第3師団 (陸上自衛隊)
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第3師団(だいさんしだん、JGSDF 3rd Division)は、陸上自衛隊の師団のひとつ。
中部方面隊隷下の政経中枢師団[1]で、司令部を兵庫県伊丹市の千僧駐屯地に置く。3個普通科連隊を基幹とし、近畿2府4県(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)の防衛警備、災害派遣を任務とするほか、民生協力及び国際貢献活動を行っている。師団司令部及び指揮下の13個部隊は、奈良県及び和歌山県を除く近畿2府2県8個駐屯地に配置されている。
師団方針は、『武人の誇り』[2]。
沿革
第3管区隊
- 1月:宇治に総監部設置
- 4月10日:伊丹駐屯地開設に伴い、第三管区総監部が宇治から伊丹へ移駐[3]。後に第7連隊及び(4月30日)第63連隊(特科・姫路)新編
- 5月1日:第3管区隊編成完結、第7・第8・第9の3個普通科連隊基幹[4]、担当地域は富山・石川・岐阜・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・香川・愛媛・高知[4]。
- 1954年(昭和29年)9月10日:第63連隊を第3特科連隊に改編
- 1959年(昭和34年)12月20日:第三管区総監部が伊丹から千僧へ移駐[3]。
- 1960年(昭和35年)1月14日:中部方面隊編成。その隷下に入る。
- 1960年頃の主要編成
- 第7・第8・第15普通科連隊、第3特科連隊、第3特車大隊
第3師団
- 1962年(昭和37年)1月18日:師団制施行、第3管区隊から第3師団(乙師団・3個普通科連隊基幹)に改編。第7連隊を母体に第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)を新編。第3飛行隊(八尾)を新編。担当地域は滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山となる。
- 1965年頃の主要編成
- 第7・第36・第37普通科連隊、第3特科連隊、第3戦車大隊
- 1990年頃の主要編成
- 第7・第36・第37・第45普通科連隊、第3特科連隊、第3戦車大隊
- 第45普通科連隊・第3対戦車隊を廃止
- 第3施設大隊が千僧から大久保へ、第3後方支援連隊衛生隊が大津から千僧へ移駐
- 1995年(平成7年)1月:阪神淡路大震災災害派遣(101日間)
- 1996年(平成8年)3月:第3師団改編(司令部第4部長独立。第3後方支援連隊武器隊が大隊に改編)
- 1997年(平成9年)1月:山陰地方タンカー重油流出に伴う災害派遣
- 1998年(平成10年)7月:北方機動特別演習
- 2000年(平成12年)7月:北方機動特別演習
- 2002年(平成14年)1月:第13次UNDOF派遣輸送隊派遣
- 2005年(平成17年)
- 4月25日:JR福知山線脱線事故に伴う災害派遣
- 4月26日:本師団を基幹とする第6次イラク復興支援群が編成され、群長には第36普通科連隊長の鈴木純治一等陸佐が補せられる。
- 6月16日:第7普通科連隊に軽装甲機動車(LAV)約20両が配備され、受領報告式が行なわれる。
- 2006年(平成18年)3月27日:即応近代化師団に改編される。本師団が政経中枢機構の警備に当たる師団であることから、より現代的な危機に対応するために、火砲(特科兵器)を縮小した一方でCQB・対NBC能力を強化している。
- 普通科連隊などに狙撃班を新編。
- 第3特科連隊(姫路駐屯地、定員約1300名)は第3特科隊(定員約500名)に縮小。主要装備の155ミリ榴弾砲 FH70は定数を45門から20門に縮小。
- 化学防護部隊では、師団司令部付隊化学防護小隊(定員約20名)を師団直轄部隊として、第3特殊武器防護隊(定員約50名)に改編。
- 2011年(平成23年)3月15日:東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣部隊として、約500人、200車両からなる第3師団生活支援隊を編成[5]。隊長には第3後方支援連隊長の黒丸逸朗一等陸佐が補せられる[5]。
編制・駐屯地
司令部
主要幹部
職名 | 氏名 | 階級 | 就任日 | 出身校・期 | 前職 |
---|---|---|---|---|---|
師団長 | 小林茂 | 陸将 | 2014年8月5日 | 防大27期 | 第15旅団長 |
副師団長(兼千僧駐屯地司令) | 岩谷要 | 陸将補 | 2014年3月28日 | 防大28期 | 統合幕僚監部運用部副部長 |
幕僚長 | 佐々木俊哉 | 1等陸佐 | 2014年3月23日 | 防大31期 | 中央即応集団司令部幕僚副長 |
代 | 氏名 | 在任期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 |
---|---|---|---|---|---|
第3管区総監 | |||||
1 | 大森寛 | 1950.10.9 - 1954.6.30 | 東京帝国大 | 第1管区総監 | |
2 | 金山國治 | 1954.7.1 - 1957.3.11 | 東京帝国大学 | 保安隊幹部学校長 | 陸上幕僚監部所属 (防衛研修所派遣) →1957.8.16退職 |
