BTS (放送技術規格)
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BTS(ビーティーエス、Broadcasters Technical Standard)は、日本放送協会(NHK)が制定した放送技術規格である。
概要
日本の放送は戦後、GHQの指導によりフル・エア、すなわち決められた放送時間中、一瞬たりとも送信停止することの許されないものとなり、いえゆる放送の品質は、従来とは異なり格段にハイレベルのものが要求されるようになった。それまでの日本の放送、すなわち「私設局」であるNHKの放送は「私的通信」のカテゴリーに分類されており、機器に不具合が生じれば送信停止、保守修繕後、再開でよかったのであるが、現行電波法の制定で新たに「放送」のカテゴリーが作られ、フル・エアが義務付けられたことから、特に放送機器への信頼性要求は非常なまでに高いものとなった。
これを受け、NHKはNHKに納入される機材に対し明確な基準を設けることで、放送電波の質的水準を維持・向上させることを目的に本規格を定めた。しかし、近年の技術革新の速さに対して内容が次第に陳腐化・形骸化し、規格の存在自体が無意味なものとなったため、2001年7月に廃止された。
現在では、キャビネットラックやマイクホルダーなど、ごく一部の音響製品にBTS準拠の表示が見られるのみとなっている。
主なBTS準拠の機器
マイクロフォン
- ソニー:C-37, C-38
スピーカー
ヘッドホン
- 藤木電器(現・エレガアコス):DR-631C
音声コネクター
- 多治見無線電機:21P3B