美女と液体人間
『美女と液体人間』(びじょとえきたいにんげん)は、1958年6月24日に公開された日本の特撮映画。英題は "The H-Man"。製作、配給は東宝。イーストマンカラー、東宝スコープ。
概要
大人向けの作品として作られた変身人間シリーズの1作。タイトル通り、女性の登場するシーンも多く、アダルトな雰囲気も持つ特撮映画である。
本作の設定では「強い放射線を浴びた生物は液体状に変化し、液体生物と呼ぶべき別の生物になる」とされ、真木博士がカエルを使って公開実験を行っている。
劇中で水爆実験の放射能を浴びた日本のマグロ漁船「第二竜神丸」は、当時としてはまだ記憶に新しいビキニ環礁の水爆実験事故「第五福竜丸事件」をヒントにしたものである。
原作者の海上日出男は東宝所属の俳優であったが、本作製作前の『地球防衛軍』撮影中に死去している(詳細は海上日出男#「液体人間現る」について参照)。
あらすじ
城東大学助教授・政田は必死だった。現在彼の友人である警視庁の富永が追っている麻薬密売事件のウラには、恐るべき液体人間が暗躍している。その事実を全く信じようとしない富永ら捜査陣の行く先々で不思議な出来事が起こり、捜査は暗礁に乗り上げる。重要な証人、新井千加子に魔の手が伸びるに至って、やっと事の重大さに気付いた捜査陣は政田の意見を取り入れ、地下下水道を焼き払い液体人間を倒すことを決意した。だが、そこにはたった1人で恐るべき敵から逃げまどう千加子がいた。
液体人間
核実験の死の灰を浴びたことにより、肉体が変質し全細胞が液体化した人間。
真木博士によれば液体生物は他者を「餌食」にして液状化し、液体人間には犠牲者の精神活動が少しでも残る可能性を示唆している(最初の犠牲者が東京に戻った理由)。しかし、液体人間となったものが人間的な意識をどれだけ保って行動しているのかは、不明である[1]。
液体人間は、吸血鬼のごとく他の人間を襲うことで犠牲者を同じ液体人間に変えることができ、終盤に2体の液体人間の描写がある。
スタッフ
※映画クレジット順
本編
特殊技術
キャスト
※映画クレジット順
- 新井千加子(「ホムラ」の歌手):白川由美
- 政田(城東大学助教授): 佐原健二
- 富永捜査一課長:平田昭彦
- 宮下刑事部長:小沢栄太郎
- 真木博士:千田是也
- ギャング:佐藤允(内田)、伊藤久哉(三崎)
- 花枝(「ホムラ」のホステス):北川町子
- 田口刑事:土屋嘉男
- 峯子(政田の助手):白石奈緒美
- 岸(花田組員):三島耕
- 坂田刑事:田島義文
- 金(麻薬のバイヤー):中村哲
- 第二竜神丸船員:加藤春哉(宗チャン)、大村千吉(大チャン)
- エミー(「ホムラ」のダンサー):園田あゆみ
- 警視庁幹部:林幹
- 楠田(刑事部部長):山田巳之助
- 花田組員:藤尾純(西山)、山本廉(佐伯)
- 堀田(第二竜神丸船員):瀬良明
- 関刑事:中丸忠雄
- アベック:夏木陽介、家田佳子
- 安吉(第二竜神丸船員):重信安広
- 若杉巡査:山田彰
- 島崎(「ホムラ」のボーイ、ギャング):桐野洋雄
- 液体人間を轢くタクシー運転手:佐田豊
- 浜野(花田組員):大友伸
- 警視庁幹部:生方壮児、津田光男
- 花田組組員:中山豊
- 小川刑事:坪野鎌之
- 松ッチャン(第二竜神丸船員):加藤茂雄
- 自衛隊救援隊長:岡豊
- 消防署長:広瀬正一
- 作戦本部次長:熊谷二良
- 警視庁幹部:草間璋夫(鈴木)、土屋詩朗
- 第二竜神丸船員:手塚勝巳
- チョウスケ(第二竜神丸船員)/液体人間:中島春雄 [2役]
※以下クレジット表記なし
- 管理人のおかみさん:中野トシ子
- 隣のかみさん:小野松枝
- 近所の住民:松本光男
- 第二竜神丸船員:安芸津広、伊原徳
- 第二竜神丸船員/「ホムラ」の酔客:吉田新 [2役]
- 「ホムラ」のクラブマネージャー:橘正晃
- 「ホムラ」の酔客:吉頂寺晃
- 「ホムラ」の酔客/対策会議出席者:日方一夫 [2役]
- 「ホムラ」の客/タクシーの運転手:越後憲三 [2役]
- 「ホムラ」の客/対策会議出席者:勝本圭一郎、光秋次郎 [2役]
- 「ホムラ」の客/「ホムラ」の警官:篠原正記 [2役]
- 「ホムラ」の客:小川安三、緒方燐作、川又吉一、鈴川二郎、峯丘ひろみ
- 「ホムラ」の客/記者:今井和雄、河辺昌義 [2役]
- 「ホムラ」のバーテンダー:速水洸
- 「ホムラ」のボーイ:岩本弘司、佐竹弘行
- 「ホムラ」のボーイ/記者:上村幸之 [2役]
- 対策会議出席者:大西康雅、千葉一郎、成田孝、山田圭介
- 記者:勝部義夫、渋谷英男、清水良二、砂川繁視、由起卓也
- 真木博士の助手:川村郁夫
- 城東大学病院の看護婦:毛利幸子
- 本署の警官:中西英介
- 刑事:天見竜太郎、伊藤実、宇留木康二
- 警視庁の老巡査:榊田敬二
- 「ホムラ」の警官:権藤幸彦、坂本晴哉、鈴木治夫
- 佐藤(ギャング):佐藤功一
- 白川由美の歌唱吹替:マーサ三宅
脚注
外部リンク
テンプレート:本多猪四郎監督作品テンプレート:Asbox- ↑ 劇中に液体人間の視点からの描写はなく、人間関係によって推測・暗示されるだけである。
- ↑ テンプレート:Cite