髑髏城の七人
『髑髏城の七人』(どくろじょうのしちにん)は、『阿修羅城の瞳』とならぶ劇団☆新感線の「いのうえ歌舞伎」と呼ばれる演目シリーズの1つ。英題は“SEVEN SOULS IN THE SKULL CASTLE”。中島かずき作。
初演は1990年11月16日の池袋西口公園テントを皮切りに、近鉄劇場、シアターアプルで全14ステージ上演された。
初演から7年後の1997年に再演された際に市川染五郎が観劇し「これぞ現代の歌舞伎だ」と評した。これが、後のInouekabuki Shochiku-mix実現の契機となる。
さらにそれから7年後の2004年を「ドクロイヤー」と称し、春に古田新太を主役に据えた、ストレートプレイを強調した『髑髏城の七人〜アカドクロ』を、秋に市川染五郎を主役に据え、歌や踊りのエンターテインメント性を強調したInouekabuki Shochiku-mix『髑髏城の七人〜アオドクロ』をそれぞれ上演。同じ年にキャストを変え、演出のアプローチを変えて2バージョン上演するという趣向で話題となる。
「ドクロイヤー」の7年後の2011年秋には<いのうえ歌舞伎>最高傑作『髑髏城の七人 』を全く新しい新世代の『髑髏城の七人・零』として大胆にリニューアルすることが明らかになった。
また、舞台映像を映画館でデジタル上映するゲキ×シネという企画で、2004年秋にアカドクロ版、2005年春にアオドクロ版を上映。丸の内TOEIを皮切りに、全国主要都市の映画館で上映された。2013年には2011年版を新宿バルト9他、ゲキ×シネ史上最多となる全国63劇場で上映された。
あらすじ
天正18年、本能寺の変で織田信長が明智光秀に討ち取られてより8年が経過した時代。
天下統一を目前とした豊臣秀吉の支配がいまだ届いていない関東は、「天魔王」と呼ばれる仮面の男が率いる「関東髑髏党」に支配されていた。
なりゆき上、関東髑髏党に追われていた少女《ぺてんの》沙霧(さぎり)を助けた《玉ころがしの》捨之介(すてのすけ)は、偶然知り合った《牢人》狸穴二郎衛門(まみあなじろうえもん)とともに、旧知の無界屋蘭兵衛(むかいやらんべえ)を頼って色街「無界の里」へと向かう。
しかし、無界の里で沙霧を匿ってもらおうと思っていた矢先、里は髑髏党の襲撃を受けてしまう。天魔王と戦うことを決意する捨之介たち。
果たして捨之介や蘭兵衛と天魔王との因縁とは──?
上演履歴
1990年初演版
いのうえ歌舞伎 巻之四『髑髏城の七人』
出演
- 玉ころがしの捨之介/天魔王:古田新太
- 沙霧:高田聖子
- あかね/極楽太夫:羽野アキ
- 抜かずの兵庫:橋本じゅん
- 抜きの大吉:橋本さとし
- 裏切り渡京:粟根まこと
- 贋鉄斎:逆木圭一郎
- 無界屋蘭兵衛:鳳ルミ
- 狸穴二郎衛門:竹田団吾
- 服部半蔵/遠山景政:枯暮修
- 獣田素振之介:猪上秀徳
- 半吉:河野まさと
- 謎の南蛮人:右近健一
- 邪眼:インディー高橋
- 不動:フランキー仲村
- 無明:村上よし子
- 無音:下村トモコ
- 疾風:サコ
- その他:乾肇・石田アキラ・礒野慎吾
- お香:陣内かおり
- お知:出来とも子
- お結:仲町ゆう子
- お美穂:筒井みほ
- お由香:庄野ゆかり
- お佳奈:山本カナコ
- お桂:神谷桂子
- お昌:前田まさよ
1997年再演版
1997年劇団☆新感線秋公演 いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人』
- 1997年9月25日-9月28日:中座
- 1997年9月30日-10月1日:愛知厚生年金会館
- 1997年10月8日-10月21日:サンシャイン劇場
- 1997年11月2日:大野城まどかぴあ
- 作:中島かずき
- 演出:いのうえひでのり
出演
- 玉ころがしの捨之介/天魔王:古田新太
- ぺてんの沙霧:芳本美代子
- 極楽太夫:高田聖子
- 抜かずの兵庫:橋本じゅん
- 無界屋蘭兵衛:粟根まこと
- 贋鉄斎:逆木圭一郎
- 裏切り三五:河野まさと
- 居合の陰兵衛:インディ高橋
- 威張りの不乱坊:フランキー仲村
- 目張りの目多吉:吉田メタル
- 鬼楽因果丸:右近健一
- 斬馬:田尻茂一
- 胡蝶丸:前田悟
- 龍舌丸:大林勝
- 無明:村上よし子
- 無音:山本カナコ
- 餓毘羅:タイソン大屋
- 苦毘羅:はだ一朗
- 鉄機兵たち:船橋裕司・武田浩二・山口貴史・林裕隆
- およし:村上よし子
- おかな:山本カナコ
- おけい:杉本恵美
- おとし:江本敏子
- ほうじ:保地有紀子
- おさと:中谷さとみ
