自動車重量税
テンプレート:混同 テンプレート:Ambox 自動車重量税(じどうしゃじゅうりょうぜい)は検査自動車と届出軽自動車に対して課される日本の税金(国税)である。
目次
概要
1971年に施行された自動車重量税法に基づいて、検査自動車と届出軽自動車に対して課される[1]。原則として、印紙を購入し所定の納付書に貼付して納付する。自動車を新規登録または新規届出した時や、継続検査や構造等変更検査を受け、車検証または届出済証の交付を受ける際に納付する。税収の三分の一は、道路関係の費用に使うことを目的とする自動車重量譲与税として市町村に譲与される。課税標準は自動車の数量に応じて、税額は自動車の区分ごと重量に応じてそれぞれ定められている。
2010年4月1日以降に自動車検査証の交付を受けるものは暫定税を含む税額が約20%引き下げられた。但し、車齢が18年を越えるものは2010年3月31日以前の税額のまま引き下げられていない。
- 例:自家用乗用車、車輌重量1トン超〜1.5トン以下の場合。
- 新車購入時(3年分) 本則税額22,500円→暫定上乗せ税を含む総額45,000円
- 車検時(2年分) 本則税額15,000円→暫定上乗せ税を含む総額30,000円
- 但し、エコカー減税の対象となる車輌はランクに応じて減免措置がある。
税額
本則による税額
(自動車重量税法の本文に記載されているもの)
- 乗用車(軽自動車と二輪車を除く)
- 2500円/0.5トン(車両重量あたり)/年
- 乗用車以外(例:トラックなどの貨物車)
- 2500円/1トン(車両総重量あたり)/年
- 軽自動車
- 2500円/1台あたり/年
- 二輪自動車
- 1500円/1台あたり/年
しかし本則とは別に長年にわたって暫定税額が定められていて、延長に継ぐ延長を経ていた。暫定と冠する課税が導入されてから既に40年以上もの長期間にわたって本則より重く課税され続けていることは常々問題視されていた。さらには重量税の使い道である道路特定財源のうち、本州四国連絡橋公団の債務の返済が2007年度に完了することや、昨今の公共事業費縮小による財源余剰(税金の余り)が7000億円も見込まれることから、自動車保有者はもとより、売り上げ低迷に悩む自動車メーカーなどが作る団体やドライバー団体からも見直しを求める声があがっていた。さらに、一般財源化が検討されていて、従来より一般財源である自動車税や軽自動車税と分けて課税した上で、暫定税額を上乗せする税制の目的が失われる点も指摘されていた。そして、2010年3月の税制改正により暫定税率が特例税率として適用期間の定めが廃止され、当分の間適用されることとされ、暫定税率の適用が特例税率として事実上恒久化されることになった。その後、2012年から軽減されることが発表された[2]。
以前は、事故などで車検証の有効期間が残存しているものを抹消登録しても、自動車税や自賠責保険料などとは違って還付を受けられない点が課税の目的に沿わないことも批判の一つであった。2005年1月に自動車リサイクル法が施行されるのと同時に、自動車リサイクル法に基づいた適正な廃車、解体を行う場合のみ申請をすることで、還付がうけられるようになった。しかし、車検期間が残存しているものを一時的に使用を中止する場合に「一時抹消登録」をしただけでは還付は受けられない。
特例税率込み税額
- 2010年4月1日以降
- 乗用車
- 自家用 車両重量0.5トン毎 5000円/年
- 事業用 車両重量0.5トン毎 2700円/年
- 乗用車以外
- 貨物自動車
- 自家用
- 車両総重量〜1トンまで 3800円/年
- 車両総重量〜2トンまで 7600円/年
- 車両総重量〜2.5トンまで 11400円/年
- 車両総重量〜3トンまで 15000円/年
- 以降1トン毎に 5000円加算
- 事業用
- 車両総重量1トン毎 2700円/年
- 自家用
- 乗合自動車(バス)および特種用途自動車
- 自家用 車両総重量1トン毎 5000円/年
- 事業用 車両総重量1トン毎 2700円/年
- 軽自動車(検査対象)
- 1台あたり
- 自家用3800円/年
- 事業用2700円/年
