はぐれ刑事
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『はぐれ刑事』(はぐれでか)は、1975年に俳優座と国際放映が制作し、日本テレビ系で放映された刑事ドラマ。2004年にDVDソフト化され、2005年チャンネルNECOにて、2007年 – 2008年にはホームドラマチャンネルにて再放映された。
内容
東京の下町、台東署の一年生刑事・影山(沖雅也)と、胸に受けた拳銃の弾をあえて摘出しない先輩刑事・風間(平幹二朗)を中心に、人情味あふれる浅草や隅田川の風景を織りまぜて展開する刑事ドラマ。
放送データ
キャスト
- 風間史郎:平幹二朗 - 台東署刑事(37歳)。人情派かつ思いやりのある刑事で、地元の下町育ち。右胸に銃弾が入ったままになっており、激しく動く度にそれが奥に入っていき激痛が走る。それでも摘出しない理由は...。
- 影山健三郎:沖雅也 - 台東署刑事(25歳)。当初はエリート意識を持っている生意気な刑事で、風間の犯人に対しても情に厚い手法に苛立ちを見せるが、風間や課長らが暖かく育て人間として成長していく。
- 新藤保太郎:田中邦衛 - 風間の幼馴染の外科医(37歳)。都電荒川線沿いにある「新藤外科」の主。かつてはシカゴで腕を振るっていた。妻と息子がいる。
- 原田美智子:夏純子 - 新藤の義妹。新藤外科で看護婦をしているシッカリ者。風間に徐々に惹かれる。
- 大辻医師:火野正平 - 新藤外科の若手医師(28歳)。知的な男だが人間味も兼ね備えている新藤の片腕。
- ラリパッパのお京:ホーン・ユキ - 浅草生まれの浅草育ち、焼酎のミルク割りが好物な下町娘。酔っては影山にからんでくるのは好意の現れでもある。
- 滝川課長:小沢栄太郎 - 台東署刑事課長。人情派で人当たりが柔らかいが、優しいだけではなく本庁上司の苦情から部下を守る心意気も持つ。年下の妻にメロメロである。
- 滝川淳子:浅茅陽子 - 滝川課長の妻。課長より30も年下の若妻であり、刑事部屋に差し入れに来るので皆の心を和ます存在でもあるが、「亭主50で妻20」と皆が課長を嫉妬の目で見てしまうことも。
- 四谷係長:山本清 - 台東署捜査係長。昇任試験の勉強をしているが一向に出世の見込みが無く、部下から「本庁行きはぐれ鳥」と言われている。「たまんねぇよ」が口癖。
- 大村刑事:伊東辰夫 - 台東署刑事。普段は刑事部屋で適当な憎まれ口をたたき、軽い人間像で振舞っているが、事件発生時には顔つきが変わり熱心な刑事の一面を見せる。もうすぐ三人目の子供が生まれる予定。
- 坂田刑事:望月太郎 - 台東署刑事。大分県別府出身、「金時」というニックネームもある。
- 矢野刑事:阿部希郎 - 台東署刑事
- 大川刑事:片岡五郎 - 台東署刑事。風間とは同期である。
- 山本刑事:青木卓司 - 台東署刑事。九州弁が特徴(#9からの出演)、「山さん」と呼ばれることもあった。
- 浅若芳太郎 - 酒処「浅若」主人
- 山崎イサオ
- 大塚訓代 - 新藤外科看護婦
- 森田由起子 - 新藤外科看護婦
スタッフ
- 企画:古賀伸雄(俳優座映画放送)、岡田晋吉(日本テレビ)
- プロデューサー:香取雍史(国際放映)、梶山仗祐(俳優座映画放送)、長富忠裕(日本テレビ)
- 脚本監修:菊島隆三
- 脚本:尾中洋一、山田正弘、下飯坂菊馬、安倍徹郎 他
- 監督:小野田嘉幹、森崎東、松尾昭典 他
- 音楽:ティン・パン・アレー(鈴木茂)(選曲:山川繁)
- 主題歌「陽かげりの街」
- 作詞:杉山政美 作曲:ヘンリー広瀬
- 唄・演奏:ペドロ&カプリシャス
- 主題歌「陽かげりの街」
- 製作:俳優座映画放送、国際放映
放映リスト
各話 | 放送日 (1975年) |
サブタイトル | 脚本 | 監督 | ゲスト |
---|---|---|---|---|---|
1 | 10月7日 | 銃弾 | 尾中洋一 | 小野田嘉幹 | 桃井かおり、磯部勉、橋本功、地井武男、川口敦子、ペドロ&カプリシャス |
2 | 10月14日 | 逃避行 | 宮下順子、蟹江敬三、泉ピン子、沢りつお | ||
3 | 10月21日 | 復讐 | 安倍徹郎 | 松尾昭典 | 三ツ木清隆、津山登志子、松山照夫、小美野欣二 |
4 | 10月28日 | 密告 | 尾中洋一 | 赤座美代子、蜷川幸雄、田口計、丹古母鬼馬二、阿川泰子、粟津號、松崎真、石井富子、岡田正典 | |
5 | 11月4日 | 偽証 | 山田正弘 櫻井康裕 |
森崎東 | 加藤嘉、小野進也、木村理恵、江幡高志 |
6 | 11月11日 | 姉弟 | 尾中洋一 | 渡辺美佐子、長谷川哲夫、野村昭子、今福正雄、藤岡重慶、成瀬昌彦 | |
7 | 11月18日 | 蒸発 | 下飯坂菊馬 | 小野田嘉幹 | 片桐夕子、中谷一郎、手塚茂夫、林ゆたか、本山可久子 |
8 | 11月25日 | 裏切り | 安倍徹郎 | 本郷直樹、中北千枝子、本木紀子 | |
9 | 12月2日 | 誘拐 | 福田純 | 松尾昭典 | 渥美国泰、小原秀明、平泉征、槙ひろ子、中村美代子 |
10 | 12月9日 | 本ボシ | 櫻井康裕 | 佐野厚子、市地洋子、真屋順子、三景啓司、堺左千夫 | |
11 | 12月16日 | 氷雨 | 尾中洋一 | 渡邊祐介 | 田中浩、木村元、佐久間宏則、地井武男、外山高士 |
12 | 12月23日 | 傷痕 | 下飯坂菊馬 | 安東結子、瀬戸山功 | |
13 | 12月30日 | 冬よ せめて美しくあれ | 尾中洋一 | 小野田嘉幹 | 市毛良枝、南風洋子、桑山正一、内田勝正、桜井センリ、鹿島信哉 |
再放送
1985年、日本テレビ深夜帯の「ナイトスクリーン」枠で再放送された。
ナイトスクリーンは深夜の再放送枠。週末以外まだ24時間放送が無く、午前2時前後に一日の放送が終了していた1980年代、日本テレビでは11PMやあすの朝刊、天気予報の放送後、午前1時前ぐらいから大人向けのドラマを再放送していた。人気作品やファミリー向けのドラマは主に夕方に再放送されており、この時間帯は比較的マイナーな刑事ドラマが放送されることも多かった。