紅茶王子

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テンプレート:Sidebar with collapsible lists紅茶王子』(こうちゃおうじ)は、山田南平による日本漫画作品。『花とゆめ』(白泉社)連載。単行本は全25巻。番外編に『紅茶王子の姫君』(単行本全1巻)、新シリーズに『桜の花の紅茶王子』がある(2014年6月現在、既刊1巻)。

あらすじ

「風早橋学院」のお茶会同好会に所属する奈子(たいこ)・美佳(ハルカ)・そめこは月夜のお茶会でアールグレイとアッサムという2人の紅茶王子を呼び出した。そして、彼らは呼び出した人間の願い事を3つかなえ終わるまでは帰れないと言い出して…。奈子&アールグレイ&アッサムのマジカル学園ロマンス。

登場人物

人物名の横の声優名はドラマCDでのもの。

お茶会同好会

吉岡 奈子(よしおか たいこ)
- 雪乃五月
連載開始時は風早橋学院中等部3年生。同校お茶会同好会部長。アールグレイの主人。アッサムからは「ゾウ足」と呼ばれており、それを気にしている。
素直で活発な性格から周りの人望も厚いが、その性格が災いしてしまうことも多い。
最終巻で人間になったアッサムと大学で改めて出会い、その後結婚。長女・杏梨をもうける。
現在は父親の残した紅茶喫茶店をアッサムと共に経営中。番外編で紅茶王子時代のアッサムの記憶を取り戻す[1]
染谷 雪子(そめや ゆきこ)
通称「そめこ」。奈子と同学年。お茶会同好会副部長。幼児体型なのを気にしている(ただし胸はかなり大きい)。また、そのルックスと性格から非常にモテるが同性からは煙たがられている部分もある。
紅茶の精を呼び出そうと最初に月夜のお茶会を計画したが、一人彼女だけがミルクティーだったために呼び出す資格が無く、叶わなかった。後に、紅茶王子を呼び出した2人を羨んで、黄山紅牡丹の紅茶王子を呼び出すが、願いを叶え終わったために現在は主人ではない。
紅牡丹に恋心を抱いていたがそれが叶うことはなかった。
内山 美佳(うちやま はるか)
そめこからは「ミカちゃん」と呼ばれているが本人はそう呼ばれるのを嫌っている。奈子とそめこと同学年。お茶会同好会でただ一人の男子部員。パソコンが得意で、自分でプログラムをいじることもある。
幼い頃に両親の仕事の都合で外国に行く際、両親の誘いを蹴って日本に残った。3人兄弟の二男。
アッサムの主人。幼馴染みである奈子を何かと気にかけている。美里と言う元カノがいたが最終回ではヨリを戻した模様。
久木怜一(ひさぎ れいいち)
奈子とアッサムが経営を継ぐ前に店を受け持っていた青年。怜一という人物は、奈子の父の異母弟だがすでに死んでいる。正体は存在を封印されていたダージリンの紅茶王子であり、奈子の前に現れたるために彼の名と記憶の一部、存在を借りている。奈子の初恋の相手。「ダージリン」と名付けられた黒猫を飼っている。

風早学院

葉桜 菊花(はざくら きくか)
生徒会会長。オレンジペコーの主人。最初はきつ目の生徒会長として書かれていたが、お茶会同好会メンバーやペコー等と関わる内に性格が丸くなっていった。
自分の立場と仕事にとても責任感を持っている。そこから学院初の3年連続生徒会長を務めると言う偉業を成し遂げた。
妹に皐月(さつき)が居る。自身も紅茶を妹と共に嗜むが多かったが、高校に入ってからそれは少なくなっているが生徒会室に常備されている紅茶にはとてもうるさい一面もある。
峰山 檜(みねやま ひのき)
生徒会書記。初登場時は中学2年生。チリチリ(天然パーマ)な髪の毛がコンプレックス。そこからペコーに「チリチリ頭さん」と呼ばれたことも。
紅茶を入れたことがなく美味しい紅茶を入れられないと言うその悩みから偶然、奈子に出会い紅茶淹れ方を伝授され淹れ方の腕を上げていく。
感動屋の泣き虫。また、作中のセリフから拾い食いをよくしているらしい。
堀内(ほりうち)
生徒会役員。美佳の友人。この事からちょくちょくお茶会同好会の危機を救う手伝いもしている。

