鞍作止利

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釈迦三尊像(国宝、法隆寺金堂)

鞍作 止利(くらつくり の とり、生没年不詳)は、飛鳥時代渡来系の仏師。名はとも記される。は村主[1]司馬達等の孫で、鞍部多須奈の子。子に福利・人足・真枝がいたとする系図がある[2]

作品

法隆寺金堂本尊銅造釈迦三尊像623年)が代表作。安居院(飛鳥寺)本尊の釈迦如来坐像(飛鳥大仏)も止利作とされているが、後世の補修が甚だしく、当初の部分は頭部の上半分、左耳、左手の指の一部のみとされている。しかし近年、2012年7月に早稲田大学の大橋一章らの研究チームが詳しく調査を行った所、現存像の大部分は造立当初のものである可能性が高いとの結論を得ている。


その他、法隆寺等には「止利式」と呼ばれる同系統の仏像が現存する。中国北魏の仏像の様式の影響を受けた、古式の衣文や服制、杏仁形の眼、古式の微笑(アルカイックスマイル)などに止利および止利式の仏像の特色がある。

脚注

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  1. 『日本書紀』に姓に関する記載がないが、祖父の司馬達等の姓が村主であったことから、鳥も同様と考えられる。
  2. 鈴木真年『百家系図稿』巻9,鞍作村主(宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年 による)