CAV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
CAV(シーエーブイ)は、ディスクメディアの制御方式のひとつで、Constant Angular Velocity(= 角速度一定)の頭文字を取ったもの。
ディスクの回転速度が常に一定であるため、内周部分に比べ外周部分の記録密度が低くなってくる。そのため、ディスク全体では線記録密度が一定であるCLVと比較すると容量が小さくなるというデメリットがあるが、ランダムアクセス性能やデータの読み書き速度では優れる傾向にある。
ディスクの回転速度を細かく制御する必要がないため、ディスクメディアの初期から使用されてきた。コンピュータ用の外部記憶装置など、高速なデータ読み書きが必要な用途に向いている。
CAV記録メディアの例
- (標準的な) フロッピーディスク
- ハードディスク
- 光磁気ディスク(128MBまで)
- レーザーディスクの標準記録モード
- VHD
- ニンテンドーゲームキューブ専用8cm光ディスク
- Wii専用12cm光ディスク
- レコード(原始的な方式による)
ZCAV
これを発展させて、トラックを特定の半径毎にゾーンに分け、外周に行くほど、段階的にセクタと読み書き回数を増やすことで、ディスク全体の記録密度をほぼ一定[1]に保ち、記憶容量を増やすことができる。
この方式をZoned CAVまたはZoned Bit Recording (ZBR) という。
1990年代以降のハードディスクドライブは、トラックを半径毎のゾーンに分けてゾーン内での角記録密度を一定としている点ではZCAV方式と同じであるが、ZCAVとはディスクの回転数制御の方式であり、ハードディスクドライブは回転数については一定としているためZCAV方式とは呼ばない。
ZCAV 記録メディアの例
PCAV
内周をCAV、外周をCLVとして制御する方式があり、Partial CAVという。
DVD-RAMでのドライブの制御方式は低速度メディアではZCLV、高速メディアではPCAVで制御している。
脚注
- ↑ 正確には、1つのゾーン内の最内周と最外周とで密度に差が出る