レミントンM700
テンプレート:Infobox レミントンM700(Remington Model 700)は、アメリカ合衆国の名門銃器メーカー、レミントン・アームズ社が開発した、ボルトアクション方式のライフル。ボルトアクションライフルの利点である高い命中精度、単純で堅牢な構造、信頼性などにより、警察他の法執行機関、軍隊で狙撃銃としても多数採用されている。
目次
概要
1962年に発売されて以来、現在でも販売が続けられているボルトアクションライフルの代名詞。狩猟用や競技用として広く使われ、レミントン社のベストセラーとなっている。現在までに様々な口径、銃身長、各種用途に特化したバリエーションモデルが製造されている。
ベトナム戦争では海兵隊狙撃チームがウィンチェスターM70に代わり採用、現在でもアメリカ全軍で使用されている他、SWATやFBI、各国対テロ部隊で使用されている。
特徴
数十種の弾薬(2010年までに製造された口径は47種類に及び、普及したライフルカートリッジをほとんど網羅する)、各種バレル長、ストックの材質や形状、マガジン形式などの違いにより、装飾を施した狩猟用高級ライフルから、競技用ライフル、警察など法執行機関向け狙撃銃まで様々なバリエーション展開を行っている。
また、M700をベースに製作されたM24は、米陸軍を始め、陸上自衛隊など、各国の軍隊でも採用されており、特に米海兵隊ではM700をベースに独自の仕様によりM40を自製している。
レミントンカスタムショップ(熟練工の手加工による別ライン)ではカスタムオーダーによる高品質モデルの受注生産を行っている。また、ベストセラー商品であるため各種アクセサリー、チューニングパーツがサードパーティーより豊富に販売され、自分で好みの改造をすることも容易である。
日本国内でも狩猟用、競技用として許可が下りるため所持者は多い。
バリエーション
- モデル700
- 民間市販向けモデル
- モデル700
- ADL(ブラインドマガジンモデル)
- モデル700
- BDL(ヒンジドフロアプレートモデル)
- モデル700
- CDL(固定サイト無しのスコープ専用モデル)
- モデル700
- サファリ(カスタムショップ製大口径ハンティングライフル)
- モデル700
- VXX(Xはモデルにより各種アルファベット バーミント(害獣駆除)モデル 肉厚バレル装備)
- モデル700
- SPS(特別仕様。最新型市販モデル)
- モデル700
- 軍用、警察(法執行機関)向けモデル
- モデル700P
- 警察向け狙撃銃(26インチバレル)
- モデル700P
- LTR Light Tactical Rifle ライト タクティカル ライフル(Pの20インチバレル仕様)
- モデル700P
- TWS Tactical Weapons System タクティカル ウェポン システム
- M40
- アメリカ海兵隊用狙撃銃
- M24
- アメリカ陸軍用狙撃銃
- モデル700
- FED(A.I.C.S.ストック装備。M24の進化型)
- モデル700
- USR(MARS、サウンドサプレッサー装備)
派生モデル
- 40X
- レミントンがM700をベースに同社カスタムショップにて製造する競技用ライフル。最近では法執行機関向けのバリエーションもラインナップされている。
- M24
- レミントンがM700をベースに製作した狙撃銃。米陸軍の他、陸上自衛隊でも採用されている。アクセサリー類をセットしてM24 SWS(SNIPER WEAPON SYSTEM)として法執行機関向けに販売されている。
- M40
レミントン・カスタムショップにて40X(M700ベースの競技用ライフル)をベースに製作されたごく初期のもの以降は、海兵隊内で製作している部内モデルなので、基本的に外部流出はない。
レミントン社の2007年のカタログに M40 USMC Vietnam Era Rifle というモデルが掲載されたが、これはM40の雰囲気を楽しむためのマニア向けモデルで、海兵隊使用のM40とは別のものである。
アメリカ内外のミリタリーマニアにとって垂涎のモデルであるため、外部コンストラクター、カスタムビルダーによってレプリカが多く製作されている。
なお、陸軍のM24シリーズはレミントン社が制作しているので、公的機関がオーダーすることは可能である。陸上自衛隊でも採用されている。
初期タイプはレミントンM700(40X)のレシーバーに弾薬装填用のクリップスロットを追加工、バーミントバレル(レミントン製10-1ツイスト)を組み合わせ、スポータータイプ木製ストック、レッドフィールド社製3-9倍率のスコープを搭載していた。
