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テンプレート:Infobox 作家 三浦 しをん(みうら しおん、本名同じ、1976年(昭和51年)9月23日 - )は、日本の小説家・随筆家である。女性。
目次
来歴
横浜雙葉中学高等学校から、1995年4月に早稲田大学第一文学部に入学。翌年、文学科演劇専修に進む。当初、三浦は編集者として出版社に就職することを志望しており、大学4年となった1998年には、出版各社に対して就職活動を行っていた[1]。その活動中、早川書房の入社試験で、三浦の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗は、三浦に執筆の才があることを見出した。村上の勧めを受けて三浦は、同年11月から、Boiled Eggs Onlineのサイトにおいて、ウィークリー読書エッセイ『しをんのしおり』の連載を始めた。同年末に村上は早川書房を退社し、著作権エージェント「ボイルドエッグズ」を設立し、三浦にも作家に転進するよう勧めた。出版社、編集プロダクションの面接を約20社受けたが、就職氷河期ということもあり全滅する[2]。そのまま1999年に大学を卒業。友人の紹介で外資系出版社の事務のアルバイトをするが、本国から英語で頻繁にかかってくる電話に対応できず約3か月で辞める。[2]その後は、町田駅前の大型古書店「高原書店」にアルバイトとして2001年まで勤務していた。
ボイルドエッグズを立ち上げた村上からの小説を書くようにとの叱咤激励がきつくなってきて「自分の就職活動」なら書けるのでは、と提案され、1999年秋から着手する。2000年4月に、就職活動の経験をもとに3か月間で書きあげた処女小説『格闘する者に○』(草思社)を出版した。だが、これは違う、書きたいものではないと思い、その後もなかなか作家としての実感は持てなかった。2年後の2002年4作目の『秘密の花園』で近づいた手応えがつかめた。その後、2005年(平成17年)には『私が語りはじめた彼は』で山本周五郎賞候補、同年7月には『むかしのはなし』で直木賞候補となった。この3作が最も試行錯誤した時期だった[2]。
2006年(平成18年)8月に『まほろ駅前多田便利軒』で同年上半期の直木賞を受賞した。誕生日前の29歳での受賞であり、20代での直木賞受賞は、堤千代、平岩弓枝、山田詠美に続く4人目である。
2011年3月13日にボイルドエッグズとの契約が切れ、マネジメントも含めて自立する。[3]
2004年(平成16年)から雑誌『Cobalt』にてCobalt短編小説賞の選考委員、2008年(平成20年)から太宰治賞の選考委員、2009年(平成21年)から手塚治虫文化賞の選考委員、2012年(平成24年)からR-18文学賞の選考委員を務めている。
エピソード
- 名前の由来 - 両親が、当時の世田谷の家の庭の紫苑の花から名付けた。ただし、後に母から石川淳『紫苑物語』が好きという意味もあったと聞いた。[2]
- 物心がついたころから、本を読むのが好きで、絵本や家の本棚にあった母が読んでいたらしい古い「少年少女のための日本文学宝玉集」阿部知二 他編(上・下)宝文館を愛読していた。小学生のころは、学校や区立の図書館で気になった本を手当たり次第に読んでいた。中学から高校時代は、泉鏡花、坂口安吾、丸山健二を愛読していたが、高校のころ村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで、興奮して習作のハードボイルド調の小説を初めて書くが、大学時代に再読して稚拙のため没にする。[2][5]
- 少女漫画やボーイズラブ作品に詳しい[5]、好きな行為は妄想と語る。
作風
- 家族を描く作品。
- 特徴的な関係性を描く作品。
- 一つの仕事や物事に真剣に取り組む人たちを描く作品。
- 哀しいこと、恐ろしいことが、必ず起こる影を描く重い作品。
- エッセイでは、爆笑日常エッセイと、活字中毒者として本とマンガの魅力を語るものに分かれる。(以上[2])
著書
小説
まほろ駅前シリーズ
- まほろ駅前多田便利軒(2006年3月 文藝春秋 / 2009年1月 文春文庫)
- まほろ駅前番外地(2009年10月 文藝春秋 / 2012年10月 文春文庫)
- まほろ駅前狂騒曲(2013年10月 文藝春秋)
神去シリーズ
ノンシリーズ
- 格闘する者に○(2000年4月 草思社 / 2005年3月 新潮文庫)
- 月魚(2001年5月 角川書店 / 2004年5月 角川文庫)
- 白蛇島(2001年12月 角川書店)
- 【改題】白いへび眠る島(2005年6月 角川文庫)
- 秘密の花園(2002年3月 マガジンハウス / 2007年3月 新潮文庫)
- ロマンス小説の七日間(2003年11月 角川文庫)
- 私が語りはじめた彼は(2004年5月 新潮社 / 2007年8月 新潮文庫)
- むかしのはなし(2005年2月 幻冬舎 / 2008年2月 幻冬舎文庫)
- 収録作品:ラブレス / ロケットの思い出 / ディスタンス / 入り江は緑 / たどりつくまで / 花 / 懐かしき川べりの町の物語せよ
- 風が強く吹いている(2006年9月 新潮社 / 2009年7月 新潮文庫)
- きみはポラリス(2007年5月 新潮社 / 2011年3月 新潮文庫)
- 収録作品:永遠に完成しない二通の手紙 / 裏切らないこと / 私たちがしたこと / 夜にあふれるもの / 骨片 / ペーパークラフト / 森を歩く / 優雅な生活 / 春太の毎日 / 冬の一等星 / 永遠につづく手紙の最後の一文
