RenderMan
RenderMan(レンダーマン)はピクサー・アニメーション・スタジオによって開発されたレンダリング用のソフトの一群。RenderMan for Maya、 RenderMan Artist Tools、RenderMan Pro Server、がある。
ピクサーは1986年、ルーカスフィルム社のコンピュータ・アニメーション部門をスティーブ・ジョブズ(アップル社の前CEO、アップルコンピュータ創業者の一人)らが買収して設立した会社であるが、RenderMan自体の開発はピクサー設立前からコンピュータグラフィック研究者であるエド・キャットムルらによってなされていた。
元々の構想は、CG業界の標準となるレンダリング・インターフェース言語の構築であり、そのシェーダー言語のフォーマットそのものがRenderManと呼ばれていた。その後、ピクサー・イメージ・コンピュータ(PIC)というピクサーが販売していた画像処理専用の高性能コンピュータ(スティーブ・ジョブズによると「顧客はある政府機関」)に搭載されていたレンダリングシステム「Reyes」を、RIB(RenderMan Interface Bytestream)フォーマットへの対応を中心に改良した物が「PhotoRealistic(PR) RenderMan」として商品化され、『アビス』『ターミネーター2』で使用された事で注目を浴びた。2005年にはMayaのプラグインとして機能するRenderMan for Mayaが発売され、GUIによる設定が可能になった。
現在も技術更新が継続されており、フォトリアリスティックな3DCGを制作する上で役立つことから、ピクサーのCGアニメーション作品は勿論の事、『ジュラシック・パーク』、『スター・ウォーズ』、『ロード・オブ・ザ・リング』などのハリウッドによるVFXでは不可欠なレンダリングツールのデファクトスタンダードとなって、随所で頻繁に使用されている。
この結果、映画産業への多大な技術的貢献が評価され、開発者のキャットムルにはアカデミー賞が授与された。
他社製の対抗レンダリングソフトであるV-Ray、final renderなどと同様に、1000ドル程度での価格帯で販売されている。
ピクサーがディズニーに買収されたことによって、現在RenderManはディズニーの資産である。
関連項目
- エド・キャットムル
- ピクサー・アニメーション・スタジオ
- アカデミー賞
- ディズニー
- コンピュータアニメーション
- エントロピー エクスルナ社製の3DCGソフト - レンダーマンの特許侵害で販売差し止め
外部リンク