牡丹と薔薇
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『牡丹と薔薇』(ぼたんとばら)は、東海テレビ・フジテレビ系列で、2004年1月5日から3月26日まで放送された昼のテレビドラマである。全60回。
概要
- 数奇な運命に翻弄され苛酷な人生を歩む姉妹・牡丹(ぼたん・真世/大河内奈々子)と薔薇(香世/小沢真珠)の、34年に及ぶ壮大な愛と狂気の物語。東海テレビ昼ドラお得意の「ドロドロ愛憎劇」の究極とも言える作品。「役立たずのブタ!」、「パパ嫌、パパイヤよ」などの濃いセリフやジェットコースターのようなめまぐるしいストーリー展開で「ボタバラ旋風」を巻き起こし、番組終了後も根強い人気を誇る。関西テレビにて再放送が開始された影響もあり、2010年1月12日からインターネット検索の急上昇ワードになった。
- 母・鏡子(川上麻衣子)が2カラットダイヤ付きタイピンを「おいしい、おいしい!」と飲み込み、さらに「出すときは子供を産むのと同じぐらい辛い思いをしたの」と不敵な笑みを湛えるシーンや、香世がぼたんと浮気をする清原由岐雄(西村和彦)へ牛皮財布にグレイビーソースをかけた珍料理財布ステーキを出すシーンが、特に衝撃を与えた。珍料理は2002年の同じく中島丈博脚本『真珠夫人』でも“たわしコロッケ”が登場しているが、中島脚本による次回作『偽りの花園』でもどんな珍料理が登場するか話題になった。
- 2004年4月14日には『クイズ!ヘキサゴン・牡丹と薔薇スペシャルバトル』が放送され、レギュラー陣6人が出演している。同年7月にはDVD-BOXが発売された。
- 2007年1月15日から中国CCTV8チャンネルで『牡丹與玫瑰』のタイトルで、毎日22:00から放送されたが、現地中国では「CCTVは公の場で謝罪しろ」など反発が相次いだ。特に姉妹間のレズビアンシーン、暴力シーンが反発を呼んだ(参照:中國中央電視台・牡丹與玫瑰事件)。
- 2011年1月から、BSフジ「昼ドラ名作選」(平日15:00からの1時間枠)で毎回2話づつ放送されている。
- 2011年7月4日からは、系列外の北陸朝日放送(テレビ朝日系列)でも放送されている。
- 2011年11月にはサンセイR&Dよりパチンコ「CR牡丹と薔薇」を発表、翌2012年1月から稼動した。本機種向けの新規収録ムービーも演出に加えられた。東海テレビ昼ドラマとしては初のパチンコ化された作品となった。2012年1月からタイアップとして深夜枠で東海テレビで4話ずつ再放送されていた。
あらすじ
昭和45年、看護婦の上村鏡子は33歳。建築家である年下の恋人・是沢豊樹と同棲して8年になる。年齢的なこともあり鏡子は子供が欲しくてたまらなかった。一方、豊樹はパーティーでアルマ建設という巨大建設会社の社長・野島泰造の一人娘・富貴子と知り合う。 彼らは恋に落ち、富貴子はそれから3ヶ月足らずで豊樹の子を妊娠する。同じ頃鏡子も妊娠するが、それは単なる想像妊娠であり、鏡子自身も「妊娠しにくい体」である事を医師に宣告されるまで知らなかった。 それでも鏡子は豊樹をひき止めようと妊婦の振りをするが、腹に付けていた水枕が落ちた事で豊樹にばれてしまい、絶縁される。後日、仕事から帰った鏡子が目にしたのは、豊樹の荷物が跡形も無く消えていた自分の部屋だった。鏡子は愕然とし、号泣する。昭和46年6月、豊樹は富貴子と結婚し野島家に婿入りし、10月13日に女児が生まれ真世と命名するが、その夜、真世は産院から誘拐される。その犯人はあろうことか鏡子であった。 子供欲しさと復讐のために豊樹達の行動を監視して真世のベッドを把握、看護婦という立場を利用し、巡回と偽って新生児室に忍び込み、真世を奪い去ったのである。警察や富貴子からの追求を巧みに逃れた鏡子は、豊樹たちから奪い取った真世を改めて「ぼたん」と名付け自分の娘として育てる。 それが後にぼたんこと真世を過酷で陰惨な運命に導いた事を意に介さないように…。一方、真世を鏡子に奪われた事を突き止める事が出来ず、悲嘆に暮れていた野島夫妻は翌年また女児を授かり、香世と命名する。
月日は流れ、ぼたん(真世)が中学2年生になった昭和60年、香世という一つ年下のダイヤモンド付きの薔薇のブローチを持ち歩く金持ちの友人ができる。香世はそのブローチをぼたんにプレゼントし、二人は実の姉妹であることも知らずに友情を育むが、ふとしたことがきっかけでぼたんは香世に翌年、一方的に絶交を言い渡してしまう。