- おまさ:平川雅子
- なるみ:中村成美
- ひろし:真藤洋
- 磯平:礒野慎吾
- 服部半蔵/仮面の天魔王:川原正嗣
- 狸穴二郎衛門:こぐれ修
アカドクロ版
いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人〜アカドクロ』
- 2004年4月17日-4月18日:滋賀県立芸術会館びわ湖ホール 大ホール
- 2004年4月29日-5月8日:新国立劇場 中劇場
- 2004年5月18日-5月24日:大阪厚生年金会館 大ホール
- 2004年5月31日-6月6日:東京厚生年金会館 大ホール
- 作:中島かずき
- 演出:いのうえひでのり
出演
- 玉ころがしの捨之介/天魔王:古田新太
- 無界屋蘭兵衛:水野美紀
- 沙霧:佐藤仁美
- 極楽太夫:坂井真紀
- 抜かずの兵庫:橋本じゅん
- 裏切り三五:河野まさと
- あやまり陰兵衛:インディ高橋
- 逃げ腰目多吉:吉田メタル
- 殴られ健八:保井健
- 従順一朗太:中野順一朗
- 尻馬鹿之進:鹿野哲郎
- 犬神泥帥:右近健一
- 胡蝶丸:山本カナコ
- 龍舌丸:前田悟
- 巍岩:横山一敏
- 鉄機兵たち:佐治康志・武田浩二・長谷川聖・大林勝・竹内康博・加藤学・矢部敬三・三住敦洋
- おすぎ:杉本恵美
- おさと:中谷さとみ
- おえま:保坂エマ
- おえり:秋山エリサ
- おゆき:中坪由起子
- おのぞ:川田希
- おさほ:成田さほ子
- おかお:野口かおる
- 磯平:礒野慎吾
- 服部半蔵:川原正嗣
- 狸穴二郎衛門:佐藤正宏
- 斬光の邪鬼丸:山本亨
- 贋鉄斎:梶原善
アオドクロ版
Inouekabuki Shochiku-mix『髑髏城の七人〜アオドクロ』
出演
- 玉ころがしの捨之介/天魔王:市川染五郎
- 沙霧:鈴木杏
- 無界屋蘭兵衛:池内博之
- 極楽太夫:高田聖子
- カンテツ:三宅弘城
- 裏切り渡京:粟根まこと
- うなずき才蔵:川原和久
- とどかず大騒:タイソン大屋
- いじられ張太:中野英樹
- さかなで崇助:山中崇
- なげやり栄吉:安田栄徳
- うっかり杉一:杉山圭一
- 鋼の鬼龍丸:高杉亘
- 乱の剛厳丸:小村裕次郎
- 刃の非道丸:川原正嗣
- 無名:前田悟
- 無明:村上よし子
- 無音:山本カナコ
- 魔母衣衆・龍舌:柴田健児
- 魔母衣衆・胡蝶:小寺利光
- 魔母衣衆・玉花:島田裕樹
- 魔母衣衆・富貴:小椋太郎
- 魔母衣衆・素心:蝦名孝一
- およし:村上よし子
- おかな:山本カナコ
- おくず:葛貫なおこ
- おあや:田畑亜弥
- あみゆ:武田みゆき
- おみほ:伊藤美帆(現・いとうまゆ)
- おりえ:嶌村緒里江
- おさや:野澤紗耶
- 仁平:村木仁
- 贋鉄斎/服部半蔵:逆木圭一郎
- 十蔵/巨烈/鉄騎兵/伊賀忍軍:横山一敏
- 全蔵/豪烈/鉄騎兵/伊賀忍軍:藤家剛
- 鉄機兵/伊賀忍軍/徳川兵:竹内康博・中川素州・加藤学・矢部敬三・三住敦洋・佐治康志
- 狸穴二郎衛門:ラサール石井
- こぶしの忠馬:佐藤アツヒロ
2011年版
劇団☆新感線2011夏興行 いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人』
新たな着想と若いキャストをむかえ、そして捨之介と天魔王の一人二役が、それぞれ独立した役として描かれるという大きな変化を経てストレートプレイとして上演された。よって話の展開、登場人物の性格も大幅に変更されている。通称『ワカドクロ』。
出演
- 捨之介:小栗旬
- 天魔王:森山未來
- 無界屋蘭兵衛:早乙女太一
- 極楽太夫:小池栄子
- 兵庫:勝地涼
- 沙霧:仲里依紗
- 贋鉄斎:高田聖子
- 天部の将監:粟根まこと
- 三五:河野まさと
- 狸穴二郎衛門:千葉哲也
- 磯平:礒野慎吾
- 平形源右衛門:インディ高橋
- 服部半蔵:武田浩二
- 迦楼羅の妙声:右近健一
- 夜叉の勇健:川原正嗣
- 修羅の障月:前田悟
- 緊那羅の生駒:山本カナコ
- 摩睺羅伽の姫蝶:保坂エマ
- 伊佐吉:逆木圭一郎
- 善十郎:村木仁
- およし:村上よし子
- おさと:中谷さとみ
- おまき:浜田麻希
- おゆり:平田小百合
- あひろ:松永晃幸
- おのぞ:八木のぞみ
- 青吉:仲圭太
- 白介:橋爪遼
- 黒平:三浦力
- 赤蔵:岩崎祐也
- 黄平次:友部康志
- 髑髏党鉄機兵:武田浩二・藤家剛・加藤学・川島弘之・井上象策・安田桃太郎・伊藤教人・菊池雄人
小説版
外部リンク
- 劇団☆新感線 (劇団☆新感線公式サイト)
- 髑髏城の七人2011