BASF
BASF(ビーエーエスエフ、テンプレート:Lse)は、世界最大の独・総合化学メーカーである。
本社は、ドイツ南西部のルートヴィッヒスハーフェンにある。第二次世界大戦前はバイエル、ヘキスト(現サノフィ・アベンティス)と共にIG・ファルベンを構成した事業体の一つであり、分割後もドイツ三大化学メーカーの一角を占めていた。
主力製品は、化学品、プラスチック製品、高機能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたっている。かつては医薬品部門(Knoll AG)も傘下に収めていたが、米国アボット・ラボラトリーズに売却し、現在は扱っていない。
フランクフルト証券取引所、ロンドン証券取引所、スイス証券取引所に株式を上場しており、ニューヨーク証券取引所、東京証券取引所にもかつて上場していた。
2011年度の売上高は735億ユーロ(約8.2兆円)で、85億ユーロ(約9,400億円)を超える特別項目控除前EBITを計上。2011年度版のForbes Global 2000では世界74位で、化学業界では世界第1位にランクされた。また、2011年度版のフォーチュン・グローバル500では世界第71位(売上:845.97億ドル)で、ここでも化学業界第1位にランクされている。フォーチュン誌2011年度版「世界で最も称賛される企業」の化学業界部門でもトップにランク。従業員数11万1千人を超える、世界有数の巨大企業グループである。
「BASF」とは創業時の社名「Badische Anilin- und Soda-Fabrik 英語表記:Baden Aniline and Soda Manufacturing)」の頭文字を取った略称であったが、1973年以降はこの略称を正式な社名としている。日本では一般に「バスフ」と読まれることも多いが、正式な読みは「ビーエーエスエフ」である。ただし、中国においては「巴斯夫(バスフ)」を現地での社名としている。
2008年1月14日、BASFはドイツの株式会社法に基づく株式会社(Aktiengesellschaft, AG)から欧州会社(Societas Europaea, SE)に生まれ変わり、社名をBASF Aktiengesellschaft(BASF AG)からBASF SEに変更した。
日本国内においては日本法人BASFジャパンの他、出光興産、イノアックコーポレーションや住友金属鉱山との合弁会社も設立している。また、かつては三菱化学、三井化学、武田薬品工業や日油との合弁事業も行っていた。
日本では、1970年代からカセットテープを発売していたが、既に撤退した(大創産業のカセットテープ「Zebra」で同社製の磁気テープが採用されていた。「Zebra」は後に、韓国製にマイナーチェンジされる)。なお、磁気テープの初期開発段階において、ベースとなるアセテート樹脂の開発を主導したことから「磁気テープはBASF社が開発した」と言われることがある(テープレコーダ#歴史を参照)。カセットテープは同じドイツの同業者であるアグフア・ゲバルト(Agfa-Gevaert)にOEM供給された。 また、音楽レコードの制作を行っていた時期もある(現在は撤退)。
沿革
- 1865年 フリードリッヒ・エンゲルホルンによって、ドイツのマンハイムに旧バーディシェ・アニリン・ウント・ゾーダ・ファブリク(BASF)として創立される。
- 1925年 バイエルやヘキストなどの化学工業会社とともに合同し、IG・ファルベン(IG Farben)が成立する。
- 1952年 IG・ファルベンが解体され、新バーディシェ・アニリン・ウント・ゾーダ・ファブリク(BASF)として再発足する。