3 | 杉田一次 | 1957.3.12 - 1959.7.31 | 陸士37期・ 陸大44期 |
富士学校長 | 東部方面隊準備本部長 |
4 | 長谷部清 | 1959.8.1 - 1962.1.17 | 陸士40期・ 陸大47期 |
第10混成団長 | 第3師団長 |
第3師団長 | |||||
1 | 長谷部清 | 1962.1.18 - 1962.7.31 | 第3管区総監 | 陸上幕僚監部第5部長 | |
2 | 山田正雄 | 1962.8.1 - 1964.3.15 | 東京帝国大 | 第6管区総監 | |
3 | 田中兼五郎 | 1964.3.16 - 1965.3.15 | 陸士44期・ 陸大54期 |
陸上幕僚監部第3部長 | |
4 | 大島輝之助 | 1965.3.16 - 1968.3.13 | 武器補給処長 | ||
5 | 衣笠駿雄 | 1968.3.14 - 1969.6.30 | 陸士48期・ 陸大55期 |
陸上幕僚監部第3部長 →1968.3.16陸将昇任 |
陸上幕僚副長 |
6 | 堀江正夫 | 1969.7.1 - 1970.6.30 | 陸士50期・ 陸大57期 |
東部方面総監部幕僚長 | 陸上幕僚監部第5部長 |
7 | 口野昌三 | 1970.7.1 - 1972.3.16 | 関西地区補給処長 | 退職 | |
8 | 山次惟貞 | 1972.3.16 - 1974.3.16 | 陸士51期・ 陸大59期 |
施設学校長 | 退職 |
9 | 高品武彦 | 1974.3.16 - 1975.3.16 | 陸士54期 | 陸上幕僚監部第3部長 | 防大幹事 |
10 | 田中潔 | 1975.3.17 - 1977.3.16 | 東部方面総監部幕僚長 | 東北方面総監 | |
11 | 松永明 | 1977.3.16 - 1978.7.1 | 武器補給処長 | 退職 | |
12 | 林榮一郎 | 1978.7.1 - 1979.7.31 | 海兵74期 | 陸上幕僚監部調査部長 | 防大幹事 |
13 | 佐藤久美 | 1979.8.1 - 1981.7.1 | 陸士58期 | 東北方面総監部幕僚長 | 退職 |
14 | 横地光明 | 1981.7.1 - 1983.3.15 | 東京理科大学 | 陸上幕僚監部装備部長 | 富士学校長 |
15 | 稲森友三郎 | 1983.3.16 - 1984.7.1 | 陸上幕僚監部教育訓練部長 | 退職 | |
16 | 井上年弘 | 1984.7.1 - 1986.3.16 | 九州大学 | 陸上幕僚監部教育訓練部長 | 北部方面総監 |
17 | 多田利雄 | 1986.3.17 - 1988.3.15 | 東北方面総監部幕僚長 | 中部方面総監 | |
18 | 深山明敏 | 1988.3.16 - 1990.3.16 | 防大1期 | 中部方面総監部幕僚長 | 退職 |
19 | 君嶋信 | 1990.3.16 - 1991.3.15 | 防大3期 | 第1特科団長 | 幹部学校長 |
20 | 隈部正則 | 1991.3.16 - 1993.6.30 | 防大5期 | 北部方面総監部幕僚長 | 東北方面総監 |
21 | 浅井輝久 | 1993.7.1 - 1995.3.23 | 防大5期 | 陸上幕僚監部監察官 | 退職 |
22 | 山口賢介 | 1995.3.23 - 1997.3.26 | 防大7期 | 幹部候補生学校長 | |
21 | 千田稔 | 1997.3.26 - 1998.7.1 | 防大8期 | 防衛研究所副所長 | |
24 | 先崎一 | 1998.7.1 - 1999.12.9 | 防大12期 | 陸上幕僚監部人事部長 | 陸上幕僚副長 |
25 | 松川正昭 | 1999.12.10 - 2001.3.26 | 防大13期 | 北部方面総監部幕僚長 | 統合幕僚会議事務局長 |
26 | 小野寺平正 | 2001.3.27 - 2002.3.22 | 防大11期 | 第13旅団長 | 退職 |
27 | 林直人 | 2002.3.22 - 2003.6.30 | 防大15期 | 統合幕僚会議事務局第3幕僚室長 | 陸上幕僚副長 |
28 | 椋木功 | 2003.7.1 - 2005.1.11 | 防大16期 | 統合幕僚会議事務局第3幕僚室長 | 情報本部長 |
29 | 五藤正美 | 2005.1.12 - 2007.7.2 | 防大16期 | 高射学校長 | 退職 |
30 | 関口泰一 | 2007.7.3 - 2008.7.31 | 防大20期 | 陸上幕僚監部防衛部長 | 陸上幕僚副長 |
31 | 長谷部洋一 | 2008.8.1 - 2009.7.20 | 防大20期 | 第12旅団長 | 幹部学校長 |
32 | 藤崎護 | 2009.7.21 - 2011.8.4 | 防大22期 | 統合幕僚監部総務部長 | 中央即応集団司令官 |
33 | 番匠幸一郎 | 2011.8.5 - 2012.7.25 | 防大24期 | 陸上幕僚監部防衛部長 | 陸上幕僚副長 |
34 | 山下裕貴 | 2012.7.26 - 2013.8.21 | 大分工業大学[6] | 東部方面総監部幕僚長 | |
35 | 鈴木純治 | 2013.8.22 - 2014.8.4 | 防大26期 | 中部方面総監部幕僚長 |