へびつかい座
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へびつかい座(蛇遣い座、Ophiuchus)は、トレミーの48星座の1つ。この星座におけるへびつかいとは医者のことである[1]。
黄道上に位置している星座であるが、黄道十二星座には含まれない。
δ星、ν星を接点にへび座と接続し、2つで1つの星座と捉えられることが多い。星座の規模はへびつかい座単体では11位だが、へび座と合わせた場合は1位のうみへび座を超える。
主な天体
恒星
テンプレート:See also α星[2]、η星[3]の2つの2等星がある。固有名がついている星や有名な星には、以下がある。
- α星:ラス・アルハゲ(Ras Alhague若しくはRasalhague)は、ヘビ使いの頭にあり、へびつかい座で最も明るい恒星。
- β星:ケバルライ(Cebalrai)
- γ星:ムリフェン(Muliphen)
- δ星:イェド・プリオル(Yed Prior)
- ε星:イェド・ポステリオル(Yed Posterior)
- η星:サビク(Sabik)は、へびつかい座で2番目に明るい恒星。
- ν星:褐色矮星が2つある。
- λ星:マルフィク(Marfic若しくはMarfik)は、ヘビ使いの肘の部分にあり、三重星である。
- バーナード星(Barnard's Star):太陽系に2番目に近い恒星
- RS星:肉眼で見える唯一の回帰新星である。この明るさは、数日の間に不規則に数百回変化する。周期はない。
- IRAS 16293-2422:糖類であるグリコールアルデヒドが見つかった原始星。
新星
へびつかい座で最も重要な歴史上の出来事は、θ星の近くで1604年10月9日に観測された超新星SN 1604である。この星はヨハネス・ケプラーによって観測され、ケプラーの星と呼ばれる。ケプラーは、この観測結果を"De stella nova in pede Serpentarii"という書物にして出版した。書名の意味は、「へびつかい(オフィウクス)の足の新星について」である。ガリレオ・ガリレイは、これを、天動説を主張するアリストテレス派の学者との論戦に使用した。アリストテレスが信じた天動説では、天は不変なもので、星が増えたり減ったりするはずではなかったのである。この超新星爆発は、ティコ・ブラーエが観測したカシオペヤ座の超新星から32年しか経っていなかった。我々の銀河系またはその近傍で起こり、人類によって記録されたこれ以前の最後の超新星は、1054年に観測されたかに星雲の元となった超新星爆発である。また、ケプラーの星の次に観測された超新星は1987年に大マゼラン銀河で起こった超新星SN 1987Aである。
星団・星雲・銀河
- NGC 6633:散開星団。
- IC 4665:散開星団。
- M9:球状星団。
- M10:球状星団。
- M12:球状星団。
- M14:球状星団。
- M19:球状星団。
- M62:球状星団。
- M107:球状星団。
- IC 4603-4604:散光星雲。
- NGC 6240:2つの銀河が衝突・融合している。
また ρ星の近くには活発な星形成を行う分子雲が存在し、写真では暗黒星雲として写る。
由来と歴史
プトレマイオス以前には、この星座はその名のラテン形Serpentariusで知られていた。 へび座はかつてはへびつかい座の一部だったが、プトレマイオスが独立させた[1]。
13星座占い
伝統的な12星座占いに、現在の実際の黄道上にあるへびつかい座を含めた13個の星座を用いた占いが考案された。 テンプレート:Main
神話
アポローンが、うっかり者(あるいは、うそつき)のカラス(からす座)の告げ口を本気にし、誤って自らの恋人コローニスを射殺した[1]。そのとき腹にいた赤ん坊は、賢者ケイローン(いて座)に育てられ、立派な医師アスクレーピオスになった[1]。蛇を持っているのは、蛇によって薬草の効用を知ったアスクレーピオスが自分のシンボルにしたからだという。また、アスクレーピオスが蛇毒を薬に使ったからだともいう。アスクレーピオスはアルゴー船(アルゴ座)にも乗船し[1]、名医として名高かったが、ついには死者をも蘇らせることができるようになり[1]、冥神ハーデースの怒りを買ったため、大神ゼウスの雷によって打ち殺された[1]。その後、医師としての功績が称えられ星座(へびつかい座)となった[1]。