水蒸気
テンプレート:Redirect テンプレート:出典の明記 水蒸気(すいじょうき、テンプレート:Lang-en-short[1]、steam)は、水が気化した蒸気。空気中の水蒸気量、特に飽和水蒸気量に対する水蒸気量の割合を湿度という。
水蒸気と湯気
水蒸気は無色の気体であり、目には見えない。雲は液体である水滴と水蒸気を含む空気の気体との混相だが、水滴により可視化される。その他、霧、靄、湯気など白く見えるものは、水蒸気を含む空気と水滴のうちの水滴である。
なお、湯気(ゆげ)は水蒸気がより温度の低い場で冷えて凝結し、水滴となったために白く見えるもの。たとえば、やかんで湯を沸かした際、その口から湯気が噴出しているところを見ると、口の近くだけは透明に見える。この部分は水蒸気であり、外気に触れて気体の温度が低下し凝結した水滴と水蒸気の混相が湯気である。
湯煙
火山が多く天然に湧く温泉が随所で見られる日本では、温泉特に熱泉の水蒸気が空気中で急激に冷やされて湯気となり煙のように白く沸き立ち上っているように見える様から、古くから湯煙(ゆけむり)と呼ばれ親しまれた。
例として、南紀徳川史に収められた「十寸穂の薄(ますほのすすき)」の四巻「牟婁郡」には、紀州湯峯温泉の説明書きとして「湯口は非常に熱く、湯煙が立ち昇って近辺は霧のようになっており、雲が無いときはより顕著で、食べ物を煮たり白米を浸して暫く置くと御飯となるが、大根は煮るのが難しい」と書かれている。
飽和蒸気と過熱蒸気
沸点で蒸発した状態の蒸気を飽和蒸気(ほうわじょうき)という。飽和蒸気は、圧力の高い場合には沸点が上昇するため、温度が高くなり、気圧が低い場合には沸点が下がるため、温度が低くなる。
飽和蒸気を一定圧力下で加熱すると、過熱蒸気(かねつじょうき)になる。過熱蒸気は飽和蒸気よりも大きな熱エネルギーを持ち、飽和蒸気の温度以上の温度に上昇する。蒸気機関では、凝結水が発生しないなどの利点があるため、たとえば、蒸気機関車では、日本の場合、初代9600形(9580形)が最初期であるが、以降の中型以上の機関車はほぼ過熱式であり、国鉄制式機関車ではB20形のような特殊な例外を除き全て過熱式である。
水蒸気の利用
水蒸気は古くから、蒸し料理や蒸し風呂に利用されてきた。圧力釜やオートクレーブもほぼこれを利用している。
水蒸気を利用した蒸気機関は、産業革命における動力源として重要な役割を担った。現代でも、火力発電や原子力発電の蒸気タービンなどに利用されている。
蒸気暖房やスチーム暖房として、加熱した水蒸気による暖房方式とその機器や設備。
脚注
関連項目