竹とんぼ
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竹とんぼ(たけとんぼ、竹蜻蛉)とは、回転翼と翼をまわすための軸によって構成される日本の伝統的な飛翔玩具である。
構造
竹を切り出してプロペラ状の竹片とし硬い竹ひごを軸となる心棒として取り付けたもの[1][2]。ただ、本来は竹製玩具であるが、近年はプラスチック製のものもある。心棒を両手の手のひらでこすり合せるように回転させてプロペラの揚力で空へ飛ばす[1][2]。
竹とんぼの中には翼部分に2つの穴があり2股の心棒を用いて翼(プロペラ)だけ飛ばすものもある[1]。さらに、巻きつけた糸を使うなどして回転翼部分のみを回転させ、これのみ飛翔する場合がある。翼の効率が同じなら翼が分離する型のほうが軽いため高く飛ぶ。
推進力は軸部分を回転させることで得る。上のように簡易なものの場合は両掌を相互に逆方向へすり合わせる動きで軸を回転させ利用するが、糸などで軸をコマのように回転させて揚力を得る場合には、軸に巻きつけられた糸を引くことによって、揚力を得る。
起源
一説には江戸時代に平賀源内が作ったという説もあるが、奈良時代の長屋王邸跡から類似の木製品が発掘されており、古来からの玩具だった可能性が考えられている。
また、類似の玩具は中国にも古くあり、東晋時代に葛洪が著した道教と煉丹術の文献『抱朴子』にも「飛車」というものがでてくる。15世紀にはヨーロッパに伝わったとみられ、聖母子像の中にはこのような玩具を持った絵もある。
イベント
- 全国竹とんぼ競技大会 - 飛距離や滞空時間を競う全国大会