青瓦台
青瓦台(せいがだい、チョンワデ)は大韓民国ソウル特別市の北岳山の麓に所在する大統領官邸。英語ではホワイトハウスのようにブルーハウスと呼ばれる。新聞報道等では、漢字で略して「青」と呼ばれることがある。
概要
名称の由来は官邸の屋根に青い瓦が張られていることに因む。国防上の理由から、一部の外国人向け観光地図を除いて、地図上には記載されていない。警備は厳重であるものの、毎日観光バスで多くの外国人観光客が訪れる観光地でもある。なお、観光客も予約をすれば内部の見学ができる(但し身分証明書が必要)。安全保障上の問題から、内部のみならず、周辺地域でも指定場所以外での写真・映像撮影は禁止されている。
この場所は、もともと高麗時代に王族が住んだ地域であり、その後、李氏朝鮮王朝の太祖李成桂により作られた景福宮の一部である。日本統治下の1939年には朝鮮総督官邸が日本により建設された。朝鮮総督府官邸は1948年に大韓民国が成立すると、初代大統領李承晩が官邸及び公邸として使用。当時は「景武台」(けいぶだい、キョンムデ)と呼ばれた。1960年に当時の大統領尹潽善が青瓦台と名称を変更した。朴正煕政権下の1968年には、官邸が北朝鮮ゲリラに襲われる青瓦台襲撃未遂事件が起こった。以後、民主化までの間、市販される地図から青瓦台は消されていた。1991年に当時の大統領盧泰愚が隣に現在の建物を新築し、1993年に朝鮮総督府官邸は解体されている。
建物など
- 本館 1991年完成。大統領と夫人の接見室・執務室のほか会議室、食堂など執務機能が集中する建物。約8,500m2
- 迎賓館 1978年完成。国賓を招いた晩餐会など公式の行事を行うほか、大規模な会議の会場にもなる。
- 秘書室 大統領を支えるスタッフの執務室。3棟のビルで構成。
- 常春斎 「純韓国風」の建物で首脳会談が開かれることもある。
- 緑地苑 庭園。
- 大統領官邸 大統領とその家族の住まい。
- 春秋館 1990年完成。記者会見場があり、プレスセンターの機能を持っている。
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北漢山から見下ろした青瓦台全景
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青瓦台の門と警備風景。後方は北岳山
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門前の噴水
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迎賓施設
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迎賓施設
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庭園に面した風景
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庭園の石橋
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庭園
衛星写真
2005年に、ポータルサイトGoogleが提供している衛星・航空写真地図サービスであるGoogle Earthに、青瓦台の主要施設の画像が表示されていることが発覚した。これについて青瓦台側は、アメリカ関係機関と対応を協議していると発表したが商業目的であり規制は難しい。また、googleマップでも青瓦台の主要施設の画像が表示されている。韓国の法律では、衛星で撮影された主要保安施設や軍事基地の写真を公開することは禁止されている。なお、同様のサービスを提供しているネイバー地図においては、青瓦台周辺の画像をぼかす等の処理をしている。