7年後の平成4年12月、21歳になったぼたんは家計を助けるためデートクラブで働くことにするが、最初の客として現れたのは香世の父・豊樹であった。豊樹はぼたんを抱くことをせず、ぼたんを野島家の住み込み侍女として雇うことに。しかし昔絶交を言い渡された悔しさを忘れられない香世の数々の仕打ちが彼女を待ち受けていた。やがて全ての人が真実を知る日が訪れ…。
キャスト
- 大河内奈々子 - ぼたん(野島真世)(野島家長女)
- 由岐雄と恋に落ちるが、香世の事を考え身を引き浅間の妾になる事を決める。
- 由岐雄への思いを断ち切る為、浅間と関係を持つ前に由岐雄と結ばれ妊娠(後の麗香)する。
- 麗香を通して、由岐雄との仲が再燃。不倫関係になり、香世と壮絶な争いに。
- 物語終盤、腎臓病を発症するも、移植手術を受け全快。その後は香世と暮らしている。
- 小沢真珠 - 野島→清原香世(野島家次女)
- ぼたん(真世)の妹。中学生の頃、まだ実の姉妹とは知らずにぼたんと出会う。
- 父・豊樹の不倫が原因で、ぼたんから一方的に「絶交」を言い渡され、恨みを抱く。
- 成人後、再会し家政婦として目の前に現れたぼたんへ執拗ないじめを繰り返す。
- のちに、生き別れた姉だと分かり、和解。
- 川上麻衣子 - 上村(結婚後・三上)鏡子(豊樹の元恋人、ぼたんの義母)
- 看護師。豊樹と同棲していたが破局。
- その後豊樹&富貴子への嫉妬心と子供が欲しかった事から、2人の間に生まれた娘・真世を誘拐し「ぼたん」と名付け密かに育てる。
- 物語中盤、病を患い死の直前。豊樹夫妻に真実を明かし、謝罪。他界する。
- (旧姓・是沢)鏡子と同棲していたが、彼女を捨てて富貴子と結婚し野島家の婿養子に。
- ぼたん・香世が中学生時代に、鏡子と再会。
- 不倫関係になってしまい、その事がぼたんと香世の友情を決裂させる原因に。
- アルマ建設社長令嬢。あるパーティーで、豊樹と出会い恋に落ちる。
- 鏡子が自宅ガレージで自殺を図り、搬送されて入院している時に病室を訪れ、罵声を浴びせる。
- この事が、鏡子によるぼたん略奪の原因に。
- 中学生。病院で香世と出会い友人になる。
- 安谷屋なぎさ - 野島香世:子役
- 真世の誘拐事件から1年後に生まれた娘で中学生。ぼたんと出会い友人になる。
- 西村和彦 - 清原由岐雄(ぼたんの元婚約者、香世の夫、麗香の実父)
- 野島家の遠縁。ぼたんとは、ぼたんが養母・鏡子の墓参りをしている時に知り合う。
- その後、ぼたんと婚約するが、嫉妬した香世によるレイプ事件が原因で暗礁に乗り上げる。
- 野島夫妻の墜落死後、浅間象造がぼたんを妾にした事で破局。その後、香世と結婚。
- のちに麗香が実の娘と知り、その事がきっかけで愛が再燃。再び姉妹の愛憎劇に巻き込まれる事に。
- 新藤恵美 - 内田美晴(泰造の愛人、富貴子の実母、ぼたん・香世の祖母、麗香の曾祖母)
- 小料理店・『みはる』を経営。ぼたんたちを暖かく見守る。
- 佐藤仁哉 - 野島泰造(富貴子の父、ぼたん・香世の祖父、麗香の曾祖父)
- アルマ建設社長。香世が中学生の頃、豊樹とは会社の経営等をめぐり、対立するように。
- 穏やかな女性。香世が中学生の時に病死。
- 腕のいい板前だったが、鏡子が豊樹と不倫している事を知ると激怒。その後、家を出た。
- ぼたんが野島家で長女として暮らして1年が経ったころ、ひょっこり現れる。
- 和人からぼたんが香世の雇った男たちから、レイプされて結婚話が暗礁に乗り上げた事を知ると、激怒し野島家へ乗り込み、香世の陰謀を暴露。
- さらに香世を殺害しようとするが、かばったぼたんを刺してしまう。
- 姉思いの青年。成人後は、医師になる。
- 井田国彦(現・井田國彦) - 賢太郎(由岐雄の友人、香世の元恋人)
- 医師をしていて、香世に一目ぼれ。
- 香世が由岐雄をあきらめるため、付き合っていたが、のちにフラれた。
- 父親である浅間とは歳が離れている事もあり全く懐かず「パパ嫌、パパイヤよ」と言い放つ。
- 妻(藤江リカ)がいるが、ぼたんに「妾になってくれ」と言い寄る。
- 麗香を我が子と信じ可愛がるが、懐いてもらえない。
