涙の乗車券
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「涙の乗車券」 ("Ticket To Ride")はイギリスのロック・バンド、ビートルズの楽曲である。
解説
本作は1965年4月9日に発売された9枚目のオリジナル・シングル曲である。レノン=マッカートニーの作。実質的にはジョン・レノンの作品とされる。リード・ヴォーカルはジョン。ヴァースからサビ、ブリッジに至るまで、ほぼ全編にわたってポール・マッカートニーがハーモニーを付けている。リードギターはポール・マッカートニー。ただしイントロからのギターリフはジョージ・ハリスンの12弦ギターによるものである[1]。ユニークなつっこみ気味のドラム・パターンはポール・マッカートニーのアイデアといわれている[2]。ドラム、ギターのイントロとともに、当時としてはヘヴィーなナンバーである。1980年、ジョン・レノンは「これはぼく。ヘヴィ・メタル・レコードとしては、最も早いもののひとつ。/リンゴのドラムはポールのおかげだ。」と語っている[3]。
タイトルはイギリス・ワイト島にライド(Ryde)というフェリー港があり、"Ticket to Ride"はそのフェリー港までの切符"Ticket to Ryde"にかけた洒落である。
「涙の乗車券」は1965年4月にシングル盤としてリリースされた後、同年8月にリリースされたアルバム『4人はアイドル』にも収録された。映画『ヘルプ!4人はアイドル』でもスキーのシーンで使用された。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では384位にランクされている。
ステレオ・ヴァージョン
「涙の乗車券」のリアル・ステレオ・ヴァージョンは1965年8月にリリースされたアルバム『4人はアイドル』ステレオ盤に収録された。CDでは1987年4月にリリースされたアルバム『4人はアイドル』に収録された。
アメリカでは1982年3月にリリースされたアルバム『リール・ミュージック』に収録された。それ以前の『ヘルプ(四人はアイドル)』(ステレオ盤)では疑似ステレオ・ヴァージョンが、『ザ・ビートルズ1962年~1966年』ではモノラル・ヴァージョンが収録されていた。
ミキシング
モノラル・ヴァージョンはステレオ・ヴァージョンに比較してフェード・アウトが少し早い。
シングル盤
シングル盤は1965年4月9日にリリースされ、イギリスで58万枚、アメリカでも50万枚以上のセールスを記録した。イギリスのメロディーメーカーで5週連続第1位を記録、アメリカのビルボード誌では、1965年5月22日に週間ランキング第1位を獲得した。ビルボード1965年年間ランキングでは第31位だった。キャッシュボックス誌でも1週だけ第1位を獲得し、年間ランキングは36位。B面は「イエス・イット・イズ」。こちらはビルボード最高位46位を記録している。
収録盤
- 『4人はアイドル』
- 『ヘルプ(四人はアイドル)』
- 『オールディーズ』
- 『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』
- 『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』
- 『ザ・ビートルズ/グレイテスト・ヒッツ』
- 『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』
- 『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』
- 『ザ・ビートルズ1』
カヴァー
- 1969年、カーペンターズは、本作をメジャー・デビュー曲として採り上げてシングル・リリースした。アメリカのビルボード誌では最高位54位だったが、ロング・ヒットとなり、後の成功への布石となった。ビートルズのオリジナルに比べると大幅にテンポを遅くしており、カレン・カーペンターがドラムスを叩きながらバラード風に歌っていた。歌詞はオリジナルのビートルズは男性であったが、リード・ヴォーカルのカレンが女性であるため英語圏の通例に従って girl は boy に、"She's got a ticket to ride but she don't care" は "He's got a ticket to ride and he don't care" に変更されている。
- ミニアルバム「Pride」収録。クイーンやレッド・ツェッペリンを彷彿とさせるハードロック的なアレンジで仕立てている。ライヴでもたびたび披露される。
- キャンディーズはセカンド・アルバム『危い土曜日〜キャンディーズの世界〜』で、この曲を採り上げた。
- キューピッツ
- 麻生京子
脚注
- ↑ ただしこの曲のライヴ演奏時は、ベーシストのポールが同時演奏することが不可能なため、ジョージ・ハリスンがほぼ忠実に再現していた。
- ↑ 同時期のセッションで録音されたポール作の未発表曲"That Means A Lot"でも同様のドラムパターンが試されている。
- ↑ 『PLAYBOYインタビュー ジョン・レノン』、1981年 集英社(181頁)
関連項目
- ワイト島#小説や音楽に出てくるワイト島 - 原題のタイトルの所以となった曲「ライド港への乗車券」(Ticket to Ryde)のライド港のある島。