CSK (企業)
テンプレート:Infobox 株式会社CSK(シーエスケイ、テンプレート:Lang-en)は、日本初の独立系システムエンジニアリング企業であった。東証第1部に上場、証券コードは9737番。2011年(平成23年)10月1日に住商情報システムに吸収合併された。
概要
創業者は大川功(おおかわ いさお)。「CSK」とは、創業時の商号であるコンピューターサービス株式会社の英訳表記「Computer Service Kabushiki-Kaisha」の略。本業はコンピュータシステムの開発会社である。
2005年(平成17年)10月にホールディングス体制に移行したこともあり、システム開発・アウトソーシング・金融サービスを軸とした企業体質は安定期に入っていたかに見えた。しかし急激な金融サービス事業、とくに不動産投資事業への資本集中が2008年(平成20年)以降のサブプライムローン破綻、リーマンショックなどの経済環境悪化の影響も受け、グループ全体を窮地に追いやることとなった。
結果的に、グループの不動産証券化事業の不振で111億円にも及ぶ評価損が発生し、その影響から経営を立て直すために、2009年(平成21年)9月30日に、ACA株式会社(旧・アント・コーポレートアドバイザリー)から資本増強を受けるとともに、不動産投資事業のコントロールタワーであったCSKファイナンスなどの金融サービス事業を担う子会社を次々と譲渡・売却、グループから切り離す。同時に、取引銀行4行からの借り入れを、株式化(デット・エクイティ・スワップ)および長期借入債務に借り換えを行うこととなった。
経営陣
前代表取締役社長である福山義人は慶應義塾大学商学部を1972年(昭和47年)に卒業後、同年コンピューターサービス株式会社(現:株式会社CSK)に入社し、大川の鞄持ちとして仕え、主に人事畑での経験を買われて社長となった。しかしながら、2008年(平成20年)以降の経営不振の責任をとって辞任。後任には、システム運用分野で主に活躍してきた中西毅が就任した。
一方、1970年(昭和45年)に一橋大学経済学部を卒業後、野村総合研究所常務取締役を経て1997年にCSKへ入社しホールディングス代表取締役や情報サービス産業協会 (JISA) 副会長も務めた有賀貞一は、2008年6月19日突然代表取締役を辞し、翌6月20日、三枝匡が社長を務めるミスミグループ本社代表取締役副社長に就任した。
沿革
- 1968年(昭和43年)10月7日 - 大阪淀屋橋にコンピューターサービス株式会社設立。
- 1977年(昭和52年)8月 - 本社を大阪から東京都新宿区へ移転。
- 1980年(昭和55年)9月 - 株式を店頭銘柄として日本証券業協会(東京地区)に登録。
- 1982年(昭和57年)6月 - 東京証券取引所第2部に株式上場。
- 1983年(昭和58年)8月 - NASDAQに株式を登録。
- 1984年(昭和59年)4月 - 株式会社セガ・エンタープライゼス(現 株式会社セガ)に資本・経営参加。
- 1985年(昭和60年)3月 - 東京証券取引所第1部に株式上場。
- 1987年(昭和62年)1月 - 商号を株式会社シーエスケイに変更。
- 2001年(平成13年)3月 - 創業者・大川功 逝去(享年74)。
- 2002年(平成14年)5月 - 千葉県印西市に「eサービスデータセンター」を設立。
- 2003年(平成15年)4月 - 本社中枢機能を含む自社ビルを青山・梅窓院近くに建設。
- 2004年(平成16年)1月1日 - 商号の登記上の表記を株式会社CSKに変更。
- 2004年(平成16年)4月1日 - CSKネットワークシステムズ株式会社を合併。
- 2004年(平成16年)4月 - コスモ証券株式会社を連結子会社化。
- 2005年(平成17年)9月 - NASDAQ市場上場廃止。
- 2005年(平成17年)10月1日 - 純粋持株会社となり、CSKホールディングスに社名変更。システムエンジニアリング事業を株式会社CSKシステムズに分割。
- 2006年(平成18年)5月 - 大阪大学と「教育情報」の相互交換・共有について協力関係構築を締結。
- 2006年(平成18年)10月 - 三井住友海上火災保険株式会社「関西データセンター」(兵庫県三田市)を買収。
- 2007年(平成19年)1月17日 - 地方金融機関による証券事業参入・開始をシステム等からサポートすることを目的としてCSK-RB証券株式会社を設立。
- 2007年(平成19年)5月 - ISAO(イサオ)株式会社を完全子会社化。
- 2007年(平成19年)6月15日 - CSKグリーンサービス、東京グリーンシステムズ、CSK-ISが中心となった研究開発・障害者雇用を二本柱とした複合研究施設「CSK多摩センター」が多摩市山王に竣工。胡蝶蘭の栽培や独立・公正をうたったシンクタンクの研究棟などを有し、CSKの本体事業以外の「社会貢献」を体現した施設となっている。
