電源開発促進税
電源開発促進税 (でんげんかいはつそくしんぜい) は、電源開発促進税法に基づく日本の税金。
概要
発電施設の設置促進、運転の円滑化、利用促進、安全確保、電気の供給の円滑化などを目的に、一般電気事業者の販売電気に課している。国税、目的税の一つである。
創設時(1974年)の目的は、当時のオイルショックにより石油に代わる代替エネルギーを模索し、原子力発電所、水力発電所、地熱発電所等の設置を促進するためであった。
2003年(平成15年)に石油石炭税法の施行と引き換えに税率を段階的に引き下げている。
2006年度(平成18年度)までは、税収の全額を電源開発促進対策特別会計(でんげんかいはつそくしんたいさくとくべつかいけい)に直入していた。
2007年度(平成19年度)からは行政改革推進法で、電源開発促進対策特別会計と石油石炭税による石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計が、エネルギー対策特別会計に統合された。また、税収額を特別会計に直入することをやめて、一般会計にいれてから必要額を特別会計に繰り入れる仕組みになった。
諸データ
- 納税義務者 : 一般電気事業者
- 課税物件 : 販売電気(一般電気事業者が供給した電気及び自ら使用した電気)
- 税率
- 2003年(平成15年)9月30日まで 1,000kwhにつき445円
- 2003年(平成15年)10月1日から 1,000kwhにつき425円
- 2005年(平成17年)4月1日から 1,000kwhにつき400円
- 2007年(平成19年)4月1日から 1,000kwhにつき375円
税収の推移
財務省の統計を参照(単位:100万円)
- 2002年度(平成14年度) - 376,791
- 2001年度(平成13年度) - 368,620
- 2000年度(平成12年度) - 374,559
- 1999年度(平成11年度) - 365,091
- 1998年度(平成10年度) - 357,292
- 1997年度(平成9年度) - 353,954
電気料金の一部が天下り法人に垂れ流し
1世帯あたり月平均約110円を電気料金に上乗せして電源開発促進税は支払われる形になっているが、原子力の研究や立地対策のために使われる「電源開発促進勘定」の半分以上が、経済産業省や文部科学省など官僚OBが役員を務める独立行政法人や公益法人、民間企業などに支出されている。東京新聞の調査によると2008 年度は3300億円のうち、51%の1700億円近くが9つの天下り法人に支払われていた。支出先の9法人には26人の官僚OBが報酬をもらえる役員に就任。うち経産省出身者は半分の13人を占める[1]。 この内、突出して金額が大きいのは日本原子力研究開発機構の1226億円、原子力安全基盤機構には225億円であった。いずれも4人の役員がいるが、全員天下りで平均年収は研究開発機構が1570万円、安全基盤機構が1860万円であった。
但し、日本原子力研究開発機構の研究員は、除染廃土処理費の低減技術、廃炉費の低減技術、超高温原子炉(原発のガスタービン化・原子力石炭液化)、海水ウラン(シェールガスの600倍の熱資源)[2]など数百兆円以上の国家収益につながる研究業績があり、テンプレート:要出典範囲。
脚注
- ↑ エネ特会の原発予算 天下り法人に半額超支出2011年9月30日東京新聞
- ↑ [ http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101208/217470/?rt=nocnt ほんとに海水からウランが取れた!2010年12月14日 日経BP]