紅茶王子・王女

アッサム
声 - 渋谷茂
アッサムの紅茶王子。偶然にも美佳に呼び出される。みんなの兄貴分であり、慕われている。
人間の母親・アリヤと紅茶王子の父親・ゴパルダーラを持つハーフ。色黒で黒髪の天然パーマ。
趣味、特技は本人は認めたくないようだが家事全般。よく食べる。
最終的に「みんなが自分を忘れる」と言う条件を受け入れ、人間になり[2]「アッシャー・A/L・ゴパルダラ」を名乗り奈子と大学で再び出会い、その後結婚。
酒に弱い。娘の杏梨を可愛がっている。現在は奈子の父親が残した紅茶喫茶を経営。
前はジェイクと言う老齢の男性の下に居た。ちなみに初恋は男。人間換算年齢20歳。
アールグレイ
声 - 鈴木千尋
アールグレイの紅茶王子。奈子に呼び出される。ふわふわの金髪に、青い目をしており、王子様ファッション。ペコーの兄。酒に弱く酒癖が悪い。料理が破滅的に苦手。
前はステラと言う女性の下に居た[3]。人間換算年齢17歳。
ペコー
オレンジペコー[4]の紅茶王女。アールグレイの妹。アッサムの婚約者だった。語尾に「~ですわ」などを付けるお姫様らしい話し方をするが、アッサムの口調が移ってしまい怒ると少し言葉使いが荒くなる。奈子達の高校の生徒会長・菊花に偶然にも呼び出された。人間換算年齢16歳。
セイロン
セイロンの紅茶王子。アッサムを連れ帰るために来た。とてもそっけなく淡白な性格。染谷雪子には恋心を抱いている様子があったが叶わず。人間換算年齢14歳。
黄山紅牡丹(ファンシャンホンムータン)
黄山紅牡丹の紅茶王子。そめこに呼び出される。とても長い黒髪の持ち主。そめこからは「紅(ホン)ちゃん」と呼ばれている。 他の4人に比べ呼び出される機会がとても少なく、それを狙って呼び出された。アッサムとの間に確執があったが後に和解した。
母親は錦上添花(ジンシャンティアンファン)。アッサム・アールグレイ・ペコー・セイロンの中では一番の年上の21歳。
ダージリン
ダージリンの紅茶王子。禁忌の紅茶王子であり、ディンブラ(セイロンの父)によって長年封印されていたが彼が他界した為、その隙をついて脱出する。その時偶然にも奈子の父に呼び出され、奈子の叔父でもある玲一の記憶等を拝借し、成りすましていた。

紅茶の国

番外編

金のクピド

ニルギリ
ニルギリの紅茶王子。サンドラに呼び出された紅茶王子で彼女の恋人。
アッサム以外に「みんなが自分を忘れる」と言う条件で人間になった一人。
アールグレイにそっくりなアルベルトという恋人を事故で失い、悲観にくれていたステラを不憫に思い、彼女のためにアールグレイを呼び出した。
ステラ
前のアールグレイの主人だった女性。
アールグレイにそっくりなアルベルトと言う恋人が居た。サンドラは彼女の姉。
サンドラ
ニルギリの主人であり、恋人。ステラの姉。愛称は「サンディ」。絵を描く。

夢の中の紅茶王子

ルフナ
ルフナの紅茶王子。何故か周りがアッサムの記憶を忘れている中、少ししか交流したことのない自分がアッサムの記憶を持っていることを不安に思っていた。絵里に呼び出され、ずっと外国に居て最近帰ってきた幼馴染みとしてとけこんでいる。
姉がおり、その姉から貰ったブレスレットを大事にしている。このブレスレットを直してもらったことがアッサムとの唯一の繋がり。
高畑 絵里(たかはた えり)
ルフナの主人。アッサムに一目惚れするが玉砕。しかしその後も店には連日のように通っている。ルフナのことを「るーちゃん」と呼ぶ。