- 2007年(平成19年)7月1日 - CSKシステムズ、CSKネットワークシステムズ、CSKフィールドサービスそれぞれを、より機能集中、各事業分野のコンパクト化による意思決定スピードの短縮化などを狙いとして、CSKシステムズ、CSK-ITマネジメント、CSKシステムズ西日本、CSKシステムズ中部、CSKアドミニストレーションサービス(既存三社のスタッフ機能を受け持つ)それぞれに会社分割・合併した。
- 2009年(平成21年)9月 - グループ内再編成について、産業再生法の適用を認定。
- 2010年(平成22年)3月 - CSKシステムズにCSKシステムズ西日本、CSKシステムズ中部を統合合併、地域密着とした当初の事業形態を見直すこととなった。
- 2010年(平成22年)4月 - 完全子会社であるコスモ証券の全株を岩井証券に売却する。ISAOの事業を豊田通商子会社に事業譲渡。
- 2010年(平成22年)10月 - 純粋持株会社制を解消。CSK-ITマネジメント、CSKシステムズを吸収合併し、株式会社CSKに商号変更。
- 2011年(平成23年)2月24日 - 住友商事が株式公開買い付けでCSKを子会社化することを発表。住商情報システム(SCS)が吸収合併して新会社『SCSK』を設立。9月28日付けで上場廃止。住商情報システムが存続会社である。
その他
- 本社ビル(CSK青山ビル)は、社団法人ニューオフィス推進協議会主催による「2004年度 第17回日経ニューオフィス賞」を受賞している。
- かつてはゲーム会社である株式会社セガもグループ傘下であった(1983年(昭和58年)にグループに加入)が、2003年(平成15年)12月にサミー株式会社へ売却した。
- 2012年(平成24年)には本社ビルを横浜みなとみらい中央地区43街区(現在は空き地)に移転するとしていた。しかし、世界的な金融不安の影響を受け、2009年(平成21年)2月13日に建設計画の中止を発表した。
主な関係会社
連結子会社
- 株式会社JIEC(東証2部上場)
- 株式会社CSIソリューションズ
- 株式会社CSK Winテクノロジ
- 株式会社福岡CSK
- 株式会社北海道CSK
- スーパーソフトウェア株式会社
- 株式会社CSKニアショアシステムズ
- 株式会社CSKシステムマネジメント
- 株式会社CSKサービスウェア
- 株式会社CSK証券サービス
- 株式会社ベリサーブ(東証1部上場)
- ビジネスエクステンション株式会社
- 株式会社CSKプレッシェンド
- 株式会社CSKアドミニストレーションサービス
- 株式会社クオカード
- 株式会社CSKベンチャーキャピタル
- プラザ アセット マネジメント株式会社
- プラザ キャピタル マネジメント株式会社
- CSKファイナンス株式会社
- 東京グリーンシステムズ株式会社
- 株式会社CSKグリーンサービス
- 株式会社CSKアグリコール
過去のグループ会社
- 株式会社ベルシステム24 - 旧日興プリンシパル(現シティキャピタル)によるMBOを経て、米ベインキャピタル系バイアウトファンドによりセカンドMBO。
- 株式会社セガ - サミー(旧社)が買収、のちに経営統合してセガサミーホールディングスとなる。
- 株式会社アスキー(のちの株式会社メディアリーヴス、アスキー・メディアワークス)- 現在は買収元の角川グループホールディングス(旧・株式会社角川ホールディングス)傘下のメディアワークスおよび、自身の子会社のエンターブレインに吸収合併されている。
- 株式会社シーエスケイ・エレクトロニクス(通称社名・CSKエレクトロニクス、現・株式会社MAGねっとホールディングス)- かつての亜土電子工業(ADO)。
- ネクストコム株式会社(東証2部上場、現・三井情報株式会社) - 三井物産との合弁。大元の設立母体であった旧CSKの経営危機後は三井物産が引き継ぎ子会社化、三井グループのSI中堅で社名・英名略称の由来でもある旧三井情報開発(MKI)を吸収合併(共に上場子会社でもあった)し現社名となる。
- 株式会社スパイク(ゲーム会社)
- コスモ証券株式会社(新・岩井コスモ証券株式会社)- 元大和銀行(現りそなホールディングス)子会社でかつての同根。岩井証券(旧社)によりセカンドバイアウト実施、のちに共同持株会社・岩井コスモホールディングスを設立し、岩井(新社)・コスモ両社がぶら下がる形となった。2012年(平成24年)の5月下旬に後者に該当する同社を存続会社として合併して新体制となる[1]。
- 株式会社ISAO - 豊田通商子会社に事業譲渡。
- 株式会社CSKネットワークシステムズ