HANA-BI
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:Infobox Film 『HANA-BI』(はなび)は、1998年公開の日本映画。監督・脚本・編集・挿入画・演出北野武。主演はビートたけし、岸本加世子。
妻や同僚の生と死、そして妻との逃亡を敢行する一人の孤独な刑事の人生模様を描く。
第54回ヴェネツィア国際映画祭にて金獅子賞を受賞しており、日本映画の受賞作品は「無法松の一生」以来40年ぶりである。
あらすじ
不治の病に冒され余命いくばくもない妻(岸本)を見舞っていた西(たけし)は、自分の代わりに張り込んでいた同僚の堀部(大杉漣)が犯人(薬師寺保栄)に撃たれたとの知らせを聞く。堀部は命こそ取り留めたものの、車椅子を使わなければならない体になってしまった。西らはその後犯人を追い詰め、捕らえようとするも抵抗する犯人が発砲、部下の田中(芦川誠)が犠牲になる。西は犯人を射殺し、何発も銃弾を撃ち込む。
刑事を退職した西はヤクザから金を借り、妻に不自由ない生活を送らせようとするが、返済が滞っていく。妻と子供と別れた堀部は絵を描き始める。
エピソード
- 作中に堀部泰助の描いたものとして使われる絵は、実際には北野武自らが描いたものである。点描画法でテンプレート:要出典範囲。
- ラストシーンに無名の少女として北野の実娘が出演した。
キャスト
- 西佳敬:ビートたけし
- 西美幸:岸本加世子
- 堀部泰助:大杉漣
- 中村靖:寺島進
- 東条正次:白竜
- スクラップ屋の親父:渡辺哲
- 凶悪犯:薬師寺保栄
- 田中:芦川誠
- 田中の妻:大家由祐子
- 永井刑事:逸見太郎
- ヤクザの幹部:西沢仁
- 頭を撃たれるヤクザ:森羅万象
- 石を投げるサラリーマン:つまみ枝豆
- 悪ガキ:ショー小菅、ガンビーノ小林
- 凧を揚げる少女:北野井子[1]
- 担当医:矢島健一
- 板前:柳ユーレイ、お宮の松
- 車に当て逃げされたチンピラ:玉袋筋太郎
- チンピラ:鬼界浩巳、森下能幸、佐久間哲
- 取調べを受ける男:津田寛治
- 銀行前にいる男:無法松
- タクシーを売りに来る男:アル北郷
- 田舎の親父:関時男
- 刑事課長:田村元治
- 刑事:納谷真大、小西崇之
- 孫を連れた男:ト字たかお
スタッフ
受賞・ノミネート
- ヴェネツィア国際映画祭・グランプリ(金獅子賞)
- ヨーロッパ映画賞 インターナショナル映画賞
- ニューヨーク映画祭・ヨーロピアン・アカデミー賞「スクリーン・インターナショナル賞」
- サンパウロ国際映画祭・批評家賞
- オーストラリア映画批評家協会賞・外国作品賞
- 第53回毎日映画コンクール・日本映画優秀賞
- 報知映画賞 邦画部門・最優秀作品賞、最優秀監督賞
- 第41回ブルーリボン賞・作品賞、監督賞
- 第49回芸術選奨・文部大臣賞映画部門
- 第22回日本アカデミー賞
- 最優秀賞 - 音楽賞
- 優秀賞 - 作品賞/監督賞/脚本賞/主演男優賞/主演女優賞/助演男優賞/撮影賞/編集賞/照明賞/音響賞
- 第8回東京スポーツ映画大賞・作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞
- (第72回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位、第20回ヨコハマ映画祭日本映画ベストテン第3位)
公開
興行面で松竹系から独立系製作へ移行し、好転することになった。また、長く邦画が禁制であった韓国で初めて公開された。
反響・評価
北野が敬意を表明している黒澤明監督は「黒澤 明が選んだ百本の映画」に選び絶賛している[2]。 また、日本を含め世界各国で数々の賞を受賞した。フランスの映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ』で北野が表紙を飾った特集が組まれた。
脚注
外部リンク
テンプレート:北野武監督作品 テンプレート:金獅子賞 テンプレート:キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベスト・ワン テンプレート:ブルーリボン賞作品賞テンプレート:Asbox