鶏刺し
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鶏刺し(とりさし)とは、鶏肉の刺身の呼称である。レバーの部位を用いたものについては「レバ刺し」とも呼ぶ。
鹿児島や宮崎、一部の大分では郷土料理とされている事から地鶏が用いられるが「鶏肉の生食」の一つである。鹿児島県や大分県などでは、スーパーマーケットで「鶏刺し」が販売されている。
生の鶏肉スライスをニンニクやショウガ、柚子胡椒などを入れた醤油やごま油などで食するが、表面を炙ったりするなど、地域や店舗によって異なる。
これらによって食中毒の事件が発生しており、その危険性が指摘されている[1]。畜産生物科学安全研究所では「鶏肉は新鮮でも菌が付着していることがある。基本的に生食は避けるべきだ」と指摘[1]しているものの厚生労働省は規制をしておらず、鶏刺しによる食中毒事件が毎年500件発生している[1]。これらの状況から厚労省審議会が規制検討をしており[2][3]、この状況について食文化ジャーナリスト赤池学は「一部の営利主義のあしき業者」が原因とも指摘している[3]。鶏の消化器官はカンピロバクターなどの菌が生息するが、食肉加工作業において鶏肉に付着してしまう菌や、豚や牛より臓器が小さいことから除去が難しく、新鮮な鶏肉においてもカンピロバクターが検出されることがある。獣肉生食事件が多い事などから「鶏肉は充分な加熱処理を施す調理が必要」との警告が出されている[4][5][6][7]。また、生食用の鶏肉は流通しておらず、流通しているのはすべて加熱用である。[8]
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 MSN 「鶏肉の生食は衛生基準なし 食中毒が毎年500件 厚労省「自己責任で」」2011.5.16 20:57
- ↑ NHKクローズアップ現代 2012年6月6日放送「『牛レバ刺し全面禁止』の波紋」
- ↑ 3.0 3.1 JCASTテレビウォッチ」
- ↑ ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒 - 政府広報オンライン
- ↑ ちょっと待って!お肉の生食 - 東京都福祉保健局
- ↑ 牛の生レバーや生の鶏肉は安全ですか? - カンピロバクター食中毒予防について(Q&A),厚生労働省
- ↑ 食肉の生食による食中毒防止のための効果的な普及啓発の検討 - 東京都福祉保健局
- ↑ 肉の生食は危険です - 中野区公式ホームページ 2012年7月12日
関連項目