンプレート:See

  • 2011年(平成23年)3月31日:料金徴収期間が2050年(平成62年)8月29日までとなる[2]

通行料金

1995年以降は、以下の各料金所の通過毎に通行料金を支払う。

  • 橘料金所 - 小田原市前川に所在[10]。橘IC(上り線のみ)付近の上下各本線にある。上り線はICの出口分岐手前にあるため、入口では料金徴収が発生しない。
  • 国府津料金所 - 小田原市国府津に所在[10]。国府津ICの下り線入口・上り線出口にある。
  • 石橋料金所 - 小田原市早川に所在[10]。石橋支線南端にある。

料金所施設を集約しているため、このような徴収方法になっている。

各料金所ともETCに対応している。当初、ETC割引制度は導入されなかったが、2009年3月28日から深夜割引、通勤割引が適用できるようになった[12]

通行料金は以下の通り[2]

1回の通行に係る料金の額(単位:円。消費税込)
料金所・車種 軽自動車等 普通車 中型車 大型車 特大車
200 250 300 400 700
国府津 100 150 200 250 400
石橋 150 200 250 350 550

通行区間によっては最高で2回料金徴収があり、下記の通り利用距離は大差がないのに料金格差が激しい区間がある。

  • 料金計算例(普通車)
    • 大磯本線→箱根口IC:250円
    • 大磯本線→石橋IC:450円
    • 石橋IC→橘IC:450円
    • 石橋IC→国府津IC:350円
    • 早川IC→国府津IC:150円
    • 酒匂IC→大磯西IC:250円
    • 橘IC→大磯本線:0円(料金所を通過しないため)
    • (小田原厚木道路方面から)小田原西IC→石橋IC:200円

通過市町村

接続するバイパスの位置関係

(東京方面)新湘南バイパス - 西湘バイパス - 小田原箱根道路(大阪方面)

インターチェンジなど

本線

IC番号 施設名 接続路線名 大磯東
から(km)
備考 所在地
新湘南バイパス(予定) 圏央道茅ヶ崎中央藤沢方面
- 大磯東IC 国道134号 0.0 神奈川県 大磯町
- 大磯港IC 国道1号現道(町道経由) 1.5 上り出口・下り入口
- 大磯東出口 国道1号 上り出口・上り入口
- 大磯西IC 3.9
西湘二宮IC 県道71号 6.1 下り出口なし 二宮町
橘IC 国道1号現道 8.9 上り出入口のみ 小田原市
- 西湘PA - 上り線
- 橘TB -
国府津IC 国道1号現道・県道72号 11.6
- 西湘PA - 下り線
酒匂IC 国道1号現道・県道719号 14.1 上り入口のみ
小田原IC 国道1号現道 15.7 上り入口・下り出口
早川JCT 石橋支線
早川IC 国道135号 18.3 上り入口・下り出口
- 箱根ターンパイク連絡路 箱根ターンパイク 上り入口・下り出口
小田原西IC 小田原厚木道路
箱根口IC 国道1号現道(箱根国道 20.8
小田原箱根道路 箱根新道 箱根峠沼津方面

石橋支線

IC番号 施設名 接続路線名 大磯東
から(km)
備考 所在地
早川JCT 本線 神奈川県 小田原市
石橋IC 国道135号 19.6
真鶴道路方面へバイパス整備計画あり

主な橋

その他

平成19年台風第9号による被害

2007年(平成19年)9月6日 - 7日の台風9号の影響により、大磯西IC - 橘ICの下り線脇3箇所において擁壁崩落や路面陥没などの被害が発生した。このため、下り線の大磯西IC - 国府津ICと上り線の橘IC - 大磯西ICが通行止となった。

この通行止の影響で周辺道路が激しく渋滞するなどしたため、9月10日には上記被害の迂回路処置として小田原厚木道路全線の一時無料開放(応急復旧完了までの間)が決定され、即日実施された。9月27日には上り線を対面通行とする形で暫定的に応急復旧措置が完了し、通行可能となった(ただし、西湘二宮ICの小田原方面入口は引き続き閉鎖)。2008年(平成20年)4月25日午後5時に橘IC - 大磯西ICが4車線で開通し、対面通行が解除された。同時に西湘二宮ICでの小田原方面入口も通行可能となった[13][14]

なお本被害は、相模湾に砂を供給してきた相模川酒匂川上流に多目的ダム群を建設したことによる海岸線の後退が原因とする見方がある。[15]

西湘バイパス石橋IC - 真鶴道路間のバイパス整備

テンプレート:Main 西湘バイパス石橋ICから真鶴道路までの区間は、バイパス道路が整備されておらず、休日に激しい渋滞が生じる。このため当該区間のバイパス工事が進行中である。

国道134号の拡幅

テンプレート:Main 前述のように、大磯東ICでは将来的に新湘南バイパスと接続する予定であるが、着工にすら至っていない。現在接続している国道134号は、同IC付近から平塚市高浜台交差点にかけて渋滞が慢性化し、ボトルネックとなっているため、当区間の4車線化工事が東側から行われている。(平成26年度供用目標)

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:中日本高速道路 テンプレート:西湘バイパス

テンプレート:国道1号
  1. 2010年(平成22年)6月25日中日本高速道路株式会社公告第18号「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
  2. 2.0 2.1 2.2 2011年(平成23年)3月31日中日本高速道路株式会社公告第14号「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
  3. 1967年(昭和42年)1月17日建設省告示第73号「一般国道一号線の供用開始に関する告示」
  4. 1969年(昭和44年)2月10日建設省告示第299号「一般国道一号の自動車専用道路の指定に関する告示」
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 日本道路公団『年報-平成15年-事業の概要と道路統計』
  6. 1972年(昭和47年)1月18日日本道路公団公告第1号「西湘バイパス工事完了公告」
  7. 1973年(昭和48年)3月29日日本道路公団公告第19号「西湘バイパス(延伸)工事開始公告」
  8. 1973年(昭和48年)4月23日日本道路公団公告第29号「有料道路「境大橋」、「西湘バイパス」及び「京葉道路」の料金の徴収期間の変更公告」
  9. 1976年(昭和51年)3月30日日本道路公団公告第21号「西湘バイパス延伸工事廃止公告」
  10. 10.0 10.1 10.2 10.3 1995年(平成7年)3月17日日本道路公団公告第6号「有料道路「西湘バイパス」の料金の額及び徴収期間の変更公告」
  11. 2006年(平成18年)3月31日中日本高速道路株式会社公告第11号「高速道路の料金の額及び徴収期間の公告」
  12. 2009年(平成21年)3月27日中日本高速道路株式会社公告第15号「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
  13. 西湘バイパス被害・復旧状況(横浜国道事務所)[1]
  14. 台風9号で被災した西湘バイパスの暫定4車線供用テンプレート:PDFlink
  15. 読売新聞: 消える砂浜 浸食続く相模湾の海岸線テンプレート:リンク切れ(2008年4月13日付)