釜
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釜(かま)は、熱を材料、食品に加えるための器具である。
一般には、炊飯や湯沸し用の金属製の道具を指すことが多く、主に鋳造されたものが多い。竃に架けるための鍔があり、それを羽根に例えて羽釜(はがま)と呼ぶ。蓋は木製である。
釜はまた、茶の湯では茶をいれるための湯を沸かす道具として用いる。千家十職にも「釜師 大西清右衛門」の名が挙がる。
古来より釜は神聖視され、盟神探湯、湯立、鳴釜神事等の釜を使った呪術がある。『地獄極楽図屏風』(京都金戒光明寺所蔵、鎌倉中・後期)の仏教説話画に、釜茹でにされる人の描写があり、13、14世紀には、人も入れる巨大釜が地獄の刑罰器と認識されていたことはわかる。後世では、16世紀に石川五右衛門の釜茹での刑が知られているが、これも京都で処刑されている共通点がある。
同音の「かま」という語には以下のものがあり、同一語源である。[1] [2] [3] このうち「竃」「罐」は当用漢字外の文字であるため、「釜」と代用表記されることがある。
- 窯 - ガラスや焼物などを作るのに使う、中に入れた物を高温によって溶解・化学変化させる設備。
- 竃 - かまど。上に「釜」などの調理器具を乗せ、加熱するために火を起こす設備。
- 罐 - 蒸気機関車などのボイラーのこと。転じて機関車そのもの(電機、ディーゼル機関車を含め)をカマ(専ら釜が使われる)と呼ぶことがある(例:カシオペア専用の機関車=カシ釜、トワイライトエクスプレス専用の機関車=トワ釜、北斗星専用の機関車=(車体色から)青釜など)。
釜を使用した料理
脚注
- 出典