シック・ジャパン
シック・ジャパンは、男性の髭剃りや、女性のムダ毛処理に使う、剃刀(かみそり)及び、米・エナジャイザー社の電池を製造、販売するメーカー。
概要
シックブランドの創設企業はイギリスの武器メーカーのウィルキンソン・ソード (Wilkinson Sword)。 だが、シックブランドを含む剃刀事業は、その後、紆余曲折を経て、現在ではアメリカの大手電池メーカーであるエナジャイザー・ホールディングス (Energizer Holdings) に渡っている。日本やアメリカでは、Schick(シック)のブランド名で販売しているが、現在でもイギリスでは、Wilkinson Sword(ウィルキンソン・ソード)のブランド名で販売している。
シック・ジャパンは、シック製品の事業を継続しているほか、電池事業も日本市場で展開している。エナジャイザーによる電池事業は元々、エナジャイザー社と提携していた富士フイルムが日本市場で展開していたが、富士フイルムの電池事業撤退により、シック・ジャパンが継承し、国内メーカーでは取り扱っていない単3型と単4型のリチウム電池、単6型のアルカリ電池のみを展開している。
第二次世界大戦後、シックブランドの製品が輸入され、日本の髭剃りに革新的な進歩をもたらした。実際、2006年現在、日本でのシェアは1位である。(世界全体で見れば、剃刀ではP&Gグループのジレット社が最大手で、シックは2番手である)
沿革
- 1960年、桜薬品工業株式会社が設立される。
- 1962年、替刃の輸入が自由化される。
- 1964年、ステンレス両刃を発売する。
- 1968年、日本ワーナー・ランバート株式会社に社名を変更する。
- 1972年、2枚刃カミソリ、スーパーⅡを発売する。
- 1975年、理容業務専用替刃を発売する。
- 1980年、ワーナー・ランバート株式会社に社名を変更する。女性用2枚刃カミソリを発売する。
- 1999年、アモルファスダイアモンドコーティングを導入する。
- 2000年、ワーナー・ランバートInc.に社名を変更する。アメリカのワーナー・ランバートがファイザーと経営統合される。
- 2002年、ファイザー・コンシューマーInc.に社名を変更する。曲がる3枚刃カミソリを発売する。マイクロ・セーフティ・ワイヤー採用のディスポを発売する。
- 2003年、アメリカのファイザーは、医療用医薬品に集中するために、その他の事業の売却を始める。まず、ワーナー・ランバートの傘下でガム、キャンディーなどを製造販売するアダムスを菓子メーカーのキャドバリー・シュウェップスに譲渡し、カミソリを製造販売するシックを電池メーカーのエナジャイザーに売却する。その結果、シックの日本法人としてシック・ジャパン株式会社が設立される。
- 2004年、世界初の4枚刃カミソリ、クアトロ4を発売する。女性用モイスチャーソープ付3枚刃カミソリ、イントゥイションを発売する。
- 2006年、女性用4枚刃カミソリ、クアトロ4フォーウーマンを発売する。世界初のチタンコートの4枚刃、クアトロ4チタニウムを発売する。
- 2008年、グリップに電動トリマーを内蔵した、クアトロ4チタニウムレボリューションを発売する。
- 2009年、クアトロ4チタニウムレボリューションの女性向け製品としてクアトロ4フォーウーマントリムスタイルを発売する。
なお、1980年代までは、シックの販売元として服部セイコーと提携していた。
主な商品
シェーブガードは、日本で最も広く流通しているシェービング剤である。「緑のキャップに男性の顔付き白フォーム缶」のデザインは年齢に限らず広く定着し、スーパーマーケットからコンビニエンスストアまで、カミソリを取り扱うほとんどの売場に存在している。この缶デザインの男性の顔は時代によって変化しており、最近ではアメリカの有名俳優似の顔になっている。
1995年に2枚刃のカミソリ「プロテクター」を発売、「切れてな~い」のCMで一世を風靡したのは記憶に新しい。(マイク・ベルナルドなどが出演)
2004年に世界初の4枚刃カミソリ「クアトロ4」と、女性用の固形ソープ付ボディカミソリ「イントゥイション」を開発、発売した。開発力や新規性に富んだメーカーである。
なお、男性用のクアトロ4と女性用のクアトロ4フォーウーマンは互換性があり、替刃とホルダーを混在して使用できる。ホルダーは基本的に同一のもので、例えばクアトロ4 フォーウーマン トリムスタイルはクアトロ4チタニウム レボリューションの色違いに過ぎず、異なるのは替刃である。
替刃はアメリカ製とドイツ製があり、ドイツ製はナイフや包丁で世界的に有名な刃物の街ゾーリンゲンで製造されている。
関連項目
- 日本クラフトフーズ - 2012年現在、アダムスブランドを保有している企業。