- のちに麗香が実の娘ではない事を知ると、激怒。ぼたんに、「この女狐!!」と言い放ち平手打ち。
- 香世をそそのかし、麗香をぼたんから引き離す。
ほか
スタッフ
- 企画 - 鶴啓二郎(東海テレビ放送)
- 脚本 - 中島丈博
- 音楽 - 中川幸太郎
- 音楽制作 - インスパイア・ホールディングス
- 技術 - 末廣健治(ビデオフォーカス)
- 撮影 - 青木泰弘(ビデオフォーカス)
- 美術協力 - KHKアート
- 技術協力 - ビデオフォーカス、ブル、サンライズアート
- スタジオ - 国際放映TMC-1
- 協力 - 山崎美術、パルティール、東宝コスチューム、カースタントTA・KA、NK特機
- 万華鏡制作 - 山見浩司
- 日本画制作 - 石元靖大
- スケジュール - 田中康司
- 制作主任 - 山本礼二
- 演出補 - 舘野和彦、最知由岐斗
- スチール - 星野健一
- 広報 - 植木圭一(東海テレビ放送)、山本聡美(東海テレビ放送)
- 記録 - 上出悦子
- プロデューサー補 - 服部宣之(東海テレビ放送)、大越大士(ビデオフォーカス)
- プロデューサー - 西本淳一(東海テレビ放送)、大久保直実(ビデオフォーカス)
- 演出(週替わり) - 西本淳一、油谷誠至、皆川智之、藤木靖之
- 制作 - 東海テレビ放送、ビデオフォーカス
主題歌・劇中歌
- 岡本知高 「涙のアリア」(ユニバーサルミュージック)
- 中村彰一(現・SYO-1) 「牡丹と薔薇」(TENT HOUSE)
その他
2011年現在、東海テレビ側の番組著作権は切れており、ビデオフォーカスに移管されている。制作会社に著作権があるため、権利移管後の2006年頃からは系列に属さない独立UHF局や他系列の地方局でも放送されたところがある。この場合、フジ系列外の一部の局ではスタッフクレジットの最後の“制作:東海テレビ放送、ビデオフォーカス”を“制作:ビデオフォーカス”と差し替えて放送したところもあった。この差し替えは本作に限らず、同枠の他の作品でも行われている。なおパチンコでのクレジットは中島丈博・ビデオフォーカス・東海テレビの連名となっている。
サブタイトル
第1週 | 第2週 | 第3週 | ||||||
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回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル |
第1話 | 2004.1.5 | 33歳の焦燥 | 第6話 | 2004.1.12 | 女同士の火花 | 第11話 | 2004.1.19 | 友情のブローチ |
第2話 | 2004.1.6 | 初の無断外泊 | 第7話 | 2004.1.13 | 怨念の遺書… | 第12話 | 2004.1.20 | 恐れていた再会 |
第3話 | 2004.1.7 | 秘密の小旅行 | 第8話 | 2004.1.14 | 消えた赤ん坊 | 第13話 | 2004.1.21 | 裏切りの情事 |
第4話 | 2004.1.8 | 不気味な妊娠 | 第9話 | 2004.1.15 | 疑惑のミルク缶 | 第14話 | 2004.1.22 | 帰らない父親 |
第5話 | 2004.1.9 | 美味しいダイヤ | 第10話 | 2004.1.16 | 孝行娘と我儘娘 | 第15話 | 2004.1.23 | 浮気の証拠品 |
第4週 | 第5週 | 第6週 | ||||||
回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル |
第16話 | 2004.1.26 | 母親の愛人… | 第21話 | 2004.2.2 | 投げられた灰皿 | 第26話 | 2004.2.9 | 恋の妨害工作 |
第17話 | 2004.1.27 | 社長室への客 | 第22話 | 2004.2.3 | 意地悪なバラ | 第27話 | 2004.2.10 | 切られたドレス |
第18話 | 2004.1.28 | 涙の絶交宣言 | 第23話 | 2004.2.4 | 不良のパーティ | 第28話 | 2004.2.11 | 証拠の花刺繍 |
