民弥流居合術
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民弥流居合術(たみやりゅういあいじゅつ)とは、居合術の流派のひとつ。本来の表記は民彌流居合術(漢字制限以後は現表記)。民谷流ともいう。富山藩に伝わった系統のみ現存している(2007年現在、黒田鉄山が宗家)。
遠祖を林崎重信(林崎甚助)、流祖を民弥宗重とする。民弥流では、この民弥宗重を上泉秀信と同一人物であると伝える。
上泉秀信は上泉信綱の孫であったとされるが、父である上泉秀胤が新陰流剣術を学ばせず、長野無楽斎から無楽流居合を学ばせ、夢想流居合(上泉流、無楽流上泉派)を開いた人物である。
民弥流では、上泉秀信が母方の姓である「民弥」に改姓し、民弥宗重となったと伝えている。
現存している系統は、第3代の長屋吉富(飛騨国の金森家の浪人)が正徳年間に富山藩に伝えたものである。この系統は江戸時代には富山藩の藩校廣徳館でも指導された。また、明治以降に第11代の黒田泰治が新たに形を加えた(付伝六本) 。
型
表之型
- 真之太刀
- 行之太刀
- 草之太刀
- 向掛
- 柄取
- 観念太刀
- 陽之剣
立会之型
- 真向斬り
- 横払
- 斜払
- 縦刀
- 横刀
- 斜刀
影手合
- 切附
- 骨摧
- 四方詰
- 三方詰
- 一文字
- 還切
- 心位
- 曲切
奧手合
奧儀
極意
印可
付伝六本
- 流星剣
- 飛燕剣
- 飛龍剣
- 露払
- 合掌剣
- 車斬
参考文献
- 黒田鉄山『居合術精義』壮神社
- 黒田鉄山・甲野善紀『武術談義』 壮神社