東燃ゼネラル石油

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ファイル:General Minamisomakashima SS.jpg
ゼネラルエクスプレス南相馬鹿島SS
ファイル:ゼネラル野方.jpg
ゼネラル野方SS(ゼネラル独自色のスタンド)

東燃ゼネラル石油株式会社(とうねんゼネラルせきゆ、英文社名:TonenGeneral Sekiyu K.K)は石油製品精製・販売、石油化学製品の製造・販売を主に行っている企業である。

2000年平成12年)7月に東燃とゼネラル石油が合併して現在の組織形態になった。この合併は、それぞれの大株主であった、エクソンとモービルが前年に合併し、両社の持株の過半数をもったことを契機として行われた。外資系企業として、効率性にすぐれ人員が少ないことで有名テンプレート:要出典。取締役は10名。

概要

エクソンモービルグループの企業で、原油の輸入から精製、販売までを手がける。「ゼネラル」のブランドでガソリンスタンドを展開するほか、親会社エクソンモービルが展開する「エッソ」・「モービル」のガソリンスタンドにも製品を供給している。一時期、親会社のエクソンモービル日本法人は有限会社であるが、東燃ゼネラル石油は株式会社でかつ公開会社という珍しい資本形態になっていた時期がある。現在はエクソンモービル日本法人を改組したEMGマーケティング合同会社の99%の資本を当社が保有しているため、親子関係が逆転している。

石油事業に次ぐ中核事業である石油化学事業では、ベンゼンキシレントルエンなどの芳香族製品を生産している。また、エチレンプロピレンなどのオレフィン類の原料となるナフサは、グループの東燃化学に販売される。なお、東燃ゼネラル石油および東燃化学の石油化学製品は、エクソンモービルを通じて需要家に販売される。

日本国内に3つの製油所を有し、原油処理能力は1日当たり66万1,000バレルである。また、配当性向が高いことでも有名。[1]

1998年(平成10年)に消防法改正によってセルフサービスステーションが解禁になったのを受け、「ゼネラルエクスプレス (Express)」を展開している。「クイック&イージー」をキーワードに、誰もがすぐに、気軽に利用できるセルフSSとする戦略を採っている。

事業所所在地

本社・研究所

製油所

沿革

ゼネラル石油

  • 1947年昭和22年)7月26日 - 石油製品の販売、輸出入を目的としてゼネラル物産株式会社設立。
  • 1949年(昭和24年)4月1日 - 石油元売企業に指定。
  • 1952年(昭和27年)11月 - スタンダード・バキューム(スタンバック)と製品の供給・委託販売契約を締結。
  • 1953年(昭和28年)7月6日 - 東京証券取引所に上場。
  • 1958年(昭和33年)11月25日 - 東亜燃料工業と共同でゼネラル石油株式会社(後のゼネラル石油精製)を設立。
  • 1959年(昭和34年)4月 - ゼネラル瓦斯株式会社を設立。
  • 1967年(昭和42年)1月4日 - ゼネラル石油株式会社に社名変更。
  • 1972年(昭和47年)5月 - 南西石油株式会社に資本参加。
  • 1979年(昭和54年)5月24日 - エッソ・イースタンが株式の47.5%を取得。子会社エッソ石油株式会社(現・エクソンモービル有限会社)所有と合わせると49%に。
  • 1980年(昭和55年)10月1日 - ゼネラル石油精製・ゼネラル瓦斯と合併。
  • 1984年(昭和59年)12月14日 - エッソ石油と業務提携。
  • 1987年(昭和62年)3月 - 川崎製油所での原油処理を停止し、川崎工場に改称。
  • 1997年平成9年)7月 - エッソ・イースタンが株式を追加取得し、所有割合がエッソ石油所有を含めて50.2%に。
  • 1999年(平成11年)5月 - 昭和シェル石油・エッソ石油との3社間で、製品出荷に係わる相互委託契約を締結。エッソ石油とサービス相互提供契約に関する協定を締結。
  • 2000年(平成12年)5月 - エッソ・イースタンが株式をエッソ石油に譲渡。