紅茶王子の姫君

吉岡 杏梨(よしおか あんり)
奈子とアッサムの娘。自分が生まれる前の記憶を持っており、アッサムの紅茶王子時代を知っている。小さい頃は非常に扱いにくい子供だったと自ら語っている。しかし、その行動により奈子がアッサムを思い出すきっかけへと繋ながった。現在は母親からアッサムの指輪を受け継いでいる。アッサムの母・アリヤを慕っており、彼女の紫色の目が好き。
作者の後の作品『空色海岸』に主人公の親友として、高校生になった彼女が登場する。

セロ弾きの紅茶王子

宮沢賢治セロ弾きのゴーシュを題材とした話。

栞(しおり)
普通の女子高生。純一がキャンディを呼び出したきっかけ。
自分を「セロ弾きのゴーシュの猫」に例えている。
キャンディ
キャンディの紅茶王女。一見とても大人しそうに見えるが、無視されるとすごい形相で怒る。自分の仕事に誇りを持っており、仕事熱心であるが、押し付けがましい所もある。和音のことを「カッコウさま」と呼ぶ。純一に呼び出された。
ちなみに彼女は上記のルフナの姉である。
純一(じゅんいち)
セロ弾きの少年。和音と言う恋人が居る。栞のお隣さんで幼馴染み。キャンディの主人。
和音(かずね)
純一の彼女。しかしクモ膜下出血で現在入院中。

桜の花の紅茶王子

花とゆめプラチナに第1話が掲載され、別冊花とゆめで連載開始した新シリーズ。

朝桐 吉乃(あさぎり よしの)
先祖代々続く名家の娘。父親の束縛が厳しく自由が無いことを不満に思っている。親の決めた見合い相手を不幸にするために呪いの儀式を行っていたところ、紅茶王子サクラを呼び出す。
サクラ
サクラティーの紅茶王子。過去に吉乃の曾々祖母八重に仕えた事があり、吉乃と八重を間違える。人間としての名前は「佐倉 朔(さくら さく)」。
奈緒(なお)
吉乃の親友。吉乃と共に紅茶王子ジョルジを呼び出す。
ジョルジ
サクラと共に呼び出されたジョルジの紅茶王子。ロシア系。大食い。

レシピ流用問題

連載中に、主人公・奈子流アイスティーの入れ方が紅茶研究家・磯淵猛のオリジナルレシピの内容と一致しているものの引用表記が明記されておらず、磯淵サイドに個人的な承諾を得たわけでもなく、著者がこのレシピを開発したかのようなニュアンスで表現していた。その後単行本改訂で引用表記がついたが、結局釈明はなかった[5]

脚注

テンプレート:Reflist

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  1. 杏梨のためにアリヤが指輪を通じて手を貸した。
  2. 「既に誕生している」人間のみが対象となる為、生まれていない者などは記憶消去の対象から外される。そのため母のアリヤ及び娘の杏梨は彼のことを忘れていない。
  3. 彼女のために人間になろうと決意するも「皆が自分のことを忘れる」という条件を受け入れられずに結果、諦めてしまう。
  4. オレンジペコー及び彼の兄アールグレイは紅茶の種類ではなく、それぞれ茶葉の等級とフレーバーテイーを示す名称である為、二人が何の紅茶のオレンジペコー(アールグレイ)なのかはわかっていない(アッサムのオレンジペコーやセイロンと紅牡丹のアールグレイという可能性もある)。同様の理由で奈子・菊花が呼び出し時に飲んでいた銘柄も不明。
  5. 紅茶王子 奈子流 参考文献の検証ページにて単行本該当箇所と磯淵猛の著作を比較検証。