藤原一宏
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藤原 一宏(ふじわら かずひろ、1964年 - )は数学者。武蔵野市立第五中学校、武蔵高等学校を経て、1987年東京大学理学部数学科卒。1989年、同大学院修士課程修了。専門は数論幾何学 (リジッド解析幾何学、類体論、志村多様体)。東大助手を経て、現在名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授。2006年スペインのマドリッドで行なわれた国際数学者会議では招待講演を行なった。
業績
- ザリスキ・リーマン空間の再定義によりリジッド解析幾何学と双有理幾何学の統一的視点を与えた。
- 永田の埋め込み定理の別証明。
- 有限体上のスキームのレフシェッツ跡公式に関するドリーニュ予想を解決した。
- 総実体上のフェルマー予想を証明しようと試みたが、失敗に終った。
- 加藤文元とともにリジッド解析幾何学を新たに基礎付けている。
受賞・講演歴
主要論文
- Theory of tubular neighborhood in étale topology, Duke Mathematical Journal 80 (1995), No 1, p15-p57.
- Rigid geometry, Lefschetz-Verdier trace formula and Deligne's conjecture, Inventiones mathematicae 27 (1997), No 3, p489-p533.
21世紀COEプログラムにおける虚偽申請
藤原は、21世紀COEプログラム申請書類に自身の論文数が5本にも関わらず、8本と虚偽申請した。
内訳は著名な欧米雑誌で、プリンストン大学が発行する雑誌(Annals of Mathematics)とドイツの大学が発行する雑誌の2本と、京都大学が発行する雑誌に1本、あわせて3本の論文を虚偽申告した。
そのうちプリンストン大学の数学誌に関しては、97年にすでに論文がリジェクトされているにもかかわらず、2002年の申告書類には掲載予定とした。
同教授は意図的ではなく、チェックミスが原因としている。
同教授がサブリーダーとして所属するプロジェクト『等式が生む数学の新概念』はこれまでの3年間で約1億5000万円が研究費として交付されていた。