ゼネラル石油精製

  • 1958年(昭和33年)11月25日 - ゼネラル物産と東亜燃料工業の折半出資により、ゼネラル石油株式会社が発足。
  • 1960年(昭和35年)11月28日 - 川崎製油所が操業開始。
  • 1965年(昭和40年)7月 - 堺製油所が操業開始。
  • 1967年(昭和42年)1月1日 - ゼネラル石油精製株式会社に社名変更。
  • 1980年(昭和55年)10月1日 - ゼネラル石油に合併。

東燃

  • 1939年(昭和14年)7月5日 - 軍用航空揮発油・潤滑油を製造する国策会社として、日本石油らの出資により東亜燃料工業株式会社が発足。
  • 1941年(昭和16年) - 和歌山工場操業開始。
  • 1944年(昭和19年) - 清水工場操業開始。
  • 1949年(昭和24年)2月11日 - スタンダード・バキューム(スタンバック)と資本・技術・原油供給・販売について提携。
  • 1949年(昭和24年)9月13日 - スタンバックが株式の51%を取得。
  • 1950年(昭和25年) - 和歌山工場・清水工場が操業再開。
  • 1950年(昭和25年)9月18日 - 東京証券取引所に上場。
  • 1958年(昭和33年)11月15日 - ゼネラル物産と共同でゼネラル石油(後のゼネラル石油精製)を設立。
  • 1958年(昭和33年)11月25日 - 日本漁網船具(現・ニチモウ)との折半出資により、日網石油精製株式会社(後のキグナス石油精製)を設立。
  • 1960年(昭和35年)12月24日 - 東燃化学株式会社を設立。
  • 1962年(昭和37年)3月13日 - 川崎工場が操業開始。
  • 1972年(昭和47年) - キグナス石油に資本参加(出資比率50%)。
  • 1987年(昭和62年) - 小規模製油所であった清水工場を閉鎖。
  • 1989年(平成元年)7月5日 - 東燃株式会社に社名変更。
  • 1995年(平成7年)3月 - キグナス石油精製を完全子会社化。

キグナス石油精製

  • 1958年(昭和33年)11月25日 - 東亜燃料工業と日本漁網船具(現・ニチモウ)の折半出資により、日網石油精製株式会社が発足。
  • 1960年(昭和35年)10月12日 - 川崎製油所が操業開始。
  • 1989年(平成元年)11月 - キグナス石油精製株式会社に社名変更。
  • 1995年(平成7年)3月 - 東燃の100%子会社となる。
  • 2001年(平成13年)7月 - 東燃ゼネラル石油に合併。

