SC-3000
テンプレート:Infobox コンシューマーゲーム機 SC-3000とは、セガ・エンタープライゼス(現・セガ)が開発したゲームパソコン。
日本国内では1983年7月15日にセガ自らが発売し、海外ではOEM販売されていた。当初はメンブレンキーボードを使用していた。メーカー希望小売価格は29,800円。
後に、プラスティックの本格的なキーボードに改良した後継機SC-3000Hを展開した。
特徴
別売りのBASICカートリッジを使用する事で、当時一般的だったBASIC言語によるプログラミングができた。
BASICカートリッジにはレベルII・レベルIII・ホームベーシックのように、RAMサイズ・命令・数値計算の精度が異なる複数のバリエーションがあった。レベルIIではSC-3000用のレベルIIAとSG-1000/SG-1000II対応のレベルIIBとがあった。
ホームベーシックは、メニューから呼び出せるサンプルゲームやスプライトエディタが搭載されており、翌1984年6月に発売されたファミリーコンピュータのファミリーベーシックも同様の仕様になっている。
BASICの他には、キーボードを使用した数学や英語などの学習カートリッジが発売されていた。
ボディーカラーとして黒、白、赤の3色が存在した。
仕様
- CPU:D780C-1(Z80A互換)(クロック周波数3.58MHz)
- VDP:TMS9918A
- RAM:2KB
- BASIC-LEVEL II A:515Byte
- BASIC-LEVEL II B:1KB
- BASIC-LEVEL III A:16KB
- BASIC-LEVEL III B:32KB
- ホームベーシック:32KB(実利用フリーエリアは26KB)
- VRAM:16KB
- サウンド機能:SN76489(PSGに類似、矩形波3ch + ノイズ 1ch)
- インターフェイス
- プリンターインターフェイス
- カセットインターフェイス(IN,OUT)
- AVOUT
- ジョイスティックインターフェイス(端子形状はATARI規格と同一、ピン配置は異なる)
その他
本機はBASICこそ別売というクリーンコンピュータ仕様ながらも、同年11月発売のMSXと同等の性能で29,800円という当時のゲームパソコンよりも数万円安い低価格を実現し、発売前の受注段階で数万台の売上を計上したという。 この数字に自信を得た事や、同時期に任天堂がゲーム専用機を開発中である事を聞きつけた中山隼雄社長(当時)の鶴の一声で、SC-3000からキーボードやビデオ出力端子、カセット、プリンタ端子等を廃した事により、ほぼ半額の15,000円という大幅なコストダウンを実行した廉価版SG-1000も同日に発売したが、奇しくも任天堂のファミリーコンピュータも全く同じ日に発売されている。
SG-1000のSGは『Sega Game』、SC-3000のSCは『Sega Computer』の略である。
CPUやVDPはMSX1やSORDのM5等と同じで、ほぼ同等の性能・表現力を持つ。ただし、これらは開発時に意識したという訳では無く、当時のゲームパソコンで低価格を実現するためにチップなどの汎用部品を採用した結果、ほとんど同じような構成になったという[1]。そのため、コンピューターとしてのアーキテクチャーはすべて異なり、ハードウェア・ソフトウェア共に互換性は無い。
対応BASICはLEVEL II、LEVEL IIIとも特徴が無く、スプライト制御に長けたM5のBASIC-Gや、MSXのマイクロソフト系BASICに比べると、プログラムが組みにくかった。
本機のアーケード版とも言える「パソコン学習机」も存在した。筐体に内蔵されたBASIC・各種ゲームカートリッジをコイン投入後、一定時間利用できた。
また、3インチコンパクトフロッピーディスクドライブ・64KB拡張RAM・8KB拡張ROM・プリンターポート・シリアルポートを搭載した拡張ユニット、スーパーコントロール・ステーションSF-7000(79,800円)も発売されていた。
日本国外にも展開され、オーストラリアではJohn Sands社、ニュージーランドではGRANDSTAND社、フランスではYEN-O社によってOEM販売されていた他、スペイン、イタリアでもOEM販売された。ほとんどの地域ではあまり成功しなかったが、オーストラリア・ニュージーランドを中心とするオセアニア地域では低価格帯のパソコン市場に競合機が存在しなかったこともあって、市場をほぼ独占する成功をおさめ、日本同様テープ版ソフトやスーパーコントロール・ステーションが発売されたほか、日本未発売のライトペンや3インチディスクのパッケージソフトも発売され、ニュージーランドではSC-3000専門誌「SEGA Computer」も刊行されていた。この人気はAmstrad CPCがオセアニアに上陸する1986年頃まで続いた。
関連項目
- とんねるず - テレビCMなどのイメージキャラクターを務める。
- 斉藤ゆう子 - テレビCMなどのイメージキャラクターを務める。
- マイコンBASICマガジン - SC-3000用投稿プログラムが長期間掲載されていた。