90式空対空誘導弾
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テンプレート:ミサイル 90式空対空誘導弾(きゅうまるしきくうたいくうゆうどうだん)は、日本が開発した短距離空対空ミサイル。開発名称はAAM-3。開発・量産主契約会社は三菱重工業。
AIM-9Lサイドワインダーの後継として開発され[1]、航空自衛隊で制式採用されている。1974年頃から研究は開始されていたが、1986年から本格開発がなされ、1990年(平成2)に制式承認[1]。
特徴
誘導方式はパッシブ二波長光波(赤外線・紫外線)ホーミング、信管はアクティブ・レーザー近接信管。前部に切り欠きのあるカナードが装備され、末端に安定翼がある。NECが開発したシーカーが用いられており、ノイズ除去回路と組み合わされることで、光波妨害技術(IRCCM)に対する抗堪性が非常に高いと言われている[2]。加えて、シーカーの首振り角度がサイドワインダーより大きく、オフボアサイト能力も高い[1][3]。バンク・トゥ・ターン技術を導入したダイレクトドライブ式電動アクチュエーターを用いたカナードにより高機動を発揮する。近接信管はシーカーと同様NEC製でレーザーを用いた光学式である。
AAM-2ではコストが最大の課題で採用されなかったことから、AAM-3では開発経費を削減する努力が行われた。しかし、価格は高くサイドワインダーの倍近い価格となっている。現在の生産は後継ミサイルである04式空対空誘導弾にシフトされている。
運用機
関連項目
脚注
参考文献
- 自衛隊装備年鑑 2006-2007 朝雲新聞社 ISBN 4-7509-1027-9
- 軍用機ウエポン・ハンドブック 航空機搭載型ミサイル・爆弾450種解説(青木謙知 イカロス出版)ISBN 4-87149-749-6