高度合成数
高度合成数 | 約数の個数 |
---|---|
1 | 1 |
2 | 2 |
4 | 3 |
6 | 4 |
12 | 6 |
24 | 8 |
36 | 9 |
48 | 10 |
60 | 12 |
120 | 16 |
180 | 18 |
240 | 20 |
360 | 24 |
720 | 30 |
840 | 32 |
1260 | 36 |
1680 | 40 |
2520 | 48 |
5040 | 60 |
7560 | 64 |
10080 | 72 |
15120 | 80 |
20160 | 84 |
25200 | 90 |
高度合成数(こうどごうせいすう、英: highly composite number)とは、自然数で、それ未満のどの自然数よりも約数の個数が多いものをいう。
例えば 24 は約数を 1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24 と 8 個持ち、24 未満で約数を 8 個以上持つ自然数は存在しないので、高度合成数である。なお 1 と 2 は合成数ではないが、高度合成数に含める。
約数の個数は素因数分解で求まる。例えば 10080 = 25 × 32 × 5 × 7 であるから、約数の個数は (5+1) × (2+1) × (1+1) × (1+1) = 72 個である。
高度合成数のうちいくつかはその約数について特徴的な性質を持つ。例をあげると
- 1 から 6 の全ての整数で割り切れる最小の数: 60
- 1 から 10 のうち、全ての偶数で割り切れる最小の数: 120
- 1 から 10 のうち、7 を除いた全ての整数で割り切れる最小の数: 360
- 1 から 10 のうち、8 を除いた全ての整数で割り切れる最小の数: 1260
- 1 から 10 のうち、9 を除いた全ての整数で割り切れる最小の数: 840
- 1 から 10 の全ての整数で割り切れる最小の数: 2520
概要
高度合成数の概念は、インドの数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンにより考案された。
明らかに高度合成数は無限に存在する。というのも、正整数の正の約数の個数はいくらでも大きくなりうるので。
高度合成数は
- <math>2^{a_2}3^{a_3}5^{a_5}\cdots p^{a_p}</math>
という形で素因数分解され、
- <math>a_2\geq a_3\geq\cdots\geq a_p</math>
を満たす。また素因数には 2 から p までの全ての素数を含む。なお 4 と 36 以外の高度合成数では ap = 1 である。したがって高度合成数のうち平方数は 4 と 36 のみであり、他の累乗数は高度合成数にはなりえない。
大雑把に言って、ある数が高度合成数になるには、できるだけ小さな素因数を持ち、しかも同じものを多く持ち過ぎない点を必要とする。例えば 18 = 2×3×3 は、12 = 2×2×3 が同じ数の約数を持ち、しかもより小さいために高度合成数ではない。しかし、同じ素因数を多く持つと約数の数は比較的少なくなる。例えば、8 = 2×2×2 は 6 = 2×3 より大きく、同じ数の約数しか持たないので高度合成数にはならない。
高度合成数は、伝統的な度量衡の体系にしばしば現れ(例:時間や角度の 60、ダースの 12 など)、また工学的な設計によく使われる。これは除算を含む計算が簡単に行える利点による。
Q(x) で x 以下の高度合成数の個数を表すと、1 より大きな定数 a, b が存在して
- (loge x)a ≤ Q(x) ≤ (loge x)b
が成り立つ。