- 軽自動車(検査対象外二輪)
- 1台あたり、新車届出時一回限り
- 自家用5500円
- 事業用4300円
- 軽自動車(検査対象外二輪以外)
- 1台あたり、新車届出時一回限り
- 自家用11300円
- 事業用 8100円
- 小型二輪自動車
- 1台あたり
- 自家用2200円/年
- 事業用1600円/年
- 2010年3月31日以前
- 乗用車
- 自家用 車両重量0.5トン毎 6300円/年
- 事業用 車両重量0.5トン毎 2800円/年
- 乗用車以外
- 貨物自動車
- 自家用
- 車両総重量〜1トンまで 4400円/年
- 車両総重量〜2トンまで 8800円/年
- 車両総重量〜2.5トンまで 13200円/年
- 車両総重量〜3トンまで 18900円/年
- 以降1トン毎に 6300円加算
- 事業用
- 車両総重量1トン毎 2800円/年
- 自家用
- 乗合自動車(バス)および特種用途自動車
- 自家用 車両総重量1トン毎 6300円/年
- 事業用 車両総重量1トン毎 2800円/年
- 軽自動車(検査対象)
- 1台あたり
- 自家用4400円/年
- 事業用2800円/年
- 軽自動車(検査対象外二輪)
- 1台あたり、新車届出時一回限り
- 自家用6300円
- 事業用4500円
- 軽自動車(検査対象外二輪以外)
- 1台あたり、新車届出時一回限り
- 自家用13200円
- 事業用 8400円
- 小型二輪自動車
- 1台あたり
- 自家用2500円/年
- 事業用1700円/年
課税物件
- 検査自動車
- 自動車検査証の交付又は返付を受ける自動車
- 届出軽自動車
- 車両番号の指定を受ける軽自動車
納税義務者
- 自動車検査証の交付等を受ける者
- 車両番号の指定を受ける者
税収の推移
2001年からほぼ一貫して微減傾向にある。
財務省の統計を参照(単位:100万円)
- 1997年度 812,841 うち地方譲与分270,947
- 1998年度 816,528 うち地方譲与分272,176
- 1999年度 843,115 うち地方譲与分281,039
- 2000年度 850,669 うち地方譲与分283,556
- 2001年度 853,600 うち地方譲与分284,533
- 2002年度 847,977 うち地方譲与分282,659
- 2003年度 767,086
- 2004年度 748,846
- 2005年度 757,419
- 2006年度 734,952
- 2007年度 739,857
- 2008年度 717,046
問題点
一般財源化による課税根拠の喪失
自動車重量税は普通税だが、自動車重量税制定時の国会審議において道路特定財源として運用することとされた。このため、道路特定財源が一般財源化されたことによって、自動車重量税はその課税根拠が失われていることになる[3]。
二重課税
自動車重量税は自動車税または軽自動車税と同様に「自動車の保有」に対して課せられる税金であることから、自動車業界からは二重課税であると指摘されている[3]。
自動車ユーザーへの過重な負担原因
日本では自動車の所有や使用に対して数多くの税金が課されており、自動車重量税の他に、自動車税(軽自動車は軽自動車税)、自動車取得税、燃料への課税(ガソリン税、軽油引取税、石油ガス税)、さらに車体の購入時と燃料の購入時に課される消費税があり、多数の税金が複雑に絡むうえその負担額も極めて大きい[4]。
国際的に見ても日本の自動車に対する税負担は異常な高額さであり[5]、このことが国内の自動車産業を衰退させる原因だとして自動車業界から批判されている[6][7]。
税制上、自動車重量税は課税根拠の喪失や二重課税という問題点があることから、同様の問題がある自動車取得税とともに、自動車業界からは自動車重量税の廃止を求められている[3]。
脚注
- ↑ 自動車重量税法 第三条
- ↑ 12年度税制改正大綱を決定、自動車重量税を軽減=政府 ロイター.co.jp
- ↑ 3.0 3.1 3.2 テンプレート:Cite web
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