薮助治
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薮 助治(やぶ すけはる / やぶ すけじ)は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2199』の登場人物。声優は池水通洋(第10話)、緒方賢一(第25話)、『2199』ではチョー。実写映画版『SPACE BATTLESHIP ヤマト』での俳優は水上潤。
概要
ヤマト機関室勤務の乗組員(副機関士)。小太りの体形にやや長めの前髪の容貌を持つ青年。機関長の徳川彦左衛門にとっては片腕的存在である。
企画段階では、反乱の首謀者は真田佐助(真田志郎の初期設定)の予定だったが、脚本家が反乱予定人物を徳川と誤認し、その伏線に彼を焚きつける人物として薮を置いた。結果的には間違いに気付いたものの、徳川は反乱の首謀者としては性格上無理があるということで、先の伏線を「叛意の前兆」と読み替えて活かし、薮が反乱の首謀者という設定になった。詳細は宇宙戦艦ヤマト#未使用設定を参照。
劇中での活躍
宇宙戦艦ヤマト
- テレビ版
- 地球への帰還が人類の滅亡前に間に合わない可能性に不安を覚え、オクトパス原始星団で長期に足止めされている最中に徳川へ航海の中止を進言する。やがて、イスカンダル滞在中には12人の同志とともに「人類の子孫を残す」という口実を掲げて森雪を人質にヤマトから脱走したうえ、ダイヤモンドで構成された島への残留を宣言し、古代進の命令や警告も嘲笑かつ無視するという反乱を起こす。しかし、その直後にこの島は地殻変動と津波に襲われたため、薮たち反乱者の全員が死亡して雪だけが助かる。この反乱は、古代たちに地球への移住を薦められたスターシャから、移住拒否の理由(好ましくない種類の人が地球に存在する)に挙げられてしまう。
- 劇場版
- 反乱まではテレビ版とほぼ同様であるが、尺の都合から反乱シーンは全て削除された。物語終盤、地球を前にして歓喜するヤマト乗組員の中に薮の姿があるが、その後の作品には一切登場していない。
- ラジオドラマ版
- 反乱まではテレビ版とほぼ同様であるが、反乱後は雪をヤマトへ送り届けた後で死んでゆく好人物に描かれている。
宇宙戦艦ヤマト2199
- テレビ版
- 『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作である本作では三重県出身で、年齢は33歳と設定された。また、名前の読みは「やぶ すけじ」へと変更された。肥満体型になり、顔つきは若干弱弱しくなっているほか、頭にはアホ毛が生えている。
- 階級は一曹(一等宙曹)。徳川の愛弟子であり、メ号作戦(冥王星沖海戦)では徳川とともに戦艦キリシマに乗艦していた。ヤマト計画発動後はヤマトの機関科へ配属され、機関士を務める。
- 機関士としては一流だが、懐疑的な性格で、事あるごとに不安や疑問の声を上げる。また、「エリートは意外と脆い」と考えている。家族がいない身のため、太陽系赤道祭では盛り上がることもできず、仮装してはしゃぐ女子乗組員たちとすれ違った際には「何が楽しいんだか」と悪態をついていた。地球側の先制攻撃の事実に関しては知らなかったらしく、信じてもいない模様。
- 太陽系赤道祭の頃から新見薫のことを若干気にしている描写があり、後には彼女のカウンセリングを受けている。カウンセリングの中で自らのことだけでなく、周りの不平不満も報告していた節もある。その後、ビーメラ4では同じ機関科の早乙女や崎山とともに反乱に加担し、震えながら徳川と山崎に銃を向けて機関室に軟禁した。
- 反乱の失敗後には営倉へ収監され、七色星団海戦の最中に営倉が被弾したことにより死亡扱いとされていたが、実際には生き延びており、伊東真也とともにコスモシーガルへ身を隠していた。古代が薮と伊東に気づかないまま収容所惑星レプタポーダの偵察にコスモシーガルで出撃した際には、コスモシーガルを占拠しようとするも自らの銃の暴発によって失敗し、古代らとともにガミラスの捕虜となる。囚人たちの反乱の中、古代らとはぐれて隠れていたところを囚人たちに発見されて半ばパニック状態となるが、手錠をかけられていたことと着ていた服の色がたまたま囚人服と似ていたことから同じ囚人と判断され、武器を渡されて共闘した。収容所解放後はヤマトへ戻らず、レプタポーダに残留した。
- その後はフラーケンに拾われ、次元潜航艦 UX-01の新入り機関士「ヤーブ・スケルジ」として再登場する。ゲール艦隊との交戦中に機関異常で潜航不能となったUX-01の窮地を救う活躍を見せて褒められるなど、荒くれ者揃いの乗組員たちとは良好な関係を築いており、ザルツ人と思われている。
- 小説版
- 七色星団海戦での営倉爆撃時に伊東に助けられ、ともにコスモシーガルへ潜伏する。出頭しようと考えていたが、その直後にコスモシーガルが発艦したうえ、古代と雪(薮と伊東がそう思い込んでいるだけで、実際はユリーシャ・イスカンダル)を人質にしようと目論む伊東から扱い慣れていない拳銃をセーフティロックを解除した状態で渡されたため、否応なしにコックピットへ乗り込む。
- レプタポーダでの暴動によって古代らとはぐれた後は伊東と同行し、撃たれそうになったところを助けられ、彼の最期を看取る。その後、伊東の最期の言葉「地球のことは忘れろ。生まれ変わって明日から別の人生を生きるんだ」に触発され、ザルツ人に成り済まして収容所に残留する。「俺は2人分生きなきゃいけないんだ」の口癖をフラーケンに気に入られ、UX-01にザルツ人の機関員として乗艦した。