アーチ・エネミー

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アーチ・エネミー(ARCH ENEMY)は、スウェーデンメロディックデスメタルバンドである。

マイケル・アモットと、彼の弟であるクリストファー・アモットを中心に結成される。デスメタルに非常に高い叙情性を有するメロディを導入した音楽を特徴とし、またデスメタルシーンにおいては珍しい女性ボーカルのバンド。

初期の編成は流動的であったが、2001年以降は安定したラインナップを保っていた。しかし、2005年に弟のクリストファーが突如脱退し、ツアーには代役として急遽ガス・Gが一時的に加入。その後にパーマネント・メンバーとしてフレドリック・オーケソンが正式加入するも、2007年にクリストファーが復帰。フレドリック・オーケソンはバンドを追い出される形となった。2012年に再びクリストファーの脱退が発表され、アーシスニック・コードルが加入した[1]

バンド名の読み方に関してはアーチ・エネミーが本来の英単語の発音に近く、バンドメンバーも本来の英単語のように発音しているが、日本でのレーベルであったトイズファクトリーは日本での読みを当初アーク・エネミーと表記した為、日本ではアーチ・エネミーとアーク・エネミーの二種類の呼び方が存在している。8thアルバム『Khaos Legions』から、アーチ・エネミーが日本盤でも用いられるようになった為[2]、この項でも、アーチ・エネミーと呼ぶ。

酒井康は「アーク」を誤りとして批判したこともあり、ラジオ等では一貫して「アーチ・エネミー」と呼んでいる。「archenemy」はサタンの意味で、本来は一語である。

音楽的特徴

  • ダニエル・アーランドソンの激しいドラムに、デスメタル特有のデスヴォイスや強靭なギターリフ、さらに叙情的なリードギターを組み合わせた独特のスタイルを持つ。これはリーダーのマイケル・アモットが参加した最初のバンドである「カーネイジ」(このバンドにはディスメンバーの中核となるマッティ・カルキらも在籍していた)の北欧的な叙情的要素と、敬愛するギタリストであるマイケル・シェンカーやレスリー・ウェスト、フランク・マリノなどからの影響である。
  • マイケルは情緒的で直感的なメロディアスなギターラインを、弟のクリストファーイングヴェイ・マルムスティーンスタイルの速弾きを得意としており、楽曲における彼等の役割分担はある程度決まっている。リフやリードのハーモニーを弾く場合、マイケルが低いパートを、クリストファーが高いパートを演奏することが多い。同じフレーズが繰り返されながら片方が変化していく展開の場合はクリストファーが変化していくパートを弾く。また、クリーンギターやアコースティックギターは全てクリストファーが弾いている。ただし、ギターのチャンネルの振り分けは決まっておらず、アルバム毎に異なっている。
  • テンポ・チェンジをする曲が非常に多く、楽曲に陰と陽の抑揚を付けている。これはダニエルを中心に、メンバーの演奏能力の高さを証明するものでもある。一方、この手のバンドとしては珍しくブラストビートを駆使した楽曲が比較的少ないのも特徴であり、特に1st・3rd・4th・7thアルバムにはブラストビートを採用した楽曲が一切収録されていない。
  • 1st~3rdアルバムではギターは2音半下げのチューニングがなされていたが、3rdアルバムに伴うツアー中に2音下げに変更している。これは音程が低すぎて音の輪郭がはっきりしないことやチューニングの不安定さが理由である。4thアルバム以降は2音下げで、ライヴでは初期の曲も全て2音下げのチューニングで演奏されている。
  • ヴォーカルのスタイルについては、1st~3rdアルバムで活動したヨハン・リーヴァはハードコア・パンクからの影響を窺わせる、感情を撒き散らしながら暴走するタイプで、その後加入したアンジェラ・ゴソウデスメタル由来の無慈悲な強烈さと正確無比なリズム感を持つタイプである。世界的にバンドの人気が拡大したのはアンジェラ加入以降で、それ以前については日本は例外として世界的にはほとんど知られていない。
  • 5thアルバム以降は従来の音楽性を基調にしつつ、アメリカのメタルシーンで主流となっている跳ねるようなリズムを多用していたが、7thでは原点に回帰。