その後、1970年代後半に海兵隊内でアトキンソン製ステンレスバレル(12-1ツイスト)、マクミラン製樹脂ストック、M70用スチール製トリガーガードとマガジンカバーなどの改修を受けM40A1となる。A1モデルでも当初はレッドフィールド製3X9スコープが使用されたが、1980年代に入るとユナートル製10Xスコープに変更される。
現在でもM700のアクションとM70タイプのトリガーガードの組み合わせは続いている。
現在ではさらにマイナーチェンジが進み、M40A1の後継モデルとして「M40A2」、「M40A3」、「M40A5」と存在している。さらにレミントンが開発したMSRタイプのストックを装備したXM2010そっくりの「M40E1」というモデルも存在する。
- 弾丸
- 使用弾丸は7.62x51mm NATO弾であるが、より精度を高めたM118やM852などのマッチ・アモ(競技用弾)が使用される。
- ケース
- 携行時には専用のキャリング・ケースに収められるのが一般である。
- スコープ
- A1途中より採用されたユナートル製10倍固定倍率スコープはユナートル廃業後もその製造、メンテナンスを引き継いだU.S.OPTICSの改良型が使用された。現在ではS&B製スコープを使用している。
登場作品
映画
- 『16ブロック』
- 『ウォーキング・デッド』
- 『ザ・シューター/極大射程』
- 主人公ボブ・リー・スワガーが冒頭のシーンでM40A3を中盤からはM700を使用する。
- 『山猫は眠らない』
- M40風ストックを付けたM700を主人公トーマス・ベケットが使用する。
テレビドラマ
- 第2話にてパトリック軍曹がM40を使用。
- シーズン1第11話で、犯人が狙撃用に使用。
ゲーム
- 『ARMA 2』
- カモフラージュが施されたM40A3が登場。
- Remington 700 Exportが登場。スコープや銃器の色など、様々なカスタマイズができる。
- 『WarRock』
- イベント内で入手できる限定武器としてM40A1が登場する。
- 『オペレーション7』
- 『グランド・セフト・オートIII』『グランド・セフト・オート・バイスシティ』『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』『グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ』
- 「スナイパーライフル」という名称で登場。
- 派生型のSR-8が登場。
- 『クロスファイア』
- ゲーム内通貨で購入可能。
- 作品内ではR700と名称が変わっている。RはRemington(レミントン)のことと思われる。M40A3も登場している。
- ゲーム内の名称が「TANGO-51」。ゲーム内通貨で購入可能。
-
- シングル、マルチプレイにM24が登場。また追加コンテンツのベトナムでM40を使用できる。
- 偵察兵の武器としてM40A5が登場。
- 狙撃兵で使用可能な武器。
- M40A1が登場する。
小説
- 『極大射程』(スワガー・サーガ)
- 主人公ボブ・リー・スワガーがM700を使用する。
- 『樹海戦線』
- CIAの準軍事要員(パラ・ミリタリー)が使用。
- 『緋弾のアリア』
- 7巻で登場する狙姉がM700を使用する。
- 主人公里見蓮太郎が対ダークストーカー(巳継悠河)戦で使用。
- M40A1が登場。
アニメ
- 死んだ世界戦線(SSS)メンバーの大山が使用している。
- 第19話にて衛宮切嗣が使用。
漫画
- 『JESUS』
- 組織24のスナイパー「虎」こと御堂 真奈美がレミントンM700カスタム使用。
M700の遊戯銃
エアソフトガンは、クラフトアップル製エアコッキングガンやタナカワークス製ガスガンなどが発売されている。また、東京マルイのVSR-10シリーズはオリジナルデザインながら、レシーバー形状などにM700の面影を見ることができる。変わった機構を持つものでは、過去に国際産業・スーパーウェポンシリーズ第3弾のM700BDLがあった。このモデルは、発火式モデルガンとして機能する箇所とエアコッキングガンとして機能する箇所を持ち、エアソフトガンでありながら火薬の破裂音を楽しむことが出来た。もちろんエアソフトガンとしての部分とモデルガンとしての部分は完全に分離しており、銃刀法には抵触しない。かつてアサヒファイアーアームズから発売された旧M40/M700シリーズは蓄気式カートの前方のバルブを後退式バレルで解放する方式であったが、警察庁により実銃であるとの認定を受け、販売中止、回収となった(遊戯銃の事件参照)現在このモデルを所持することは銃刀法違反となる(後に発売されたアサヒファイアーアームズブランドのコッキング式M40は別機構の合法品)。