東陽片岡
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テンプレート:Sidebar with collapsible lists 東陽 片岡(とうよう かたおか)は、日本の漫画家。東京都板橋区出身。多摩美術大学デザイン科卒業。
雑誌のデザイナーをしていたが、並行して個人漫画のミニコミを発行。現在とほぼ同じ作風であり、その特異さと完成度の高さから、評判になる。 雑誌「ガロ」に投稿し、入選。「長井勝一が生前に選んだ、最後の新人」とされる。
「東陽片岡」というペンネームの由来は、彼が夢で渡された名刺にあった名前だという[1]。
作風
昭和を感じさせる、下町に暮らす人々とその生活をテーマとして、下品とシュールを織り交ぜたエロ・グロ・ナンセンスでありながら、ダウナーで妙にリアリティを感じさせる独自の世界を描いている。映画『三丁目の夕日』のような「昭和」とは対極に位置する、下品で貧乏くさい「昭和」である。
作品は、スクリーントーンを使用せず、すべて手描きで、また、アシスタントも使用していない。 登場人物が暮らす古アパートの、畳の細かい目をびっしりと描き込むのも特徴で、「畳職人漫画家」とも呼ばれる。
掲載雑誌の種類は非常に幅広い。
作品リスト
- やらかい漫画(青林堂)- 定価980円+税。初版発行1996年9月20日
- されどワタシの人生(青林工藝舎)- 定価1100円+税。初版発行1999年3月20日
- 段ボール低国の天使たち(実業之日本社/マンサンコミックス) - 定価980円/本体933円。初版発行2000年12月29日
- 東陽片岡 哀愁劇場(青林工藝舎) - 定価1200円+税。初版発行2002年7月30日
- お三十路の町(小学館)
- うすバカ二輪伝(青林工藝舎)- 定価1200円+税。初版発行2003年11月20日
- うすバカ風俗伝(青林工藝舎)- 定価1500円+税。初版発行2006年1月20日
- やさぐれ煩悩ブルース(メディア・クライス)- 定価1600円+税。初版発行2008年2月
- うすバカ昭和ブル-ス(青林工藝舎)- 定価1100円+税。初版発行2008年5月
- ステテコ行進曲(青林工藝舎)- 定価1100円+税。初版発行2009年9月
- ほどよい男たちのバラ-ド(秋田書店)- 定価1100円+税。初版発行2009年9月
- レッツゴー!! おスナック(青林工藝舎)- 定価1100円+税。初版発行2010年7月23日
- 熟女ホテトルしびれ旅(青林工藝舎)- 定価1100円+税。初版発行2011年1月
- コモエスタうすらバカ(青林工藝舎)- 定価1100円+税。初版発行2012年2月24日
映画出演
- 「東陽片岡の甘い生活」 自主映画監督ダーティ工藤による、インタビュー・ドキュメンタリー。DVD発売。下記の2作品を収録。
- 「東陽片岡のカク!」2001年
- 「東陽片岡パッケージを描くの巻」2006年
- 「東陽片岡のルサンチマン」2007年 やはりダーティ工藤監督による、東陽片岡主演によるフィクショナルな映画作品。
- 美代子阿佐ヶ谷気分 2009年
主な登場人物
微妙に設定は異なるものの、各作品をまたいで共通の人物が登場するスター・システムがみられる。
- 決斗兄弟
- キックボクサーの兄弟。実の兄弟では無い。ジムが潰れる等、運が無い。チャンピオンを目指している。兄の名は不明。弟の名は順二。
- ホームレス兄弟
- ホームレスの兄弟。実の兄弟では無い。アオカン(野宿)をしたり、日雇い労働をして木賃宿に泊まったりしている。
- ながし三兄弟
- 歓楽街の飲食店でながし稼業を営んでいる。長男はグチ聞き屋、次男はエロ話屋、三男はギターのながし。長男は常に褌一丁。
- 山下さん
- 印刷工場で働いている。無口。顔がそっくりな妹が居る。妹の仕送りで行く月イチのソープが楽しみ。涙もろい?
- 寝たきり姉妹&お金屋さん
- 病気でもないのに、働きもせず、古アパートの一室で常に寝ている姉妹。たまに「お金屋さん」が来てもってきてくれるお金で、生活している。
- 作者
- グチ聞き屋
- ハンチング帽の男
- 流し新太郎