白骨温泉
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テンプレート:日本の温泉地 白骨温泉(しらほねおんせん)は、長野県松本市安曇(旧国信濃国)にある温泉である。
泉質
- 胃腸病、神経症、婦人病、慢性疲労などに効能があり、その昔「白骨の湯に三日入ると三年は風邪をひかない」とも言われたがその真偽は定かではない[1]。
- 湧出時には透明な温泉が、時間の経過によって白濁する。白濁の要因は、温泉水中に含まれている硫化水素から硫黄粒子が析出すること及び重炭酸カルシウムが分解し炭酸カルシウムに変化することである。浴槽の淵などには白い炭酸カルシウムの固形物が付着している。
温泉街
飛騨山脈(北アルプス)の、乗鞍岳、十石岳、霞沢岳の麓に位置する山峡の温泉地である。乳白色の湯として全国的に知られ、多くの旅行雑誌などに取り上げられている。近くには、上高地や乗鞍高原がある。
県道白骨温泉線の終点付近にある観光案内所周辺が温泉地の中心部であり、このエリアに9軒の旅館・ホテル、1軒の共同野天風呂および数軒の食事処・土産物屋がある。
また1kmほど南に下った、上高地乗鞍スーパー林道B線の起点付近には3軒の旅館(泡の湯、小梨の湯笹屋、丸永旅館)がある。近くに泉がある。
温泉地の「白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石」は、1922年に国の天然記念物、1952年には国の特別天然記念物に指定されている。
歴史
温泉宿としては元禄年間に信濃の人・齋藤孫左衛門により開かれた。現在も齋藤姓の宿が多い。
他の文人ともゆかりが有り、若山牧水はこの温泉を好んで訪れた。
催事
- 白骨温泉花火大会(8月初旬)
入浴剤問題
2004年7月、日帰り浴場の「野天風呂」をはじめ、一部の旅館やホテルで入浴剤(草津温泉ハップ、610ハップ)を混ぜていたことが発覚した[2]。その中に当時の安曇村村長が経営していた旅館も含まれていたことから、村長は責任を取って辞職した。入浴剤混入の動機は、1996年頃より十数か所ある源泉の一部において白濁が薄くなったこととされている。騒動以降日帰り浴場の「野天風呂」は閉鎖されていたが、2005年4月28日に営業を再開した。一連の問題への対応として、長野県では温泉の信頼回復を図るために「安心・安全・正直」な信州の温泉表示認証制度 を2004年11月に創設した。