渚にて (バンド)
渚にて(なぎさにて)は、日本の音楽バンド。柴山伸二、竹田雅子の夫妻を中軸として1992年より活動。
目次
結成以前
柴山は、1980年代の京都のアンダーグラウンド音楽シーンにおいて、非常階段の前身、螺旋階段に在籍していた高山謙一、頭士奈生樹らが結成したバンド、イディオット・オクロックのメンバーとしてライブ活動を続ける傍ら、ハレルヤズとして、柴山のソロ・プロジェクトでありながら、さまざまなミュージシャンが曲提供・出演する形でのレコーディングを行なった。1986年、ハレルヤズのアルバム・リリースから自主レーベル、Org Recordsの活動を始動。このレーベルは、イディオット・オクロックのメンバーの各プロジェクトのほか、工藤冬里を中心とするMaher Shalal Hash Bazの一連の作品のリリースにより内外に知られる。
1990年代
柴山は1992年に「レコードとして完成されたもの」を目指して渚にてとしてソロでのスタジオ・レコーディングを開始し、1995年にアルバムとしてリリースする。このアルバムでは柴山の曲作りにおける「声のイメージ」としてのみ関与していた竹田が正式に加入した結果、2枚目以降のアルバムは、柴山と竹田が共にリーダーとして曲作りを担当した作品となっている。山本精一の難波ベアーズを中心としてライブ活動も行なった。1996年にはハレルヤズのアルバムがPSFレコードからCDリリースされた。1999年には英Wire誌によるドミノ・レコーズのサンプラーに、Maher Shalal Hash Bazの作品と並んでハレルヤズ作品「星」のパステルズによるカバーが取り上げられた。
2000年代
2000年にはP-vinesにより過去作品が全国流通でCDリリースされ、2001年にドミノ・レコーズ傘下でスティーブン・パステル(パステルズ)の運営するGeographicレーベルからリリースされたハレルヤズを含む過去作品のコンピレーション・アルバム"SONGS FOR A SIMPLE MOMENT"の日本盤『ほんの少しのあいだ』もP-vinesが発売した。2001年のアルバムではゲストドラムにティム・バーンズ(ジム・オルーク・バンド)を迎え、この作品以降はP-vinesとJagjaguwarからの日米リリースとなっている。
Oz Disc主宰の田口史人が2000年にリリースしたサンプラー「so far songs」は、17組のボーカルをフィーチャーしたローファイなインディーバンドのコンピレーション・アルバムであるが、「うたもの」としてメディアに取り上げられ、同作品にも登場した渚にても、羅針盤とともに「うたもの」の代表バンドと紹介された時期がある。また、バンド名や曲名「渚のわたし」の渚の英訳が、ニール・ヤングの1974年のアルバム作品"On the beach"(邦題『渚にて』)と同名であるため、英語圏での紹介でこの時期のニール・ヤング作品からの影響が示唆されることがあるが、柴山自身はブログ等でネビル・シュートのSF小説の映画化作品から取ったとしている。
メンバー
- 柴山伸二(Vocal, Guitarなど)
- 竹田雅子(Vocal, Drums, Bassなど)
元メンバー
ゲストミュージシャン
- 頭士奈生樹(exイディオット・オクロック、非常階段)
- ティム・バーンズ(ジム・オルーク・バンド)
- 山本精一(羅針盤、ボアダムス)
- 吉田正幸(羅針盤)
- 中崎博生(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)
- 中村宗一郎(exホワイト・ヘヴン)
など
特集・インタビュー
- 『G-Modern』vol.17 (1998)
- 『大食』vol.3 (1997) オルグ・レコード主宰としてのインタビュー
- 『Indies Magazine』vol.46 pp110-113 (日常から生まれる音楽「うたもの音楽特集」pp101-123)(2001)
ディスコグラフィー
アルバム
- 渚にて(2000年7月25日、オリジナル・リリース1995年)
- 渚のわたし
- 裏切りの挽歌
- お前を捨てる
- きのうのはなし
- 愛のしるし
- 不実の星
- あなたを捨てる
- 渚にて
- 彼等
- むかしのはなし
- 女
- 太陽の世界(2000年7月25日、オリジナル・リリース1998年)
- 渚にて
- 朝顔/川
- わたしのはなし
- 太陽の世界
- 彼女のはなし
- やさしいにっぽん人
- 裏切りの挽歌
- 渚のわたし
- 結合の神秘(頭士奈生樹のカヴァー)
- 本当の世界(2000年7月25日、オリジナル・リリース1999年)
- 本当の世界
- マロとクマオー
- 夕方の一部
- 雪のように
- 世界とわたし
- 夜明けの轍
- 散歩
- 彼女のはなし
- こんな感じ(2001年6月25日)
- 新世界
- 川をわたる歌のうた
- わたしたち
- 風のつよさ
- こんな感じ
- 朝顔
- 肴のはやさ
- 波のつよさ
- マロ
- 星々
- 花とおなじ(2004年5月7日)
- 花とおなじ
- 玉
- 川
- ともし灯
- 妻
- いばら
- 草のかなたに
- うたのあとで
- 知ってる感じ
- 夢のサウンズ(2004年10月15日)
- 本当の世界
- 走る感じ
- 渚のわたし
- 太陽の世界
- よすが(2008年6月20日)
- 予感
- 七つの海
- 海がみえたら
- Gのやつ
- ひみつ
- 夏のまうえ
- Ishi River
- あくる日
- 夜のほとり
- クマオー
- 星のあつまり
- よすが
- 天のつゆ