晩白柚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:生物分類表 晩白柚(ばんぺいゆ)は、柑橘類のひとつで、ザボンの一品種である。名前は、晩(晩生)・白(果肉が白っぽい)・柚(中国語で丸い柑橘という意味)に由来する。
概要
ザボン類は柑橘類の中でも果実が巨大で皮が厚いが、晩白柚は特にこれが著しく、直径25 センチメートルになるものも珍しくない。
香りがよく、鼻を近づけると、やんわりとした甘酸っぱい香りがする。果汁は少ないが果肉はサクサクとした歯ざわりで、よく熟したものは甘みと酸味のバランスに優れる。晩白柚は保存性が高く、皮が柔らかくなり、食べごろになるまで1ヶ月間ほど置いておける。
日本には1920年に、植物学者の島田弥市が、現在のベトナムの船上で食べた柑橘があまりにも美味しかったため、サイゴンの植物園から株を分けてもらい伝わった。しかし、当時は栽培法がわからず普及には至らなかった。
1930年に台湾から鹿児島県果樹試験場に白柚(ぺいゆ)の株が導入され、最適産地の熊本県八代市地区に根付き、改良が行われた結果、現在は八代市の特産品となっている。
2005年に八代市の農家で収穫された晩白柚が、世界で最も重量が重いザボン類としてギネス世界記録に認定された[1]。
日本における2010年の収穫量は971 トンであり、その97%は熊本県で生産されている[2]
利用
果肉を直接食用にするのが一般的である。果肉や果汁をゼリー、ジャム、飴等に加工し、土産品とすることも行われている。
厚い皮は、他のザボン類同様砂糖で煮てザボン漬けにすることができる。
露地物は1月中旬頃から出荷されるが、お歳暮の時期に間に合うようハウスものは12月上旬あたりから出荷される。
脚注・出典
- ↑ ギネス認証!ジャンボ晩白柚 - 八代市公式サイト
- ↑ 農林水産省特産果樹生産動態等調査2013年7月23日閲覧