東燃・ゼネラル石油合併後

  • 2000年(平成12年)7月1日 - 東燃とゼネラル石油が合併し、東燃ゼネラル石油株式会社が発足。販売部門をエクソンモービルマーケティング有限会社に、管理部門をエクソンモービルビジネスサービス有限会社に業務委託。
  • 2001年(平成13年)7月 - キグナス石油精製を吸収合併
  • 2002年(平成14年)6月 - エッソ石油・モービル石油・エクソンモービルマーケティング・エクソンモービルビジネスサービスの合併により、エクソンモービル有限会社が発足。販売部門・管理部門を同社に業務委託。
  • 2004年(平成16年)12月 - キグナス石油の株式を三愛石油株式会社に譲渡。
  • 2008年(平成20年)4月1日 - 南西石油の保有株式(87.5%)をブラジルの国営石油会社であるペトロブラスに譲渡。
  • 2010年(平成22年)1月 - 子会社を通じて全額を出資していた東燃機能膜合同会社を、東レ株式会社との合弁会社化(持分比率50:50)し、東レ東燃機能膜合同会社を設立。
  • 2012年(平成24年)1月4日 - エクソンモービルの日本事業及びエクソンモービルが保有する当社の株式の一部(3割程度)を1000億 - 4000億円で取得し、日本市場から縮小・撤退させる方向であると一部のメディアが報道した[2]が、同日、両社はともに「うわさや憶測に対してはコメントしないが、エクソンモービルが日本から撤退するような計画はない」と撤退を否定するコメントを発表している[3][4]
  • 2012年(平成24年)1月20日 - 東レ株式会社と子会社を通じて共同出資していたバッテリーセパレーターフィルム合弁事業を平成24年1月31日をもって解消。東レ東燃機能膜合同会社は東レの全額出資会社として事業を継続。[5]
  • 2012年(平成24年)1月29日 - エクソンモービルが子会社を通じて所有する東燃ゼネラル石油株式会社の持分99%を平成24年6月に東燃ゼネラル石油が取得し、新たな提携関係に移行することを発表。エクソンモービルが子会社を通じてが保有する一部の化学品事業と東燃ゼネラル石油株式会社の株式8千万株を所有し続け、本持分取得後の東燃ゼネラル石油株式会社に対する議決権の保有割合は約22%となり、主要株主として留まる見込み。エクソンモービルのブランド(Esso・Mobile・Mobil 1等)は日本国内で独占的に使用する。またクレジットカード等の各種サービスも従前どおり提供する。石油精製および石油化学におけるテクノロジーや技術サポートも継続して使用し、原油や製品の調達においてもエクソンモービルとの協力関係を継続する。[6]
  • 2012年(平成24年)6月1日 - 従来の経営体制より製販一体の経営方法に変更し東燃ゼネラル石油グループが発足。
  • 2013年(平成25年)1月31日 - ダウ・ケミカル社の100%子会社であるユニオンカーバイド社と東燃ゼネラル石油社がそれぞれ50%ずつ出資していた日本ユニカー社の株式全持分を取得し合弁関係を解消することを発表。[7]
  • 2013年平成25年)7月日本ユニカー社の50%株式をユニオンカーバイド社から取得、完全子会社化。
  • 2013年平成25年)9月 同社が三井物産との両社間で三井石油と合弁子会社・極東石油工業の資本譲渡に基本合意、同時に三井物産が同社の発行済み株式のうち10%強を同社の現筆頭株主(元親会社)であるエクソンモービル側(実質保有分約22%)から取得する、との報道あり。

グループ企業

東燃ゼネラル石油グループは2013年(平成25年)1月末現在、連結子会社5社および持分法適用関連会社3社で構成されている。

会社名 本社所在地 主な事業内容
東燃化学合同会社 東京都港区 石油化学製品の製造・販売
中央石油販売株式会社 東京都港区 石油製品の販売
東燃ゼネラル海運有限会社 東京都港区 原油・石油製品の海上輸送
TGSH合同会社 神奈川県川崎市川崎区 株式/持分の保有
日本ユニカー株式会社 東京都品川区 高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンの製造
清水エル・エヌ・ジー株式会社 静岡県静岡市清水区 液化天然ガスの輸入・販売
極東石油工業合同会社 千葉県市原市 石油精製およびこれに付随する業務 三井石油株式会社社との共同出資。

CM

ゼネラル石油
ゼネラル灯油の歌「花はだれが咲かせたの」
  • 「お部屋の太陽ゼネラル灯油」のCMソングとして1970年頃作曲される。製作されたソノシートは非売品。
  • 作詞:山上路夫、作曲:川口真、歌:由紀さおり、コーラス:バイオレッツ

関連項目

不祥事

コンプライアンス違反など

  • 2011年6月11日に同社工場において、同日に行った定期点検で、石油貯蔵タンクの配管から、消防法において危険物に指定されている硫黄が50トンに亘って漏出し固体化しているのが発見された。石油コンビナート等災害防止法において、危険物の漏洩の際は地元消防に即座に通報するよう定められているにもかかわらず、同社は1年以上に亘り通報を怠っていた。堺市消防局は、事実関係の調査を開始している[8][9]

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:石油連盟
  1. Yahooファイナンス-東燃ゼネラル石油
  2. テンプレート:Cite news
  3. テンプレート:Cite news
  4. テンプレート:Cite press release
  5. テンプレート:Cite press release
  6. テンプレート:Cite press release
  7. 合弁事業に関するお知らせ 東燃ゼネラル石油ニュースリリース 2013年1月31日
  8. 工場から硫黄50トン流出 1年以上報告せず 産経新聞 2012年7月14日
  9. 堺工場における溶融硫黄の漏えいについて 東燃ゼネラル石油ニュースリリース 2012年7月13日