- 仏果を得ず(2007年11月 双葉社 / 2011年7月 双葉文庫)
- 光(2008年11月 集英社 / 2013年10月 集英社文庫)
- 星間商事株式会社社史編纂室(2009年7月 筑摩書房 / 2014年3月 ちくま文庫)
- 天国旅行(2010年3月 新潮社 / 2013年8月 新潮文庫)
- 収録作品:森の奥 / 遺言 / 初盆の客 / 君は夜 / 炎 / 星くずドライブ / SINK
- 木暮荘物語(2010年11月 祥伝社)- 連作短編集
- 収録作品:シンプリーヘブン / 心身 / 柱の実り / 黒い飲み物 / 穴 / ピース / 嘘の味
- 舟を編む(2011年9月 光文社)
- 政と源(2013年8月 集英社)
随筆
- 極め道―爆裂エッセイ(2000年10月 光文社知恵の森文庫 / 2007年6月 光文社文庫)
- 妄想炸裂(2001年7月 新書館 / 2003年11月 新書館ウィングス文庫)
- しをんのしおり(2002年5月 新潮社 / 2005年11月 新潮文庫)
- 人生激場(2003年10月 新潮社 / 2006年8月 新潮文庫)
- 夢のような幸福(2003年12月 大和書房 / 2008年3月 新潮文庫)
- 乙女なげやり(2004年7月 太田出版 / 2008年9月 新潮文庫)
- 桃色トワイライト(2005年8月 太田出版 / 2010年3月 新潮文庫)
- 三四郎はそれから門を出た(2006年7月 ポプラ社 / 2010年4月 ポプラ文庫)
- シュミじゃないんだ(2006年11月 新書館)
- あやつられ文楽鑑賞(2007年5月 ポプラ社 / 2011年9月 双葉文庫)
- 悶絶スパイラル(2008年1月 太田出版 / 2012年9月 新潮文庫)
- ビロウな話で恐縮です日記(2009年2月 太田出版)
- ふむふむ―おしえて、お仕事!(2011年6月 新潮社)
- 黄金の丘で君と転げまわりたいのだ―進めマイワイン道!(2011年12月 ポプラ社)- 岡元麻理恵との共著
- お友だちからお願いします(2012年8月 大和書房)
- 本屋さんで待ちあわせ(2012年10月 大和書房)
- 泥酔懺悔(2012年11月 筑摩書房)「下戸一族VS飲酒派」女性作家11人エッセイ共著
共著
- いとしさの王国へ―文学的少女漫画読本(2003年5月 中央公論新社) - 角田光代、柴崎友香らとの共著
- 女子漂流 (2013年11月 毎日新聞社) - 中村うさぎとの対談集
- 愛が生まれてくるところ〜BL作家インタビュー集〜(2014年02月 新書館)14人のBL作家へのインタビュー
- 駅伝女子放談(2013年12月 SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS)福田里香、岡田育ほか 箱根駅伝についての座談会記録 250部限定出版[6]
アンソロジー
「」内が三浦しをんの作品
- 秘密。―私と私のあいだの十二話 (2005年3月メディアファクトリー MF文庫ダ・ヴィンチ)「お江戸に咲いた灼熱の花」[ダーリンは演技派]
- Love Letter(2005年12月 幻冬舎 / 2008年4月 幻冬舎文庫)「永遠に完成しない二通の手紙」
- 最後の恋(2005年12月 新潮社)
- 【改題】最後の恋 つまり、自分史上最高の恋。(2008年12月 新潮文庫)「春太の毎日」
- シティ・マラソンズ(2010年10月 文藝春秋 / 2013年3月 文春文庫)「純白のライン」- 初出:2008年12月 アシックスのWEBサイト
- いつか、君へ Girls(2012年6月 集英社文庫)「てっぺん信号」
- 泥酔懺悔(2012年11月 筑摩書房)「下戸一族VS飲酒派」 - エッセイアンソロジー
- 恋の聖地 そこは最後の恋に出会う場所。(2013年5月 新潮文庫)「聖域の火ー宮島弥山・消えずの霊火堂」
メディア・ミックス
ラジオドラマ
舞台
映画
- 風が強く吹いている(2009年10月31日公開、配給:松竹、監督:大森寿美男、主演:小出恵介、林遣都)
- まほろ駅前多田便利軒(2011年4月23日公開、配給:アスミック・エース、監督:大森立嗣、主演:瑛太、松田龍平)
- 舟を編む(2013年4月13日公開、配給:松竹、アスミック・エース、監督:石井裕也、主演:松田龍平、宮崎あおい)
- WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜(2014年5月10日公開、配給:東宝、監督:矢口史靖、主演:染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明)
- まほろ駅前狂騒曲(2014年10月18日公開予定、配給:東京テアトル/リトルモア、監督:大森立嗣、主演:瑛太、松田龍平)
テレビドラマ
漫画
- むかしのはなし 1 - 作画:西田番(バーズコミックス 幻冬舎コミック 2013年5月 - )
出典
外部リンク
- ビロウな話で恐縮です日記 - 公式ブログ
- 作家の読書道:第33回 三浦しをん - WEB本の雑誌
- ↑ Bestseller's Interview
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 雑誌「ダ・ヴィンチ」2013年2月号「特集 三浦しをん」メディアファクトリー発行
- ↑ ブログ「ビロウな話で恐縮です日記」「今後の仕事情報について」
- ↑ 【2012年本屋大賞】直木賞作家・三浦しをん「舟を編む」に決定 - ORICON STYLE
- ↑ 5.0 5.1 作家の読書道。
- ↑ 「駅伝女子放談発売中です」