略歴

  • 1998年、2ndアルバム『STIGMATA(スティグマータ)』を発表。前作で打ち出した暴虐性をそのままに、沈み込むようなヘヴィなグルーヴが支配する作風となる。このアルバムをレコーディングする際にドラムスのダニエル・アーランドソンが一時バンドから離脱しており、彼の代役としてピーター・ウィルドアー(後にダーケインを結成する)が参加した。本作より、センチュリー・メディア・レコードの所属となった。作品はミドル・テンポの曲を中心に構成されていたが、日本のレコード会社とのライセンス契約の際に、レコード会社側から「これでは納得できない、もう2曲レコーディングしなきゃダメだ。速い曲を」と言われ、急遽、2曲追加することになった。またこのアルバムについてマイケル自身は、彼が当時のベーシストであったマーティン・ベンソンとバーで喧嘩して店を破壊し、損害賠償金を支払うことになってしまったり、ダニエル復帰後のアルバム完成直後の来日公演でライヴパフォーマンスが酷かったりということで、思い入れは浅いらしい。
  • 1999年、ベースのマーティンの後任にマーシフル・フェイトなどで活動していたシャーリー・ダンジェロが加入。そして3rdアルバム『BURNING BRIDGES(バーニング・ブリッジズ)』を発表。デビュー時から築き上げてきた暴虐性と叙情性の融合はこのアルバムで完成することとなる。
  • 2000年、マイケルがカーネイジ時代からの盟友であったヴォーカルのヨハン・リーヴァを、ライヴでのパフォーマンスの悪さを理由に解雇する。マイケルにとってヨハンは盟友という事もあり、彼の解雇については苦渋の決断であったそうだが、現在でも彼らは友好的な関係を保っている。バンド脱退後、ヨハンはノンイグジストなどのプロジェクトを経てハースというバンドを結成し、今に至る。
  • 2001年、ヨハンの解雇後、バンドは後任ヴォーカリストを迎えないままレコーディングを進める中、後任として元アット・ザ・ゲイツで活動していたトーマス・リンドバーグや元カーカスジェフ・ウォーカーが加入するという噂もあったが、4thアルバム完成間近となった頃にドイツ人女性ヴォーカリストアンジェラ・ゴソウがメンバーとして加入した。
  • 同年、4thアルバム『WAGES OF SIN(ウェイジス・オブ・シン)』を発表。疾走感を抑えたモダンな作風で、よりパワフルでメカニカルなヘヴィメタルを展開。またデスメタルシーンでは珍しい女性ヴォーカルの加入ということも話題になった。
  • 2002年より、マイケル・アモットが立ち上げたサーベジ・メシア・ミュージック (Savage Messiah Music)の所属となる。ただし、流通などに関してはこれまでの所属レーベルであるセンチュリー・メディア・レコードが担っている。
  • 2003年、5thアルバム『ANTHEMS OF REBELLION(アンセムズ・オブ・リベリオン)』を発表。前作で得た攻撃性をより前面に押し出した。一方で曲構成がシンプルになり、クリストファーのクリーン・ヴォーカルを導入した。楽曲をシンプルにしすぎたことをマイケル本人も認め、以降のアルバムでは複雑性を取り戻している。
  • 2004年、この年のツアー終了後、年末から6thアルバムに向けてのアルバム制作を開始する。
  • 2005年6月、6thアルバムを数ヶ月かけて制作し、完成もほぼ間近となったとき、デビューからのメンバーでマイケルの弟であるクリストファー・アモットが、暫く学業に専念することを理由に脱退を表明。他のメンバーも引きとめようと努力したものの彼の意志は固く、脱退することになった。
  • 同年7月、6thアルバム『DOOMSDAY MACHINE(ドゥームズデイ・マシーン)』を発表。やはりモダンな作風ながら、初期に見られた叙情性のあるツインギターを再び前面に押し出した。また、後にツアーでクリストファーの代役を務めることになるガス・Gもこのアルバムにゲスト参加している。
  • クリストファー脱退後、オズフェストへの参加が決定し、急遽後任としてナイトレイジファイアーウィンドなどでの活躍で知られるギリシャ人ギタリスト、ガス・Gを迎えた。尚、バンド側はガス・Gに正式加入を打診するも、自身のバンドであるファイアーウインドに専念するため、夏のアメリカ・ツアー終了をもってバンドを離れた(後にガス・Gは、他に掛け持ちしていたバンドも全て脱退している)。
  • 同年9月、元タリスマンフレドリック・オーケソンクリストファーの後任のパーマネント・メンバーとして加入することをバンドは発表。彼は同年10月下旬に行われた来日公演にも同伴し、成功を収めた。
  • 2006年、07年と連続で日本のヘヴィメタルフェスティバル「LOUD PARK」に出演。
  • 同年、7thアルバム『RISE OF THE TYRANT(ライズ・オブ・ザ・タイラント)』をリリース。復帰したクリストファーの代わりに、フレドリック・オーケソンはバンドを追い出される形となった。
  • 2009年9月、セルフカバー・アルバム『THE ROOT OF ALL EVIL(ザ・ルート・オブ・オール・イーヴィル)』をリリース。ボーカルがヨハンの頃の初期3枚のアルバムから13曲が、アンジェラをボーカルとして再録された。
  • 同年10月、LOUD PARK 09に出演。
  • 2011年5月、8thアルバム『KHAOS LEGIONS(ケイオス・リージョンズ)』をリリース。
  • 同年10月、LOUD PARK 11に出演。

メンバー

現在のメンバー

元メンバー

サポート・メンバー

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ディスコグラフィー

フルアルバム

Rise of the Tyrantのサンプリングはカリギュラからのもの。

コンピレーション・アルバム

  • 2009年9月30日 THE ROOT OF ALL EVIL(ザ・ルート・オブ・オール・イーヴィル)

シングル・ミニアルバム

  • 2002年3月6日 BURNING ANGEL (バーニング・エンジェル)
  • 2004年11月15日 DEAD EYES SEE NO FUTURE (デッド・アイズ・シー・ノー・フューチャー)
メガデスの「Symphony of Destluction」、マノウォーの「Kill with Power」、カーカスの「Incarnate Solvent Abuse」のカヴァー収録。

ライブ・アルバム

  • 2000年8月23日 BURNING JAPAN LIVE 1999 (バーニング・ジャパン・ライブ 1999)
1999年の来日公演を記録したものである。ヴォーカルはヨハン。
  • 2008年11月21日 Tyrants of the Rising Sun (タイランツ・オブ・ザ・ライジング・サン)
2008年3月に新木場スタジオ・コーストで行われた来日公演を収録したもの。

DVD

  • 2006年7月26日 LIVE APOCALYPSE (ライブ・アポカリプス)
  • 2008年11月21日 Tyrants of the Rising Sun (タイランツ・オブ・ザ・ライジング・サン)

脚注

関連項目

  • GuitarFreaks&drummania - GuitarFreaks&drummania V4 Rock×Rockで「Nemesis」(DOOMSDAY MACHINEに収録)を提供。

外部リンク

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