技あり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
技あり(わざあり)は、武道(特に柔道や空手道など素手の武道)で、一本には満たないが相当の投げ技・固め技・突き技・蹴り技などを決めたときの呼称。寝技では、一本には満たないが規定時間以上押さえ込んだとき「技あり」となる。
目次
柔道における「技あり」
柔道における技ありは、講道館柔道試合審判規定(国内ルール)と国際柔道連盟試合審判規定(国際ルール)の両方に含まれるが、両規定による判定基準は少し異なる。
講道館柔道試合審判規定(国内ルール)においての判定基準
- 投げ技等において「完全に一本とは認め難いが、いま少しで一本であるような技のあった場合」
- 抑え込みにおいて「25秒以上30秒未満抑え込んだとき」
国際柔道連盟試合審判規定(国際ルール)においての判定基準
- 投げ技等において「相手を制して投げ、一本の条件のうち、『速さ』、『強さ』、『背中が大きく畳につく』のどれか一つが部分的に欠けたとき」
- 抑え込みにおいて「20秒以上25秒未満抑え込んだとき」
また、柔道では、試合の残り時間にかかわらず「一本」が出た時点で勝敗が決まるが、技ありが2本で「総合勝ち」となり、一本と同等のポイントが与えられる。通常は「合わせ一本」、又は、「合わせて一本」と言う。なお、有効は何回出ても技ありにはならないが、反則による注意(有効扱い)の場合、注意2回で警告(技あり扱い)になる。投げ技で技ありを取り、抑え込みで国内ルールでは25秒、国際ルールでは20秒カウントされた場合でも合わせ一本になる。
柔道の国際試合においてもこの日本語の単語は、「イッポン」などと同様に、そのまま「ワザアリ」として使われている。
空手道における「技あり」
フルコンタクト空手では技が決まり、その選手が3~5秒間(大会主催流派により違う)動けなかった時、主審1名副審4名のうち、3名以上が認めた場合、技ありとなる。
その他
空道においては「打撃による攻防で2秒間以上のダウンがあった場合」 技ありとなる。
また、武道を離れて「技あり」の語は日常生活の中でも使われることはある。