日通総合研究所
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株式会社日通総合研究所(にっつうそうごうけんきゅうしょ)は、日本通運株式会社の子会社で、物流・交通に関する研究・分析・コンサルティング業務を行う民間シンクタンク。通称「日通総研」(にっつうそうけん)。
物流・交通を専門に研究する研究機関は、国や公益法人が母体となっているものは幾つか存在する(財団法人 運輸調査局,運輸政策研究機構等)が、民間ではほぼ唯一のものである。1961年設立。
現在ではすっかり定着した物流と言う用語は、英語の「Physical Distribution」を、同研究所の研究員が「物的流通」と日本語に翻訳し、これを省略して物流と用いた事に始まる。
所在地は、東京都港区東新橋(汐留地区)の日本通運本社ビル内。
専門性の高いシンクタンク故、交通・物流に関して大学等で教鞭を取っている出身者も多く、日通が母体となった流通経済大学とも近い関係にある。
日本物流学会の事務局業務も担当している。
事業の概要
以下の事業部を設け業務を行なっている。
- 「経済研究部」
- 国・行政・民間企業等からの物流に関する、経済、統計調査を行なう。
- 「経営コンサルティング部」
- クライアントへの物流コンサルティング業務。
- 「ロジスティクスコンサルティング部」
- 国、行政、民間企業等からの物流、ロジスティクスに関する相談、支援、コンサルティング業務。倉庫、DC等の物流作業効率化に関するコンサルティング業務。
- 「ITソリューション部」
- 運行管理や輸配送業務など、物流業務に関するシステム構築やソフト開発。
- 「物流技術環境部」
- 振動・衝撃・温湿度による貨物事故防止コンサルティング業務、貨物および輸送環境に適合した輸送容器・機器の研究・開発・試験、物流分野における環境問題、廃棄物・静脈物流に関する調査研究。
- 「輸送環境試験所」
- JIS-Z-0200(包装貨物-評価試験方法通則)に準じた包装貨物試験、輸送環境(振動衝撃、温湿度等)試験および調査(試験所およびフィールド試験)。
- 「安全コンサルティング部」
- 交通事故・労働災害ゼロを目指す企業への安全体制構築支援、コンサルティング業務および安全管理者専任時研修(法定)など安全に関する研修業務、フォークリフトオペレーターなど技術職への安全研修業務。
- 国土交通省「運輸安全マネジメント」の内部監査および研修支援、体制構築支援業務、厚生労働省推奨「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」のコンサルティングおよび認証業務、「道路交通安全マネジメントシステム(ISO39001)」取得のコンサルティング業務。
- 「教育コンサルティング部」
- 物流・ロジスティクスにかかわる、eラーニングやセミナー開催、集合研修、講師派遣など人材育成および調査・コンサルティング事業。
公表している統計資料
以下の調査資料を定期的に公表しており、経済分析を行う際の参考として幅広く活用されている。
- 「経済・貨物輸送の見通し」
- 当該年度の経済情勢の分析を基に、貨物輸送の動向を分析したもの。国内輸送・国際輸送の双方の動向、貨物の荷動きを分析したもの。
- 「日通総研短観」(企業物流短期動向調査)
- 3ヶ月に一度、2500社に及ぶ製造業・卸売業の貨物の荷動き動向や物流に係るコストを調査、分析して発表する資料。
出身者
- 湯浅和夫-物流コンサルタント
- 野尻俊明-流通経済大学法学部教授,前・流通経済大学学長
- 小野秀昭-流通経済大学,物流科学研究所専任教授
- 齊藤実-神奈川大学経済学部教授
- 林克彦-流通経済大学流通情報学部教授,前・流通科学大学商学部教授
- 矢野裕児-流通経済大学流通情報学部教授
- 町田一兵-明治大学商学部教授
- 男澤智治-九州国際大学経済学部教授 など