改造 (雑誌)
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改造(かいぞう)は、戦前の日本で発行されていた、社会主義的な評論を多く掲げた日本の総合雑誌。1919年(大正8年)創刊、1955年(昭和30年)廃刊。
歴史
第一次世界大戦後の1919年(大正8年)、山本実彦が社長を務める改造社から刊行された。主に労働問題、社会問題の記事で売れ行きを伸ばした。当時はロシア革命が起こり、日本の知識人も社会問題や社会主義的な思想に関心を寄せるようになった時期であり、初期アナキストの佐藤春夫、キリスト教社会主義者の賀川豊彦、マルクス主義者の河上肇、山川均などの論文を掲載した。小説では幸田露伴『運命』、谷崎潤一郎『卍』、志賀直哉『暗夜行路』の連載などがある。また改造誌上にて当代を代表する谷崎潤一郎と芥川龍之介の文豪同士の「小説の筋の芸術性」をめぐる文学的論争が繰り広げられ文壇問わず注目される展開となった。先行する総合雑誌として『中央公論』があったが、より知に対して急進的な路線を掲げ、文学面でも単なる文芸誌以上の内容の重厚さを見せる『改造』が支持されることになり、より売上を伸ばす結果となった。
第二次世界大戦中の1942年(昭和17年)、掲載した論文が共産主義的であるとして弾圧を受け(横浜事件)、1944年(昭和19年)に廃刊となる。第二次世界大戦後の1946年(昭和21年)に復刊するが、経営は思わしくなく、52年山本の死去により急速に衰え、労働争議の末、1955年(昭和30年)に廃刊。
なお版元の改造社は、現在では改造社書店、改造図書出版販売株式会社として複数店舗で書籍の販売業などを営んでいる(書籍の編集、出版は行っていない)。
改造社
- 1919年(大正8年) - 総合雑誌『改造』創刊。
- 1921年(大正10年) - イギリスの著名な論理学者バートランド・ラッセルを日本に招聘。
- 1922年(大正11年) - アインシュタインを日本に招聘する。
- 1926年(大正15年) - 『現代日本文学全集』を1冊1円で発売し、円本ブームを起こす。
- 1929年(昭和4年) - 岩波文庫に対抗して改造文庫を発刊。
- 1933年 『文藝』を創刊。
- 1944年 解散、『文藝』を河出書房に売却。
- 1946年 再建、西田義郎が『改造』編集長となる。
- 1952年 山本死去
- 1954年 佐々木績が『改造』編集長となる。
- 1955年 倒産。
参考文献
関連文献
- 水島治男『改造社の時代 戦前篇/戦中篇』図書出版社 1976
- 松原一枝『改造社と山本実彦』南方新社 2000
- 太田哲男『若き高杉一郎 改造社の時代』未來社 2008
- 木佐木勝『木佐木日記』現代史出版会 1975-76
外部リンク
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