法然院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:日本の寺院 法然院(ほうねんいん)は、京都市左京区鹿ヶ谷にある浄土宗系の寺院である。元は浄土宗内の独立した一本山であったが、昭和28年(1953年)に浄土宗より独立し、単立宗教法人となる。正式名は、「善気山法然院萬無教寺」と号するが、院号の「法然院」で名が通っている。別称には「本山獅子谷法然院」がある[1]。
歴史
寺の起こりは、鎌倉時代に、法然が弟子たちと共に六時礼讃行を修した草庵に由来するという。
江戸時代になり、延宝8年(1680年)に、知恩院の第38世である萬無が、法然ゆかりの地に念仏道場を建てることを発願し、門弟の忍澂と共に再興したのが当寺であるとされる。
現貫主は31世の梶田真章(1984年就任)。
境内
寺は、鄙びた趣きをもつ、茅葺で数奇屋造りの山門と、内藤湖南、河上肇、谷崎潤一郎、九鬼周造などの著名な学者や文人の墓が数多く存在する。哲学の道近くという立地も関係して、春秋の観光シーズンには、大勢の参拝者がある。
本堂の本尊は阿弥陀如来坐像であり、法然上人立像なども安置されている。また、方丈にある狩野光信筆の襖絵は重要文化財に指定されている。また境内には、名水として有名な「善気水」が湧き出している。
文化財
重要文化財
- 障壁画
- 金地著色桐に竹図(方丈上の間)床間貼付3面、襖4面
- 金地著色若松図(方丈上の間)違棚壁貼付3面
- 金地著色槇に海棠図(方丈次の間)襖4面
- 附:金地著色松図 二曲屏風一双
所在地・アクセス
- 京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30
- 京都市営バス5系統・17系統・203系統・204系統、浄土寺バス停下車徒歩10分。32系統、南田町バス停下車徒歩3分。急行100系統、銀閣寺前バス停下車徒歩9分。
境内の拝観は無料であり、6:00から16:00の拝観時間には、自由に境内を参観できる。
通常は本堂等の建物内は非公開である。建物内の有料一般公開が年2回行われる。春の一般公開が4月1日から7日まで、秋の一般公開が11月1日から7日である。
脚注
参考文献
- 珂然『獅谷白蓮社忍澂和尚行業記』(『浄土宗全書』18巻1頁以下)
- 珂然(桝田英伸訳)『師、威厳あって温厚なり-法然院の忍澂上人のはなし』(2010、風濤社)ISBN978-4-89219-2
関連項目
外部リンク
- 法然院のホームページ - 公式サイト