第19話 | 2004.1.29 | 特別なバイト | 第24話 | 2004.2.5 | 抜き取ったお金 | 第29話 | 2004.2.12 | 帰ってきた長女 |
第20話 | 2004.1.30 | 七年後の奇跡 | 第25話 | 2004.2.6 | 余命1ヵ月… | 第30話 | 2004.2.13 | 悪意のシナリオ |
第7週 | 第8週 | 第9週 | ||||||
回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル |
第31話 | 2004.2.16 | のぞかれた情事 | 第36話 | 2004.2.23 | 理解不能な女心 | 第41話 | 2004.3.1 | 債権者の乱入 |
第32話 | 2004.2.17 | 嫉妬の小悪魔 | 第37話 | 2004.2.24 | 婚約の日の悲劇 | 第42話 | 2004.3.2 | 卑劣な交換条件 |
第33話 | 2004.2.18 | 恋に落ちる予感 | 第38話 | 2004.2.25 | おぞましい真相 | 第43話 | 2004.3.3 | 思い出の一夜 |
第34話 | 2004.2.19 | 初めてのデート | 第39話 | 2004.2.26 | 延期された結婚 | 第44話 | 2004.3.4 | 愛人生活 |
第35話 | 2004.2.20 | 真夜中の儀式 | 第40話 | 2004.2.27 | 事故のニュース | 第45話 | 2004.3.5 | 正妻からの嫌がらせ |
第10週 | 第11週 | 最終週 | ||||||
回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル | 回 | 放送日 | サブタイトル |
第46話 | 2004.3.8 | 夫婦のすきま風 | 第51話 | 2004.3.15 | 9年間の裏切り | 第56話 | 2004.3.22 | いたいけな人質 |
第47話 | 2004.3.9 | 半狂乱の告白 | 第52話 | 2004.3.16 | 狂った脅迫者 | 第57話 | 2004.3.23 | 告げられた病名 |
第48話 | 2004.3.10 | 嫉妬の出向命令 | 第53話 | 2004.3.17 | 連れさられた子 | 第58話 | 2004.3.24 | 死なないで! |
第49話 | 2004.3.11 | 出張前夜の密会 | 第54話 | 2004.3.18 | 秘密の甘い時間 | 第59話 | 2004.3.25 | 退院の日の衝撃 |
第50話 | 2004.3.12 | 狂乱する香世 | 第55話 | 2004.3.19 | 悔し涙の尾行 | 最終話 | 2004.3.26 | 永遠の姉妹愛 |
平均視聴率 9.0%、最高視聴率 13.8%(関東地区) | ||||||||
特別編「金曜エンタテイメント」 視聴率 17.6%(関東・東海)・18.8%(関西) |
完結版
金曜エンタテイメント枠にて、『牡丹と薔薇 完結版』として2004年4月23日の21:00 - 22:52に放送された。
スタッフ
- 企画・編成- 鶴啓二郎(東海テレビ放送)、荒井昭博(フジテレビ)
- 脚本 - 中島丈博
- 音楽 - 中川幸太郎
- 音楽制作 - インスパイア・ホールディングス
- 技術 - 末廣健治(ビデオフォーカス)
- 撮影 - 青木泰弘(ビデオフォーカス)
- 美術協力 - KHKアート
- 技術協力 - ビデオフォーカス、ブル、サンライズアート
- スタジオ - 国際放映TMC-1
- 協力 - 山崎美術、パルティール、東宝コスチューム、カースタントTA・KA、NK特機
- スケジュール - 田中康司
- 制作主任 - 山本礼二
- 演出補 - 最知由岐斗
- スチール - 星野健一
- 広報 - 神戸慎司(フジテレビ)、植木圭一(東海テレビ放送)、山本聡美(東海テレビ放送)
- 記録 - 上出悦子
- プロデューサー補 - 服部宣之(東海テレビ放送)、大越大士(ビデオフォーカス)
- プロデューサー - 大久保直実(ビデオフォーカス)
- 演出・プロデューサー - 西本淳一(東海テレビ放送)
- 制作 - 東海テレビ放送、フジテレビ、ビデオフォーカス