長吏
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長吏(ちょうり)
- 中国の漢代における、官吏の呼称。官位の高い者を指した。対義語は少吏。
- 神主や僧侶に代わり、政権との事務連絡を行う者の中心人物を言う。古くは加賀国の白山権現の長吏、近江国の三井寺の長吏が有名。
- ある寺の首長である僧。本来は別当・座主などと同格の地位あるいは別名であったが、園城寺・勧修寺では、別当より上位に置かれていた。
- 俘囚の曲輪の中心人物。812年(弘仁3年)の勅に「衆の推服する所のもの一人を択び、置いて之が長となし、捉搦を加へしむべし」とある。
- 鎌倉時代初期頃からの畿内の宿村の中心人物。「2」の白山権現や三井寺の長吏と同様な職能からの命名。出自を守戸とする説がある。
- 江戸時代における、穢多や非人のリーダーを指す語。「和漢三才図絵」に「エタの為に郭(くるわ)あり。其の首魁を長吏と為す。」とある。後には、穢多や非人全体を指すようになった。出自を中世の雑色・雑戸とする説がある。現在も部落民に対する侮蔑語として残っているチョーリッポ、チョーリンボなどの言葉はこれが語源といわれている。→長吏 (賎民)を参照。